「eMAXIS Slim S&P500を積み立てているけど、20年後に本当にいくらになるのか」——この問いに正直に向き合ったことがあるか。
「なんとなく続けている」という状態は、長期投資において意外と危うい。暴落が来たとき、数字への確信がなければ売ってしまう。続けられるのは、自分の積立が将来どうなるかを、具体的な数字で知っているからだ。
この記事では、eMAXIS Slim S&P500を毎月積立した場合の20年後のシミュレーションを、月1万・3万・5万・10万円別に示す。信託報酬0.08140%を加味した実質リターンで計算しており、すべてNISA口座を想定している。
実際に積立している私の話
NISAの積立投資枠で、約2年間eMAXIS Slim S&P500を積み立てている。含み益は現時点で約40万円(約16%)だ。
この2年、大きな暴落は来ていない。それでも相場が揺れる場面はあった。そのたびに思うのは「むしろ安く買えるチャンスだ」ということだ。保有分より安くなっていれば、正直なところ嬉しいとさえ感じる。資金があれば買い足せばいいだけだからだ。
インデックス投資とは、未来に賭けることだと思っている。暴落のたびに売りたくなるなら、インデックス投資が自分のスタイルに合っていないか、数字への確信が足りていないかのどちらかだ。まず数字を見てほしい。
シミュレーション条件
- 初期投資額:0円
- 積立期間:20年間
- 年率リターン:5%
- 信託報酬:0.08140%(毎年控除)
- 口座:NISA(非課税想定)
年率5%はS&P500の長期平均(過去実績ベース)から設定した保守的な数字だ。実際の市場は上下するが、20年という長期では平均回帰が働く。
積立額別シミュレーション(年率5%・eMAXIS Slim S&P500)
▶ 20年間積立した場合
| 月額 | 元本 | 20年後の資産 | 運用益 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|
| 月1万円 | 240万円 | 411万円 | +171万円 | +71% |
| 月3万円 | 720万円 | 1,233万円 | +513万円 | +71% |
| 月5万円 | 1,200万円 | 2,055万円 | +855万円 | +71% |
| 月10万円(NISA満額) | 2,400万円 | 4,110万円 | +1,710万円 | +71% |
月3万円で元本の1.7倍。月10万円なら4,110万円。数字で見ると、積立を続ける理由がはっきりする。
▶ 積立期間別の比較(月3万円の場合)
| 積立期間 | 元本 | 運用後 | 運用益 | 増加率 |
|---|---|---|---|---|
| 10年 | 360万円 | 465万円 | +105万円 | +29% |
| 15年 | 540万円 | 801万円 | +261万円 | +48% |
| 20年 | 720万円 | 1,233万円 | +513万円 | +71% |
| 30年 | 1,080万円 | 2,496万円 | +1,416万円 | +131% |
30年積立で元本の2.3倍になる。10年と30年の差は「+29%」と「+131%」——時間が最大の武器だ。1日でも早く始めた人が勝つのがインデックス投資の本質だ。
信託報酬0.08140%の意味
信託報酬は毎年、保有額から自動的に差し引かれるコストだ。0.08140%という数字は、100万円保有すると年間約814円かかることを意味する。他の類似ファンドが0.1〜0.2%台のものが多い中で、これは業界最低水準に近い。
長期投資においてコストは確実に複利で効いてくる。0.1%の差が20年後に数十万円の差を生むこともある。eMAXIS Slim S&P500をNISAで選ぶ理由のひとつは、このコストの低さだ。
なぜオルカンではなくS&P500なのか
理由はシンプルだ。アメリカ経済に賭けたいからだ。
自分の周りを見渡してほしい。今使っているスマホはiPhoneか?その検索エンジンはGoogleかYahooか。パソコンはWindowsかMacか。チップセットはNVIDIA。動画はYouTube、SNSはXやInstagram、ファストフードはマクドナルド・ケンタッキー・バーガーキング・ドミノピザ。支払いに使うクレジットカードはVisaかMastercardか。
これだけ「アメリカ」が日常に溢れている。自分たちの生活はすでに、アメリカ企業の製品とサービスで成り立っている。その企業群に丸ごと投資できるのがS&P500だ。
オルカンは確かに素晴らしい。約50カ国・3,000銘柄以上に分散できる、迷ったら選ぶべき商品だ。ただ筆者は「この先の数十年もアメリカが世界を牽引する」という確信があるため、S&P500を選んでいる。大切なのは、根拠を持って選ぶことだ。
暴落時にどう動くか
答えはひとつだ。何もしないか、買い増す。これしかない。
そもそもインデックス投資とは、何に賭けている投資なのか。答えは「将来性」だ。上昇と下落を繰り返しながらも、長い目で見れば右肩上がりに成長していく——それがインデックスの本質だ。
暴落・下落は当たり前のことだ。シナリオ通りと言っていい。個別株と違ってインデックスファンドは倒産しない。S&P500が0になる日は、アメリカ経済が完全に消滅する日だ。それを恐れるなら、現金も意味をなさない。
だから何も恐れることはない。暴落時に「安く買えるチャンス」と思えるかどうかが、インデックス投資で長期的に勝てる人とそうでない人の分かれ目だ。
積立を始める手順
SBI証券の場合
- SBI証券にログイン → 上部メニュー「投資信託」をクリック
- 「ファンドを探す」から「eMAXIS Slim 米国株式」で検索
- ファンド詳細ページで「積立買付」をクリック
- 口座区分で「NISA(積立投資枠)」を選択
- 毎月の積立金額・積立日を設定
- 引落方法は「三井住友カード」を選ぶとポイント還元あり(最大5%)
- 目論見書を確認して注文完了
楽天証券の場合
- 楽天証券にログイン → 上部メニュー「投信」をクリック
- 「積立注文」から「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」を検索・選択
- 積立コースで「NISA積立投資枠」を選択
- 積立金額・積立日を設定
- 引落方法は「楽天カードクレジット決済」を選ぶとポイント還元あり(最大2%)
- 目論見書を確認して注文完了
どちらもクレジットカード積立を設定するとポイントが貯まる。同じ積立をするなら使わない理由はない。
まとめ
月3万円・年率5%・20年で1,233万円。これが今の自分の積立の「地図」だ。地図があれば、暴落が来ても動揺しにくくなる。
大切なのは金額より「続けること」と「始める時期」だ。このシミュレーションはあくまで平均的な想定であり、実際の市場は上下する。為替・物価・市場リスクは常に存在する。それでも、20〜30年という時間軸で見れば、インデックス積立は最もシンプルで再現性の高い方法だと筆者は考えている。
【で、どこで買う?】
商品自体はどの証券会社で買っても中身は同じです。違うのはサポートと、将来「米国個別株まで広げたいか」の発展性。私の主軸はSBI証券+住信SBIネット銀行ですが、これは18年の経緯でそうなっているだけ。これから口座を作るなら、米国株や個別株まで広げたいならマネックス証券、電話サポートや少額・相談しながら進めたいなら松井証券が有力です。どちらも口座開設・維持は無料、必要に応じて使い分けられます。
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免責事項:本記事は筆者個人の経験と分析に基づく情報提供であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。記事内容の正確性には注意していますが、市況等の変化により情報が古くなる可能性があります。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

