日銀が金利を引き上げたのをみて、改めて米国債をみてみました。米国債には利払が含まれている「ストリップ債(ゼロクーポン債)」と利払がある「利付債」の2つがある。この2つの米国債、残存期間と利回りが同じならどのくらい差が出るかを比較してみました。
結論
- 満期まで待てて、低金利であれば、ストリップ債
- 半年に1度の利払が欲しいのであれば、利付債
「ストリップ債」と「利付債」の比較
比較する商品です。利回、残存期間は同じで利付債の利率は年4.375%、1ドル156.02円で計算しました。最低単価は100ドルなので計算上は数が出ない。160万円(1万ドル程度)がどれだけ増えるかをシミュレートしました。

以下はシミュレーションの結果です。
- ストリップ債は合計3,120,400円で+1,599,205円
- 利付債は合計 2,661,596円で+1,073,416円
- 差額は1,521,195円ストリップ債が多い
- 利付債は半年毎に約24,000円の利払いがある


リスク
- 金利変動リスク: ストリップス債はゼロクーポン債であるため、金利変動の影響を大きく受けます。金利が上昇すると、債券価格は大きく下落する可能性があります。一方、利付債は定期的な利子収入があるため、金利変動の影響はストリップス債ほど大きくありません。
- 為替変動リスク: 両債券ともに米ドル建てであるため、為替レートの変動により円換算での価値が変動するリスクがあります。損益分岐点為替は、投資時点の為替レートによって異なります。
- 流動性リスク: 一般的に、ストリップス債は利付債に比べて流動性が低い場合があります。
リターン
- 利回り: 表面利回りは両者同じ4.57%ですが、ストリップス債はゼロクーポン債であるため、償還時に額面金額を受け取ることで利益を得ます。一方、利付債は定期的な利子収入と償還時の額面金額を受け取ります。
- 複利効果: ストリップス債は利子を再投資する必要がないため、複利効果を最大限に享受できます。一方、利付債は利子を再投資する必要がありますが、その際の再投資利回りは不確実です。
結論
ストリップス債は金利変動リスクが高い反面、複利効果を最大限に享受できるため、金利が安定または低下傾向にある場合には高いリターンが期待できます。一方、利付債は金利変動リスクが比較的低い反面、複利効果はストリップス債ほど高くありません。
どちらの債券がリスク・リターンが高いかは、投資家のリスク許容度や金利見通しによって異なります。金利上昇リスクを抑えたい場合は利付債、高いリターンを狙いたい場合はストリップス債が適していると言えるでしょう。
投資判断にあたっては、上記のリスク・リターンに加えて、ご自身の投資目的や投資期間、その他の要因(精神的に耐えられるか等)も考慮することが重要です。