夏のボーナスが、口座に振り込まれました。
SNSを開けば「ボーナスは全額NISAへ」という言葉が流れてきます。一方で、「せっかくの臨時収入、使わなきゃ損」という声もあります。
どちらが正解なのか。投資歴18年の私の答えは、そのどちらでもありません。
この記事では、ボーナスを「攻めの投資・守りの投資・今の自分」の3つに分けて考える方法を、実際に私が使っている道具まで含めて、正直にお話しします。読み終える頃には、あなたなりの「振り分けの軸」が決まっているはずです。
結論:ボーナスは「3つの行き先」に分ける
先に答えを言います。ボーナスは、次の3つに分けて考えるのが、私の結論です。
- ① 守りの投資:NISA(ニーサ・運用益が非課税になる国の制度)でインデックス投資に回す
- ② 攻めの投資:自分のパフォーマンスが上がる道具に使う(=自己投資)
- ③ 今の自分:使い切ってもいいお金。旅行や食事など
大事なのは、「全額投資」はおすすめしないということです。
「絶望は買い」を信条に、暴落でも淡々と買い増してきた私が、なぜ「全額投資するな」と書くのか。理由は次の章で説明します。
なぜ「全額投資」をすすめないのか
投資は、未来への投資です。今のお金を、未来の自分のために増やす行為です。
でも、ここで立ち止まって考えてほしいのです。未来は、今があってこその未来です。今の自分をすべて犠牲にして未来に全振りすると、ある瞬間にこう思います。
「自分は、何のために働いているんだろう」
これが、私が全額投資をすすめない一番の理由です。お金を増やすことが目的になり、今を生きる感覚が薄れてしまう。それでは本末転倒です。だからこそ、今の自分にも、少しの施しが必要だと考えています。
そもそも、今年のボーナスはいくらなのか
「分けると言っても、そんなに金額がない」と感じる方もいるはずです。2026年夏のボーナスの平均額を見てみましょう。
| 区分 | 2026年夏の平均支給額 |
|---|---|
| 民間全体(従業員5人以上) | 約43万6,000円(前年比2.3%増・5年連続増) |
| 大企業(上場企業) | 約104万7,000円(初めて100万円超) |
| 中小企業 | 約47万7,000円 |
| 製造業 / 非製造業 | 約60万5,000円 / 約40万4,000円 |
同じ「夏のボーナス」でも、勤め先の規模で2倍以上の差があります。だからこそ、金額の大小ではなく、「割合で分ける」考え方が大切なのです。10万円でも100万円でも、同じ発想で振り分けられます。
正直な話、今年の私はたぶん何も買いません
ここで、正直に打ち明けます。
3つに分けようと偉そうに書いていますが、今年の私のボーナスは、ほぼ何も残りません。少し前に生活防衛資金(=働けなくなっても数か月暮らせる現金)を使ってしまい、その補填でほとんど消える予定だからです。
本当は、後で紹介するヘッドセットを新しく買い換えたい気持ちがありました。けれど、今使っているものがまだ十分動くので、今年は見送ります。その代わり、昔に一度だけ訪れた夏の場所へ、小さな旅行に行こうと考えています。
「すすめている本人が、今年は道具を買わないのか」と思われるかもしれません。でも、これが現実です。ボーナスの使い道は、その年の自分の状況で変わって当然です。大事なのは、固定の正解を探すことではなく、自分の優先順位で分けることです。
守りと攻めの「投資」に、いくら回すか
では、具体的な割り振りです。まず「投資」に回す分から考えます。
守りの目安は「月の積立額 × 3倍」
すでに毎月コツコツとNISAで積立をしている方なら、ボーナスでは普段の月額積立の3倍くらいを上乗せ投資するのが、私の目安です。
たとえば毎月2万円を積み立てているなら、ボーナス時は6万円を投資に回す、という感覚です。無理のない範囲で「いつもより少し多め」に振り向ける。これだけで十分です。
投資先は、迷うならインデックス投資(市場全体にまとめて分散投資する方法)が最適解です。具体的には、全世界株式の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカン」や、米国株式の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、通称スリムS&P500」です。どちらも信託報酬(運用にかかる手数料)が年0.1%前後と、極めて低コストです。
なぜインデックスが安く、強いのかは、「インデックスファンドはなぜ安いのか」の記事で詳しく解説しています。
生活防衛資金が先。足りなければ投資は後回しでいい
ただし、順番があります。生活防衛資金が足りていないなら、投資より先にそちらを積むべきです。
生活防衛資金が十分にあるなら、ボーナス分を投資に回して問題ありません。私が今年、補填を優先しているのも、この順番を守っているからです。守りの土台がないまま投資に全振りすると、いざという時に投資を取り崩す羽目になります。
私の保有と、読者へのおすすめは分けて考える
誤解を避けるために、私自身の保有と、読者へのおすすめを分けて示します。
| 私(筆者)の保有 | 初心者へのおすすめ | |
|---|---|---|
| 中核 | VOO(米ドル建てS&P500 ETF)を6年保有 | オルカン or スリムS&P500(円建て投信) |
| 買い方 | ドル建てで直接売買 | NISAのつみたて投資枠で自動積立 |
私はドル建てのVOO、通称Vanguard S&P 500 ETFを6年持っていますが、これは投資歴が長く為替の手数料も許容できるからです。これから始める方は、円建ての投信をNISAで積み立てるほうが、手数料も手間も少なくて済みます。
ボーナス月だけ多めに買う「ボーナス設定」が便利
「ボーナスのときだけ多めに投資したい」なら、証券会社のボーナス設定(積立額を年2回だけ増やす設定)が便利です。SBI証券・楽天証券のどちらにもあります。一度設定すれば翌年以降も自動で引き継がれます。
注意点として、毎月の積立額とボーナス設定額の合計が、つみたて投資枠の年間上限(120万円)を超えないようにする必要があります。
これから口座を作る方や、用途で証券会社を使い分けたい方向けに、私の考えを添えておきます。私の主軸はSBI証券ですが、サポートの手厚さや少額からの相談しやすさで他社も評価しています。下記は私が保有しているからすすめるのではなく、初心者が選びやすい証券会社として紹介するものです。
NISA口座を作るなら(用途で選ぶ)
米国株や個別株まで視野に入れるならマネックス証券、サポート重視・少額や相談から始めたいなら松井証券が選びやすいです。どちらもNISA対応で口座開設・維持は無料です。
「欲しいもの」ではなく「パフォーマンスが上がるもの」を買う
次に、攻めの投資=自己投資です。ここが、ただの浪費と分かれる一番のポイントです。
私が道具にお金を使うときの基準は、ただ1つ。「欲しいもの」ではなく、「それを買うことで自分のパフォーマンスが上がるもの」を買う。これだけです。
具体的に、私が実際に使っている道具を、良い点も悪い点も正直に紹介します。すべてを買えという話ではありません。自分の生活に合うものだけ選べば十分です。
パソコンは、もはや「作る側」に回る唯一の道具
今の時代、AI(人工知能)を本気で活用しようとすると、スマートフォンだけでは限界があります。ブログ執筆、動画編集、調べもの、通販、家計管理、確定申告まで、すべてを1台でこなしてくれるのがパソコンです。私にとっては、これがないと何も始まりません。
初心者がMac(マック・Apple製のパソコン)デビューするなら、2026年発売の「MacBook Neo」が今は第一候補です。iPhoneと同じA18 Proチップを積んだ、Appleで最も手頃なノートパソコンです。
注意点が1つあります。一番安い256GBモデルには指紋認証(Touch ID)が付きません。指紋でロック解除やパスワード入力ができるTouch IDは、毎日使うと本当に便利です。これが欲しいなら、512GBモデル(指紋認証つき)を選んでください。価格差は1万5,000円ほどです。
本格的に動画編集までやるなら、処理に余裕のあるMacBook Airのほうが快適です。ただ最初の1台なら、Neoで十分です。物足りなくなったら、その時に買い替えればいい。なぜパソコンが「攻めの投資」なのかは、「副業も投資も、なぜパソコンが必要なのか」の記事で詳しく書いています。
iPhoneは「調べる・認証する」生活インフラ
iPhoneは、調べものをしたり、ログインの認証(本人確認)をしたりする、生活の土台です。これがないと立ち行かないので、定期的に買い替える前提で考えています。
現行モデルなら、私は「17e」ではなく「iPhone 17」をすすめます。理由は充電速度です。iPhone 17は約20分で半分まで充電できますが、廉価版の17eは約30分かかります。知人は17eを買って「充電が遅い」と後悔していました。
容量は、動画をたくさん撮らないなら256GBで十分です。Appleの延長保証(AppleCare)も、私は不要だと考えています。1台を長く使う前提なら、減価償却は4〜5年。2年ごとにバッテリー交換をすれば、5年は戦えます。
イヤホンとヘッドセットは「ながら時間」を投資に変える
通勤中に使っているのが、AirPods Pro 3です。2025年9月発売の最新モデルで、コストパフォーマンスが良いと感じています。
このイヤホンの一番の価値は、通勤の移動時間を「お金の勉強」に変えられることです。私は通勤中に、お金や投資の解説をするYouTubeチャンネル(両学長のライブや、フェルミ漫画大学など)を聴いています。読みたい本のヒントも、ここで見つかります。
ノイズキャンセリング(周囲の雑音を消す機能)は前世代の2倍と、効きすぎるほどです。正直、私は効きすぎて逆に切って使うこともあります。難点は、長時間つけると私は耳がかゆくなること、そして価格が高めなことです。装着感は人を選ぶかもしれません。
在宅やオンライン会議で活躍するのが、Poly(ポリー)のヘッドセット「Voyager Legend 50」です。Teams(チームス・マイクロソフトの会議アプリ)での通話で本領を発揮します。
耳に掛けるタイプで、長時間つけても疲れにくく、私は耳がかゆくなりません。接続が簡単で、通話品質も良いほうです。ミュート(消音)ボタンが手元にあるのも会議で助かります。難点は、本体がやや大きいことくらいです。
Apple Watchは、健康という最大の資産を守る
私はApple Watch SE 3(GPSモデル)を使っています。上位機種のSeries 11との一番の違いは、医療寄りの健康機能(心電図、血中酸素、高血圧の通知)の有無です。
注意したいのは、睡眠の記録や睡眠時無呼吸の通知、皮膚温の測定は、SE 3でも使えるという点です。心電図などの本格的な機能まで必要でなければ、SE 3で十分だと考えています。
通信方式は、GPSモデルで十分です。携帯回線で単独通信できるセルラーモデルは、使えるキャリアが大手4社とahamoに限られ、月500円ほどの通信料もかかります。スマホをいつも持ち歩く私には不要でした。
道具選びの早見表
| 道具 | 主な用途 | 正直な難点 |
|---|---|---|
| MacBook Neo | 作る側に回る(執筆・編集・家計) | 256GBは指紋認証なし/動画ガチ勢はAir |
| iPhone 17 | 調べもの・認証の生活インフラ | 価格が高い(17eより充電は速い) |
| AirPods Pro 3 | 通勤でお金の勉強(ながら学習) | 長時間で耳がかゆい人も/高め |
| Poly Voyager Legend 50 | 在宅・Teams会議の通話 | 本体がやや大きい |
| Apple Watch SE 3 | 健康管理・睡眠記録 | 心電図・血中酸素は非対応(Series 11のみ) |
残りは、堂々と使っていい
3つ目は、今の自分のために使い切ってもいいお金です。ここは、罪悪感を持たないでください。
浪費も、悪くありません。年を重ねるほど、人は欲しいものが減っていきます。体力も、一緒に出かけてくれる相手の時間も、永遠ではありません。だからこそ、家族や友人との食事、旅行といった「経験」に使うのは、とても良い選択です。
お金は、墓場まで持っていけません。経験は、若いうちほど価値が大きくなります。この考え方を深く知りたい方には、ビル・パーキンスの『DIE WITH ZERO』が響くはずです。「ゼロで死ぬ」、つまりお金を経験に換えながら使い切るという発想を教えてくれる本です。
関連書籍
「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」(ビル・パーキンス著)— ボーナスを「今の経験」に使う後押しをしてくれる一冊です。
ただし、ボーナスを「当てにしない」こと
最後に、1つだけ釘を刺させてください。ボーナスは、性質上ずっとあるものではありません。業績次第で減ることも、出ないこともあります。
だから「もらえればラッキー」くらいの距離感が健全です。ボーナスを前提にしたローンやリボ払いは、やめておきましょう。臨時収入を固定の支払いに縛りつけると、出なかった年に一気に苦しくなります。
🎥 この記事の内容は、約9分の動画でも解説しています
まとめ:ボーナスは「未来」と「今」の両方に分ける
夏のボーナスの使い道を整理します。
- 3つに分けて考えます。守りの投資(NISAでインデックス)、攻めの投資(パフォーマンスが上がる道具)、今の自分(経験への支出)です。
- 守りの目安は「月の積立額×3倍」です。生活防衛資金が足りないなら、投資より先にそちらを積みます。
- 道具は「欲しいもの」でなく「自分が伸びるもの」を選びます。そして残りは、罪悪感なく経験に使ってよいのです。
まずは、振り込まれたボーナスを「投資・道具・今の自分」の3つの封筒に分けるイメージから始めてみてください。比率に正解はありません。あなたの今の生活に合わせて決めれば、それが正解です。
未来のために全部我慢するのでも、今のために全部使うのでもなく、その両方に少しずつ。そのバランスこそが、長く投資を続けられる人の使い方だと、私は考えています。
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