VOOで5万が11万になった、で、私はそれを激しく後悔している

VOOの株価推移とインフレ指標を示すチャート インデックス投資

VOO(Vanguard S&P 500 ETF)について書こうと思って、まず正直に言っておきます。今のVOO保有額は11万ほど。ただ、これは含み益込みの今の数字で、投資した元手は5万ちょいです。少し買い足したくらいで、あとはずっと寝かせていただけ。気づいたら倍になっていました。

じゃあなぜ書くかというと、私のポートフォリオのメインはS&P500のインデックス投信で、こちらは数百万円持っているからです。新NISAの中身は、ほぼS&P500。VOOは、その横にちょこんと置いてある11万(元手5万)。

つまりこの記事は、「VOOを買いまくれ!」という煽り記事ではなく、S&P500メインの投資家が、なぜ少額のVOOも持っているのか、そして5万が寝かせている間にどう変わったかという、わりと地味だけど実体験に基づいた話です。

私のポートフォリオの正直な配分

商品 投資元本(目安) 現在価値(目安) 口座/役割
S&P500インデックス投信 数百万円 新NISA / 資産形成の本丸
VOO(Vanguard S&P 500 ETF) 約5万(+少額の買い増し) 約11万 特定口座 / ドル建て配当の楽しみ
私のVOO/S&P500関連の保有(2026年4月時点・現在価値)

見ての通り、金額のスケールが30倍くらい違います。VOOは投資元本5万ちょいに、その後ちょっとだけ買い足しただけ。あとは寝かせていただけで11万になりました。「寝かせる」だけで、こうなる。これがインデックス投資の地味な威力です。

それでも持ち続けているのには、自分なりの理由があります。

なぜ私は「米国集中派」なのか

インデックス投資には、大きく2つの派閥があります。

  • 全世界派(VT派):VTやeMAXIS Slim 全世界株式に乗る。「未来は誰にもわからないから、地球全部に賭ける」
  • 米国集中派(VOO派):S&P500やVOOに乗る。「アメリカ経済が世界を引っ張り続ける」

私は米国集中派です。理由は単純で、アメリカ経済に賭けているから。

過去100年、世界の株式市場の中心はアメリカでした。GAFAMが世界を席巻し、AIの主戦場もアメリカ。新しいテクノロジーが生まれて、世界中の優秀な人材を吸い寄せ、それが企業価値に変わっていく構造が、今のところほかの国にはありません。

「過去がそうだったからこれからもそう」とは限りません。それは承知の上で、「次の20年もアメリカが勝つ確率が高い」方に賭けている。これは私の信念です。

メインがS&P500投信なのに、なぜVOOも持っているのか

ここがこの記事のいちばん書きたかった部分です。

S&P500投信(eMAXIS Slim等)を新NISAで持っているなら、それで十分なはずです。経費率も超低水準だし、配当は再投資される。NISAなら税金も非課税。合理的に考えると、それ以上はいらない。

それでも私がVOOを少額で買い始めた理由は、「ドルで配当が入ってくる感覚が欲しかった」から。それだけです。

VOOは米国市場に上場しているETFなので、配当は四半期ごとに米ドル建てで口座に入ります。日本円に換算すれば、たぶん年に数万円。少額です。でも、口座に「USD」の数字がじわじわ増えていく感覚が、なぜか嬉しい。

合理的な理由じゃないことは、自分でもわかっています。為替手数料を考えれば、円建ての投信のほうが効率的だ、と頭ではわかってる。でも、長期投資って、続けるためには「ちょっとした楽しみ」が要るんです。VOOのドル建て配当は、私にとってその「ちょっとした楽しみ」です。

5万ちょいという金額は、つまり「楽しみとして許せる範囲」でした。これがメイン投資のつもりなら理屈で組みますが、楽しみだから感覚で決めていい。そういう棲み分けで始めた、ちょこんとしたポジションです。

そして面白いのは、“楽しみ”の範囲で5万ちょい入れただけのVOOが、寝かせている間に倍になったという事実です。気合を入れて買った銘柄じゃない。むしろ手数料や為替で「効率悪いな」と思いながら持ち続けたもの。それが結果的に、いちばん増えやすい持ち方になっていた。

長期インデックス投資が「派手な努力ではなく、放置で効く」と言われる理由を、自分の口座で見せつけられた感覚があります。

VOOの基本(さっと押さえる)

知っている方は飛ばしてください。VOOの基本だけ簡潔に。

  • 運用会社:Vanguard Group(指数連動型ETFの巨人)
  • 連動指数:S&P 500
  • 構成銘柄数:約500
  • 経費率:0.03%(超低コスト)
  • 配当:四半期ごと(米ドル建て)
  • 上場:米国市場(NYSE Arca)

正確なデータはVanguard公式で確認できます → Vanguard公式VOOページ

S&P 500を信じる根拠 — リーマンとコロナを越えてきた指数

S&P 500は、過去にいくつもの大きな下落をくぐり抜けてきました。私自身、2007年から投資を始めて、リーマンショックとコロナショックの両方を経験しました。

リーマンのときは、当時の手元資金は数十万円ほど。それが相場の下げと自分の負けの両方で、一時は数万円まで溶けました。「ここで買えれば」と強く思ったけど、買えなかった。その悔しさが、2020年のコロナで活きました。あのとき迷わず買い向かえたのは、「S&P 500はこれまで何度も下げて、何度も戻してきた」という長期チャートを頭に焼き付けていたからです。

S&P 500の長期チャートを見ると、ITバブル崩壊もリーマンもコロナも、結局は長期の上昇トレンドの中の凹みに見えます。これを20年単位で寝かせる前提なら、暴落は買い場であって脅威じゃない、と思える。

もちろん、過去がそうだったからといって未来もそうとは限らない。これは何度も自分に言い聞かせています。それでも、「賭けるならアメリカ」というのが、私が18年で辿り着いた結論です。

VT(全世界)を選ばなかった理由

「分散こそ正義」と言うなら、VTやeMAXIS Slim 全世界株式のほうが理屈に合っています。1本で先進国も新興国も、地球全部に投資できる。

それでも私が米国集中を選んだ理由は3つあります。

  1. S&P 500の中身は、もう実質”世界”:構成銘柄の多くが多国籍企業で、売上の半分以上を米国外で稼いでいる。S&P 500を持つということは、間接的に世界経済にも乗っているのと同じ
  2. 米国市場のルール・透明性が世界トップ:会計基準も情報開示も、米国市場の信頼性は他を引き離している。新興国の不透明な部分まで含めなくていい
  3. 分散しすぎると、「賭けるべきところに賭けられない」:私は米国に賭けている。VTを持つのはその信念をぼかすことになる

VT派の合理性も理解しています。私は単に「自分の信じるところに集中する」スタイルが性に合っているだけです。

5万が11万になった、と書いたが、本音はちょっと違う

ここまで「寝かせていたら倍になった、面白いね」みたいな書き方をしてきました。けれど正直に書くと、私はこの事実を、嬉しいというより激しく後悔している側の感覚で見ています。

当時、もう少しまとまった金額を入れる選択肢は普通にありました。VOOに20万、30万と突っ込んでいれば、いまごろその倍の規模になっていた。

誤解しないでほしいのは、20万・30万という金額自体は、人生をひっくり返すほどの額じゃないということです。そこは自分でも冷静に見ている。本当に辛いのはそこじゃない。本当に辛いのは、その20万・30万が、投資に向かわず、「投資効果のない浪費」のほうに消えていった事実です。

当時の私は、本来投資に回せたはずのお金を、別のところで使っていました。何かを買って、何かを飲み食いして、何かを楽しんで——その場では確かに満足しました。けれど、浪費は瞬間の満足を与えるだけで、5年後・10年後の自分には、1円も残してくれない

頭ではわかっていました。当時もうっすらわかっていたと思う。でも、どうしようもなかった。「今この場で楽しむこと」のほうが、「10年後の自分のために寝かせること」より、感覚として勝ってしまっていた

その失敗を、いまはこう受け止めています。深く反省はしている。けれど、これはこれとして受け入れる。過去の浪費を時々ふと思い出しては、ひとり身悶えする瞬間も、たぶんこれからもある。それでも、身悶えしながら、進んでいくしかない。

後悔ばかりしていても1円も増えないので、いまは投資に邁進しています。VOOは少額のまま放置だけど、メインのS&P500投信は数百万円規模で動かしている。20万・30万を浪費に消した後悔があったからこそ、今のメインを”遊び”じゃなく”本気”のスケールで組めるようになりました。過去の失敗が、今のスケール感を作っている

もしこの記事を読んでいて、同じように「あのとき本気でやっておけば」「あのお金で投資しておけば」と感じている人がいるなら、伝えたいのはひとつだけ。過去の浪費を悔やむ時間があるなら、今月いくら追加で投資に回せるかを考えたほうが、未来の自分に効きます。私はそう自分に言い聞かせて、身悶えしながらも、積み立てを止めずに続けています。

これからVOO/S&P 500を始める人へ

もしこれから始めるなら、私の体験から言える順序はこうです。

  1. 最優先:新NISAでS&P500のインデックス投信(eMAXIS Slim 米国株 S&P500等)。非課税の恩恵が一番大きい。これがメインになる
  2. 次に余裕があれば:VTI(米国全体)やNASDAQ100連動も検討。S&P500との重複を理解した上で
  3. 趣味として(オプション):VOOを少額。ドル建ての配当を体験したい人だけ

1から始めて、何年か続けてから3に手を出す——くらいの順番でも全然遅くありません。「まずVOOから」は急ぎすぎです。為替の手間や米ドル口座の管理など、初心者には地味に負担になります。

結論 — 派手じゃないVOO、地味なS&P 500、そして”身悶えしながら進む”

派手じゃないVOOで11万、地味なS&P 500で数百万円。5万が11万になったように、数百万円もきっと、寝かせていれば次の景色を見せてくれる。そう信じて、これからもただ寝かせていくつもりです。

それでも心の中では、あのとき浪費に消したお金が、ふっと顔を出して、ひとり身悶えする瞬間があります。「あれを投資に回していれば」と。その後悔は、たぶん一生消えません。それでも、後悔の量をこれ以上増やさない唯一の方法は、今月・来月、スケールを大きくしていくことだけ。

派手な銘柄を追いかけて失敗してきた人ほど、こういう地味な構成と、こういう地味な後悔に辿り着くのかもしれません。反省は深く、それでも受け入れて、身悶えしながら進む。それが、私が18年でようやく身につけた歩き方です。

この記事を読んだあなたが、私と同じ「浪費に消したお金の後悔」を、できるだけ少なく済ませられますように。

「インデックス投資の本質」を知りたい方へ

インデックス投資は勝者のゲーム — 株式市場から利益を得る常識的方法」ジョン・C・ボーグル著

VOOを運用するVanguard Groupの創業者ボーグルが、自ら低コスト・指数連動・長期保有という哲学を語った一冊。私がS&P500を「派手じゃないけど中核に置く」と思えるようになったのは、この本の影響が大きかった。VOOを少しでも持つなら、一度は読んでおいて損はしません。

※ 本記事の数値・情報は2026年4月時点の各社公式情報をもとに作成しています。投資は自己責任でお願いします。

関連記事:S&P500投信を含むネット証券の選び方はこちらに書いています。新NISAでどこの証券会社を選ぶか迷っている方はあわせてどうぞ。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
この記事を書いた人
hiro

投資歴2007年から約18年。VOO・QQQ・金(GLDM)・eMAXIS Slim S&P500・オルカン・個別株を保有。「絶望買い×インデックス投資」で暴落局面こそ買い増すスタイル。長期的なアメリカ経済への信頼を軸に運用しています。AI×投資で資産運用ツールを開発中。完成次第フリーで公開予定。

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