最近、雑誌の見出しで「オルカンは卒業すべき」「オルカンやめとけ」という論調を見かけるようになりました。
結論から書きます。こういう論調が広がるのは、むしろ良い兆候です。動じる必要はありません。
僕は投資歴18年、施工管理を本業にしながら、相場と18年つき合ってきました。その18年で繰り返し見てきたパターンと、いま自分が「動じていない」理由を、3つに分けて書きます。
- 理由1:ノイズに乗って降りる人は、だいたい負ける
- 理由2:世界は長期で成長する。それが道理
- 理由3:下がる理由が、むしろ欲しい
- Hiro 保有 vs 読者推奨(2列比較)
- 関連書籍 — 結論を補強する2冊
- まとめ
理由1:ノイズに乗って降りる人は、だいたい負ける
これは観察事実です。
相場が高値圏に入ると、メディアは必ず「危険」を煽ります。
理由はシンプルで、読者の不安を刺激したほうが雑誌は売れるからです。「順調です」「持ち続けてください」では誰も買ってくれません。だから「危ない」「終わった」「卒業せよ」と書く。
問題は、煽られて降りた人がだいたい負けるという点です。
コロナショックのとき、何が起きていたか
2020年3月。世界がマスクを取り合っていた頃、雑誌の見出しには「世界恐慌が来る」と並んでいました。
そのとき、僕がやっていたのは買い増しです。VOOとQQQ、誰にも相談せず、淡々と買いました。
当時の数字を改めて確認します。
- S&P500の終値は2020年3月23日に 2,237.40ポイント まで下落
- そこから2026年5月時点で、S&P500は 約2.6倍
- QQQ は2026年5月6日時点で $688.52。コロナ底値からは 約4倍
つまり、「世界恐慌が来る」と書いた雑誌を信じて降りた人は、その後の 2倍以上の戻りを取り損ねた ことになります。
これが、僕がメディアの煽りに動じない最大の理由です。過去のデータが、ノイズに従った人の損失を可視化しているからです。
理由2:世界は長期で成長する。それが道理
「世界はいつまで成長できるのか」という問いに、僕の答えはシンプルです。
人口が増え続けるかぎり、長期では成長します。
因果はとても素朴です。
人口が増える → 消費する人が増える → 企業の売上が増える → 利益が増える → 長期では株価も上がる。
難しい経済理論ではなく、足し算の話です。
事実としての世界人口
2026年4月時点の世界人口は 約82.86億人。年間で約6,900万人、率にして 0.84% ずつ増えています。国連の2024年推計では、2084年頃に約103億人でピークを打つ見通しです。
つまり、これから少なくとも50年以上は、地球全体としては「人口増加局面」が続きます。
一方で、日本の数字は違う
日本の数字は逆方向です。総務省統計局の発表では、2026年4月の日本の総人口は 1億2,286万人。前年同月比で 54万人減少(-0.47%)しています。
15歳未満人口に至っては 前年比 -2.61%。労働力世代も縮小傾向です。
解釈を加えるなら、こうなります。
- 世界全体は人口増 → 長期で経済成長
- 日本だけは人口減 → 国内市場は縮小トレンド
これは「日本が嫌い」という話ではありません。事実として、人口が減り続ける国だけに賭けるのは合理判断ではない、というだけです。
だから、オルカン(全世界株式)は道理にかなっています。世界の人口増加分を、まるごと取りに行く器だからです。
僕個人はさらに一段攻めて米国集中(VOO・QQQ)でやっていますが、これから始める人にとってオルカンが第一推奨である理由は、この「人口」の道理に集約されます。
理由3:下がる理由が、むしろ欲しい
ここが本音の話です。
僕は、下がる理由を探しています。
理由は単純で、下がれば買い場だからです。コロナのときに買い増せたのは、皆が怖がって売っていたからでした。誰も売っていなければ、安く買うことはできません。
「オルカンやめとけ」論が広がると、何が起こるか
論調を時系列で並べると、こうなります。
- メディアで「卒業すべき」論が広がる
- 不安になった一部の積立投資家が、売る/積立を止める
- 需給のバランスが少し崩れて、価格が下がる
- 下がったところで、僕のような「動じない側」が買い増す
- 長期では、人口増の道理に沿って戻っていく
これは過去20年でも繰り返し起きてきた構造です。リーマンショックでも、コロナショックでも、トランプ関税ショックでも、本質はこのループでした。
だから、僕は「オルカンやめとけ」論が広がるほど安心して買い続けられます。売る人が出るほど、買える価格が下がるからです。
Hiro 保有 vs 読者推奨(2列比較)
ひとつ重要な前提を共有しておきます。「Hiroが何を持っているか」と「読者にどれを勧めるか」は、別の話です。
理由は、僕が投資歴18年で米ドル建てETFを直接売買できる前提なのに対し、これから始める読者は新NISAつみたて枠・為替手数料・配当二重課税といった制約があるからです。同じ思想でも、実装は変えるべきです。
| テーマ | Hiro 個人保有 | 読者推奨(日本投信で実装) |
|---|---|---|
| 米国S&P500 | VOO(ドル建てETF) | eMAXIS Slim S&P500(信託報酬0.09%) |
| NASDAQ100 | QQQ(ドル建てETF) | eMAXIS NASDAQ100インデックス(円建て・自動再投資) |
| 全世界 | 認識・評価(個人主軸ではない) | eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)(信託報酬0.06%) |
結論として、これから始める初心者には オルカン or eMAXIS Slim S&P500 を新NISAのつみたて枠で淡々と積み立てる、これが第一推奨です。
「Hiroが米国集中だから自分も全部VOOにすべき」と考える必要はありません。スタート地点と制約条件が違うからです。
動じる人と、動じない人の差は、最終的に「金額」で出る
感覚的な話で終わらせたくないので、定性化しておきます。
仮に、毎月3万円を年率6%で30年間積み立てた場合、最終資産はおよそ 3,011万円(元本1,080万円 + 運用益1,931万円)になります。複利計算式 P × ((1+r)^n - 1) / r で素直に出る数字です。
一方で、3年に一度「メディアの煽り」で半年止めてしまうと、その分だけ複利の土台が失われます。30年で見れば数百万円〜1,000万円単位の差が出ます。
「動じる」というのは、感情の話ではなく、最終的に「いくら違うんだ?」という金額で殴られる話です。
関連書籍 — この結論を支える2冊
記事の主張は、僕個人の発明ではありません。すでにインデックス投資の古典で、繰り返し書かれてきたことです。今回の論点に直結する2冊を紹介します。
1. 『JUST KEEP BUYING』ニック・マジューリ
原題そのものが、今回の記事の結論です。「とにかく買い続けろ」。
市場のタイミングを取ろうとして降りた人より、ノイズを無視して積立を続けた人のほうが、長期では勝つ。これを膨大なデータで実証している1冊です。
2. 『敗者のゲーム』チャールズ・エリス
インデックス投資の古典中の古典。プロでも市場平均に勝つのは至難の業で、だからこそ「市場に勝とうとしない」のが勝ち筋だと書かれています。
「オルカン卒業」「市場の中で工夫しよう」という発想が、なぜ報われにくいのか。読むと腹落ちします。
まとめ
- メディアの「オルカン卒業」論は、雑誌の都合で生まれるノイズ
- 過去、ノイズに乗って降りた人は2倍以上の戻りを取り損ねている
- 世界の人口は2084年頃まで増加が続く見通し → 長期成長の道理は不変
- 日本だけは人口減少局面 → 日本だけに賭けるのは合理的でない
- 「下がる理由」が広がるほど、買い場が近づく
- 初心者の第一推奨は eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン) または eMAXIS Slim S&P500
- 動じないというスキルは、最終的に金額で報われる
「卒業せよ」の声が大きくなるほど、僕は安心して買い続けます。それだけの話です。
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※ 本記事は投資情報の提供を目的としたものであり、特定の金融商品の購入を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。データはすべて記事公開時点のものです。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
