『ほったらかし投資術』の6ステップを、投資歴18年の私と突き合わせた——S&P500派の私が、それでもオルカン1本を勧める理由

『ほったらかし投資術』の6ステップとオルカン1本の資産運用を解説する記事のアイキャッチ。生活資金・無リスク資産・リスク資産の3層を積み上げた図を左に、黒いセーラー服の月城ミオが腕を組んで冷静に立っている インデックス投資

「結局、何を買えばいいんですか」と聞かれたら、私の答えは1行で終わります。eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカン。これ1本です。

ベスト3を選ぶ必要はありません。ベストが1本あるからです。

ただ、この記事でお伝えしたいのは、その1行ではありません。商品を選ぶ作業は、資産運用の手順のうち1つでしかないということです。本当に難しいのは、その1本を売らずに済む家計を、先に作っておくほうでした。

私はそこで一度、失敗しています。

結論:オルカン1本です。ただし、商品を選ぶのは6つの手順のうち1つだけです

先に結論を3つ書きます。

1つ目。リスクを取る部分に置くものは、オルカン1本で足ります。信託報酬(運用会社に払う手数料)は年0.05775%、純資産総額は13兆439億円です(いずれも2026年7月時点)。安くて、大きくて、世界中に分散されています。これ以上の条件を探す時間は、あまり報われません。

2つ目。商品選びは、資産運用の6つの手順のうち4番目に出てくるだけです。1番目から3番目までは、生活資金と、投資していい金額の上限の話になります。ここを飛ばして4番目から始める人が、とても多いように感じます。

3つ目。オルカンを持ち続けられるかどうかは、意志ではなく設計で決まります。私は資金が足りなくなって、持っていた投資信託を数十万円分売ったことがあります。相場が怖くなったからではありません。単純に、生活のお金が足りなくなったからです。

この記事では、書籍『ほったらかし投資術』が示す6つの手順を土台にします。投資歴18年の私が、自分の口座と突き合わせて答え合わせをしていきます。

『ほったらかし投資術』の6つの手順

正直に書きます。私はこの本を読んでいません

最初に断っておきます。私は『【全面改訂 第3版】ほったらかし投資術』(朝日新書・2022年3月11日刊)を読んでいません。タイトルだけは、ずっと前から知っていました。

読んでいない本の書評は書けません。ですから、この記事は書評ではありません。本が示す手順を、自分の18年分の口座と突き合わせる「答え合わせ」として書きます。

著者は山崎元さんと水瀬ケンイチさんのお二人です。山崎元さんは経済評論家として長く発信を続けた方で、2024年に亡くなりました。水瀬ケンイチさんは2002年からインデックス投資を続けている個人投資家です。本書の中で資産1億円に到達したことを公表しています(出典:Business Insider Japan)。

ほったらかし投資という言葉が指しているのは、手抜きのことではありません。「プロが考える最善に劣らない」ことと「なるべく簡単に実行できる」ことを、同時に満たす方法のことです。

手順は6つあります

本書が示す実行手順を、6段階に整理すると次のようになります。

手順 やること つまずきやすい点
STEP1 生活資金を確保し、残りを運用資金とする ここを飛ばすと、あとで売らされます
STEP2 運用資金をリスク資産と無リスク資産に分ける 比率ではなく金額で決めます
STEP3 無リスク資産は普通預金か個人向け国債(変動金利型10年満期)に置く 預金の保護には1,000万円の上限があります
STEP4 リスク資産は全額オルカンへ ここが一番簡単で、一番語られます
STEP5 新NISA・iDeCoなど税制優遇口座を使う 出口の自由度が制度ごとに違います
STEP6 優遇枠を超える分は、毎月一定額の積立で足す 曖昧なルールは続きません
『ほったらかし投資術』の実行手順を6段階に整理(筆者作成)

見ていただきたいのは、オルカンが出てくるのは4番目だということです。世の中で語られる量は、この順序と逆になっています。

お金を3つの層に分けます

STEP1からSTEP3までを図にすると、家計は3つの層に分かれます。下の図が、その3層の関係です。

お金の3つの層(下が土台) リスク資産 = オルカン1本 上限は「許容できる損失額の3倍」まで 無リスク資産 = 普通預金か個人向け国債 預金の保護は1金融機関あたり1,000万円まで 生活資金 = 生活費の数か月分 ここが薄いと、上の2層を売って埋めることになります ※ 土台から順に積む。上の層から作ると、下の層の穴を上の層で埋めることになります
生活資金・無リスク資産・リスク資産の3層構造(筆者作成)。預金保険の上限は1金融機関あたり元本1,000万円まで

STEP1の生活資金について、本書の中でも著者2人の考え方は割れているそうです。生活費の3〜6か月分でよいという立場と、心配なら2年分まで持ってよいという立場です。安定した収入があるなら3〜6か月分、収入が不安定なら厚めに、という理解でよいと考えられます。

私自身は、半年分ほどでは足りないと感じつつ、1年分までは置いていません。その中間くらいです。かなりの部分を投資に回しているので、人に勧められる水準とは言えません。

STEP3の無リスク資産については、本書は個人向け国債(変動金利型10年満期)を推しています。国が発行しているため、銀行が破綻したときの1,000万円という上限を気にせずに済むからです。最低金利は年0.05%が保証され、1万円から買えます。購入後1年間は換金できませんが、1年を過ぎれば直近2回分の利子相当額を差し引いて元本は戻ります(出典:財務省)。

ここで1つだけ、まぎらわしい点を整理させてください。ここでいう国債は日本の個人向け国債であって、私が「税引後で年5%になるまで買わない」と書いている米国債とは別のものです。前者は安全資産の置き場所、後者は増やすための商品です。役割がまったく違います。

私自身は、この個人向け国債を自分の資産としては持っていません。持っているのは子どもの分の1口だけです。増やすためではなく、金融教育の教材として買いました。半年ごとに利率が変わる様子を、実際の口座で見せられます。「これは国にお金を貸している証明だよ」と説明できる教材は、ほかに見当たりませんでした。

個人向け国債そのものの仕組みは、別記事で詳しく整理しています。

👉 【安全資産】個人向け国債の種類と特徴【注意事項】

投資していい金額は「許容できる損失額の3倍」まで

比率ではなく、金額で決めます

本書の考え方で一番おもしろいのは、STEP2だと私は考えています。リスク資産の量を、比率ではなく金額で決めるという点です。

「株式60%、債券40%」という決め方には、落とし穴があります。資産が増えれば、同じ60%でも損しうる金額は膨らみます。60%という数字は、痛みの大きさを教えてくれません。

そこで本書は、逆から計算します。

リスク資産に入れてよい金額 = 自分が受け入れられる損失額 × 3

なぜ3倍かというと、世界株のインデックスは1年間で、最悪の場合およそ投資額の3分の1を失うことがあるからです。逆に良い年は4割ほど増えることもあります。平均は年5%で見ておくのが目安です。

1年で3分の1を失いうるのなら、失っても大丈夫な金額の3倍までしか入れてはいけない、という逆算になります。

月1万円 × 30年 = 360万円、その3倍で1,080万円

では「受け入れられる損失額」は、どう決めればよいのでしょうか。本書が示す物差しは、こういうものです。

老後に、生活費を月1万円だけ減らせるとします。30年分なら360か月ですので、合計は360万円です。「将来の生活費が月1万円下がっても、自分はやっていける」と思えるとします。その場合、360万円までの損失は受け入れられる、という考え方です。

その3倍、つまり1,080万円までなら、リスク資産に入れてよいことになります。

これは老後に備えて守りに入るという話ではありません。攻めてよい金額の上限を、痛みの側から逆算しているだけです。上限が分かれば、その範囲では思い切り攻められます。

1,080万円を投資したとき、1年後にどうなるかを図にしました。下のグラフは、その振れ幅を示しています。

1,080万円を投資した1年後の振れ幅 720万円 最悪の年 3分の1の損 1,134万円 平均的な年 年5%で54万円増 1,512万円 良い年 4割の儲け
1,080万円を全世界株に投じた場合の1年後の目安(筆者作成)。最悪でおよそ3分の1の損、良い年で4割の儲け、平均は年5%という前提

360万円の損は、確かに痛いです。ただし「痛いが、生活は壊れない」という線を先に引いておけば、その範囲の下落では慌てずに済みます。

あなたの上限を計算してみてください

月1万円・30年は、あくまで例です。ご自身の数字で計算できるように、簡単な計算機を用意しました。

投資してよい上限を計算する

将来、生活費をいくら減らせるかを入れると、投資してよい金額の上限が出ます。

代表的な組み合わせを表にしておきます。

減らせる生活費 年数 受け入れられる損失額 投資してよい上限
月5,000円 30年 180万円 540万円
月1万円 30年 360万円 1,080万円
月2万円 30年 720万円 2,160万円
月1万円 20年 240万円 720万円
許容できる損失額から投資上限を逆算した早見表(筆者作成)

私自身に当てはめると、この物差しよりもう少し深いところまで許容できます。3割ほど下げたところで、ショックは受けても手法を変えるほど愚かではないつもりです。リスクとリターンが1対3という関係は、納得できる部分が大きいと感じています。

ただし、これは18年かけて出来上がった数字です。始めたばかりの人が最初から深く許容できるふりをするのは、危険だと考えます。上限は、浅めに引いて構いません。

私は資金がショートして、S&P500を数十万円分売りました

ここからが、この記事で一番書きたかったところです。

私は投資歴18年で、コロナショックでは買い増しました。関税ショックでは動じませんでした。それでも、投資信託を売ったことがあります。

理由は暴落ではありません。単純に、生活のお金が足りなくなったからです。金額は数十万円分でした。相場を予想して売ったのではなく、資金がショートして売りました。

この経験があるので、私は「握力」という言葉を軽く使えません。握力とは、売らずに持ち続ける力のことです。相場が下がったときに耐える精神力の話として語られがちですが、実際に私の握力を奪ったのは、恐怖ではなく家計でした。

握力は、信念か設計のどちらかで作られます

暴落で売ってしまう人を、意志が弱いと片づけるのは違うと考えています。売るのは意志ではなく、構造の問題です。

生活費と投資が同じ財布に入っていると、急な出費がそのまま売り注文になります。株価が下がっているかどうかは関係ありません。お金が要るから売る、それだけです。

逆に言えば、STEP1で生活資金を分けておくだけで、この経路は塞がります。コロナショックで私が買い増せたのは、性格が強かったからではありません。あのときは分離された資金があった、という設計の結果でした。

この構造については、別記事で詳しく書いています。

👉 キオクシア急落で「売らされた」のは誰か——暴落で売らずに済む人が持つ、2つの構造
👉 トランプ関税ショックから1年、積立継続者が得た真の教訓(握力は「信念」か「設計」で作られる)

周りを見ていても、握力を失って売却した人を何人か見てきました。彼らに足りなかったのは知識ではありません。知識はむしろ持っていました。足りなかったのは、売らずに済む設計のほうでした。

私はS&P500派です。それでも人に聞かれたら、オルカンと答えます

ここで、正直に書いておきたいことがあります。私の資産の中心は、オルカンではありません。

米国に集中する形で保有しています。Vanguard S&P 500 ETF、通称VOOと、Invesco QQQ Trust、通称QQQです。オルカンも持ってはいますが、新NISAが始まってからのわずかな額で、その後も増やしていません

それでも、人に「何を買えばいい?」と聞かれたら、私は迷わずオルカン1本と答えます。

矛盾しているように見えるかもしれません。ただ、これは矛盾ではないと考えています。自分が18年かけて作った偏りを、これから始める人にそのまま渡すのは無責任だからです。米国集中は、私が自分の判断で引き受けているリスクであって、人に背負わせるものではありません。

項目 私(Hiro)の保有 読者への推奨
中核 VOO・QQQ(米ドル建て・2020年から) オルカン1本
オルカン わずかに保有・増やしていない リスク資産の全額
通貨 米ドルで直接持つ 円建ての投資信託で十分
その他 金を暴落耐性枠として保有(含み損あり) まずはオルカンだけで構いません
筆者の保有と読者への推奨の違い(筆者作成)。保有は推奨ではありません

オルカンとS&P500で迷っている方は、こちらで構造の違いを整理しています。

👉 オルカンとS&P500、どっちを買えばいい?——答えは”迷うならオルカン”
👉 つみたてNISAおすすめランキング1位のファンドは、オルカンより実力で勝っていませんでした

水瀬ケンイチさんを合理的だと思う理由

本書の著者のひとり、水瀬ケンイチさんについて、私が合理的だと感じるのは理論の部分ではありません。

1本でやり切っていて、売らずに保有し続けているところです。ほかの投資に目もくれず、同じことを20年以上続けています。

正しい理屈を知っている人はたくさんいます。それを20年以上、他の選択肢に浮気せずに実行した人は、ずっと少ないはずです。合理性とは、知識のことではなく、行動を変えないことなのだと考えています。

もうひとりの著者、山崎元さんは2024年に亡くなりました。金融商品を売る側の論理と、買う側の損得を、はっきり切り分けて語り続けた方でした。手数料の高い商品を勧めない、という当たり前を当たり前として言い続けることは、簡単ではなかったはずです。

お金の判断に感情が入る4つの場面

合理的に考えれば答えが出ているのに、感情が入ると判断がぶれる場面があります。代表的なものを4つ挙げます。

「積立のほうが安全」と「分配金があるほうがお得」

1つ目は、一括投資より積立投資のほうがリスクが低い、という理解です。厳密には、これは正しくありません。積立で下がるのは、期間を通じて市場にさらしている平均の金額です。リスクそのものが小さくなる魔法ではありません。

ただし、ここで積立を否定するつもりはまったくありません。給料の中から投資する人にとって、積立は唯一の実装方法だからです。手元にまとまったお金がない人が積み立てるのは、リスク低減のためではなく、それしか方法がないからです。そして、続けられることの価値はリスク計算とは別のレイヤーにあります。

👉 サンデーダウが急落。「ブラックマンデーが来る」は本当か──積立を続ける3つの根拠

2つ目は、分配金が出るファンドのほうがお得だ、という感覚です。毎月分配型は、複利を奪う延命装置になりやすい仕組みです。運用が下手だから駄目なのではありません。分配のペースが実力を超えると、差額は元本から出ます。

👉 インベスコ世界厳選株式オープン(世界のベスト)は危ない?──毎月150円の分配に必要な運用は「年23.4%」でした

「底で買い戻す」と「良い銘柄だけ選ぶ」

3つ目は、暴落の前に売って底で買い戻せばいい、という発想です。これができるなら誰も困りません。売るタイミングと買い戻すタイミングの両方を当てる必要があり、成功率は2回分の掛け算になります。

2026年上半期の実測でも、一番成績が良かったのは何もしなかった人でした。

👉 2026年上半期の答え合わせ——日経+35%で一番勝ったのは、”何もしなかった人”だった

4つ目は、インデックスの中から良い銘柄だけ選べば市場平均に勝てる、という考えです。選別にはコストがかかります。調べる時間、売買の手数料、そして外したときの損失です。

アクティブファンドがインデックスに勝ちにくい最大の理由も、運用者の腕ではなく手数料です。市場全体の平均リターンは決まっており、そこから引かれるコストが小さいほど手元に残ります。オルカンの年0.05775%と、信託報酬1%超のファンドを比べたときの差は、30年後で数千万円という規模です。

👉 信託報酬30年の現実|世界のベストとオルカンで3,318万円差【4ファンド比較】

そして、オルカンについて「やめとけ」という声が出てくることもあります。私にとっては、ただのノイズです。

👉 『オルカンやめとけ』論はノイズです。私が動じない理由

今日からの手順と、NISA・iDeCoの話

やることは4つです

順番も含めて書きます。

  1. ネット証券の口座を開く(本命はSBI証券か楽天証券です)
  2. 生活資金がいくらあるか確認する(足りなければ、投資より先にここを埋めます)
  3. 受け入れられる損失額を計算し、3倍して上限を出す
  4. 新NISAのつみたて投資枠で、オルカンの積立を設定する

証券会社について、正直に書いておきます。新NISAで投資信託を積み立てるだけなら、SBI証券か楽天証券で十分です。この2社は米国株や海外ETFの売買手数料も為替手数料も0円で、大半の人はこれで足ります。私自身の主軸もSBI証券です。

そのうえで、用途によっては別の選択肢もあります。以下は「他の候補」としての紹介です。

証券会社の他の選択肢

個別株や米国株を細かく売買したい方には、マネックス証券という選択肢もあります。電話で相談しながら進めたい方や、少額から始めたい方には松井証券です。私の主軸はSBI証券ですが、用途で使い分けるのは合理的です。口座は複数持っても維持費はかかりません。

マネックス証券の口座開設バナー 松井証券の口座開設バナー

書籍はiDeCoを推します。私は新NISAを選びました

STEP5の税制優遇口座について、本書はiDeCo(個人型確定拠出年金)のフル活用を推しています。掛金が全額所得控除になるため、課税所得のある会社員や自営業者にとって節税効果が大きいからです。

会社員の拠出限度額も広がります。企業年金がない会社員の場合、現行は月2.3万円です。これが2026年12月の拠出分(2027年1月の引落分)から、月6.2万円へ拡大されます。

それでも私は、iDeCoに加入していません。新NISAだけを使っています。理由は出口の自由度です。

項目 新NISA iDeCo
税のメリット 運用益が非課税 掛金が全額所得控除+運用益が非課税
引き出し いつでも必要な分だけ 原則60歳まで不可
受取時 課税なし 受け取り方で税額が変わる
引き出せないこと 自由=自分で律する必要あり 不自由=売らずに済む利点でもある
新NISAとiDeCoを出口の自由度で比較(筆者作成)

公平のために書いておくと、iDeCoの「引き出せない」という性質は、欠点であると同時に利点でもあります。この記事の前半で書いたとおり、投資で一番大きなリスクは制度の改悪ではなく、自分が売ってしまうことだからです。資金がショートして売った私のような人間には、iDeCoの不自由さは防波堤として働きます。

私が新NISAを選んだのは、iDeCoが悪い制度だからではありません。自由と引き換えに、自分を律する側の責任を取ることにした、というだけです。どちらが正解かは、その人の家計と性格によって変わります。

👉 私がiDeCoに最初から入らなかった理由──新NISA・こどもNISA含む3制度の決定的な差
👉 iDeCoの出口を計算したら、退職金が多い人ほど損だった——19年ルールと特別法人税

関連書籍

この記事で扱った6つの手順の原典です。私は未読のまま手順だけを突き合わせましたが、ご自身で確かめたい方はどうぞ。

『インデックス投資は勝者のゲーム』要約と投資戦略のポイント」— 握力が弱ったときに読み返す本として、私はこちらを本棚に置いています。

よくある不安 Q&A

金額と資産配分について

Q. 投資していい金額は、結局いくらまでですか。
A. 受け入れられる損失額の3倍までです。比率ではなく金額で決めます。上の計算機に、将来減らせる生活費の月額と年数を入れてみてください。

Q. 受け入れられる損失額は、どう決めればいいですか。
A. 「将来の生活費が月いくら減っても、自分はやっていけるか」で考えます。月1万円を30年分なら360万円です。迷ったら、少なめに見積もって構いません。上限は後から広げられます。

Q. 無リスク資産は預金だけで大丈夫ですか。
A. 金額が1,000万円を超えないうちは、普通預金でも実務上は困りません。銀行が破綻したときに保護されるのは、1金融機関あたり元本1,000万円までだからです。それを超えるなら、個人向け国債(変動金利型10年満期)を検討する価値があります。

商品と制度について

Q. おすすめの証券口座はどこですか。
A. 新NISAでオルカンを積み立てるだけなら、SBI証券か楽天証券で十分です。銀行の窓口は選択肢に入れないでください。手数料の高い商品を勧められる可能性があります。

Q. アメリカより成長性の低い国にも投資して大丈夫ですか。
A. オルカンは時価総額に応じて自動で配分が決まります。成長した国の比重は自動的に上がり、縮んだ国の比重は下がります。どの国が伸びるかを当てなくていいのが、この商品の本質です。現時点で米国の比重が6割前後を占めているのも、当てにいった結果ではなく、時価総額の結果です。

Q. ほったらかし投資でFIREはできますか。
A. 到達できるかどうかを決めるのは、運用の方法ではなく入金額と年数です。年5%という平均リターンは、10年で資産をおよそ1.6倍にする力しかありません。差がつくのは、毎月いくら入れられるかのほうです。取り崩しの設計まで含めた話は、出口戦略の記事にまとめています。

まとめ

  • リスク資産に置くものはオルカン1本で足ります。ベスト3を選ぶ必要はありません。
  • 投資していい金額は、受け入れられる損失額の3倍までです。比率ではなく金額で決めます。
  • 商品選びは6つの手順のうち1つです。難しいのは、その1本を売らずに済む家計を先に作ることのほうです。

まずは、証券口座の残高ではなく、銀行口座の残高を見てください。生活費の何か月分がそこにあるかを数えるところから始めていただければと思います。積立の設定は、そのあとで5分あれば終わります。

私は資金がショートして、投資信託を数十万円分売りました。恐怖に負けたのではなく、設計が足りませんでした。握力は、気持ちで鍛えるものではなく、先に作っておくものです。

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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。

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本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。