SpaceXは上場、Anthropicは11月目標、OpenAIは2027年——3社のIPO戦争、どれを選ぶかの答えは「選ばない」【2026年10月更新】

2.9兆ドルのIPO戦争、全員が勝てるわけがない——SpaceX・OpenAI・Anthropicどれを選ぶかに関する図解チャート インデックス投資

2026年10月6日に更新しました。4月の初版は、上場前の3社から「どれを選ぶか」を考えた記事でした。3社の現在地を10月5日時点に差し替え、答えを「選ばない」に書き換えています。4月時点の比較表は、記録として末尾に残しました。

先に書いておきます。このブログのネタ選びと設計は、AnthropicのClaude(アイキャッチの月城ミオ)で行っています。だからこの記事では、Anthropicについては公式発表と報道だけを使い、会社の評価も、株を買うべきかどうかも書きません。

4月、私はこの記事で「SpaceX・OpenAI・Anthropic、どれを選ぶか」を書きました。3社とも上場前で、合計の評価額は2.9兆ドルと言われていました。

5か月半たって、順番がつきました。SpaceXは6月12日に上場しました。Anthropicは11月の上場を目指していると報じられています。OpenAIは2027年の見込みです。

そして、4月の問いへの私の答えも決まりました。選ばないです。上場した株は、条件を満たせば順にインデックスに入ってきます。最初の日に当てにいかなくても、インデックスを持っていれば後から受け取れます。SpaceXで、それが実際に起きました。

結論:どれを選ぶか、ではなく「選ばずに受け取る」

  • SpaceXは上場済み。Anthropicは11月目標、OpenAIは2027年見込み(どちらも報道)
  • SpaceXは上場から1か月足らずで、オルカンの指数とNasdaq100に入った。選ばなかった人の口座にも、もう入っている
  • 「最初の日に買うか」と「インデックスで受け取るか」は別の問い。私は後者で受け取る

3社の現在地(2026年10月5日時点)

会社 上場の状況 評価額 売上の規模
SpaceX6月12日にナスダックへ上場(SPCX)。公開価格135ドル上場時 約1.75兆ドル(CNBC)。10月2日の時価総額は約2.2兆ドル2025年 約187億ドル(目論見書)
Anthropic6月1日に非公開で上場申請(公式)。11月の上場を目指すと報道約2兆ドルを目指すと報道年換算650億ドル超(7月時点・報道)。決算書は未開示
OpenAI6月8日に非公開で上場申請したと公表。上場は2027年の見込み(報道)1.2兆ドル超での資金調達を検討と報道年換算700億ドル近く(9月・報道)。決算書は未開示

表:3社の現在地(2026年10月5日時点)。SpaceXの時価総額は集計サイトの値。AnthropicとOpenAIの数字は報道によるもので、会社が開示した決算ではありません。「年換算」はある月の売上を12倍した値で、1年の売上の実績ではありません

4月の「合計2.9兆ドル」は、いまの数字では合いません。All-In Podcastの共同ホスト、ジェイソン・カラカニス氏は、3社を合わせると5兆ドルを超えると指摘しています(Benzinga、2026年9月)。上場していないAnthropicとOpenAIの分は、報道されている目標の値で足した数字です。

3社の上場、順番がついた 2026年4月 初版 いま(10月) SpaceX 上場済み 6月12日 Anthropic 目標(報道) 11月 OpenAI 見込み(報道) 2027年 確定 報道(会社は日程を発表していない)
図1:3社の上場の時間軸(2026年10月5日時点)

5か月半で何が起きたか

4月から10月までを、日付順に並べます。

  • 6月1日:Anthropicが、上場の申請書類(S-1)を非公開で提出したと発表
  • 6月8日:OpenAIも、非公開で上場を申請したと発表
  • 6月12日:SpaceXがナスダックに上場。公開価格135ドルで750億ドルを調達(追加の売り出しを含めると約860億ドル)。初日の終値は161ドル
  • 6月末:オルカンが連動するMSCIの全世界株指数に、SpaceXが入る
  • 7月7日:Nasdaq100にも入る。S&P500には入らず
  • 8月19日:OpenAIのCFOが社内で「上場は2027年」と話したと報道
  • 9月18日:Anthropicが上場を10月から11月に後ろ倒しすると、WSJが報道。7〜9月期の決算を投資家に示すため
  • 9月22日:AnthropicとOpenAIが、約1時間半の差で相次いでAIの料金を下げる(米国時間)
  • 10月1日:Anthropicが10月14日に上場前の投資家説明会を開き、感謝祭(11月26日)の前の上場を目指すと、ブルームバーグが報道

SpaceXの株価は、まっすぐには進みませんでした。公開価格135ドルから3営業日で225ドル台まで上がり、7月下旬には一時80ドル前後まで下げています。10月2日の終値は158.96ドルです。上場した後の値動きは、こういうものです。

9月22日の値下げは、9月29日の記事で書きました。上場を控えた2社が、同じ日に価格で競い合いました。値下げは使う人には朗報で、作る会社の利益率には請求書になります。上場前の会社に「伸びを取るか、利益率を取るか」という問いが来た、と私は読んでいます。どちらが正しいかは、公開される決算を見るまで分かりません。

Anthropicについて、会社は上場の日程を発表していません。11月という時期も、2兆ドルという評価額も、最大1,000億ドルという調達額も、すべて報道です。10月5日時点で、一般に公開された申請書類(S-1)は、米国の開示システム(EDGAR)にまだ出ていません。

選ばずに受け取る

4月の私は「どれを選ぶか」を考えていました。いまは、その問いの立て方が違っていたと思っています。

上場した株は、時価総額や浮動株(市場で売り買いされる株)の条件を満たせば、指数に順に入ってきます。SpaceXでは、それが上場から1か月足らずで起きました。オルカンが連動するMSCIの全世界株指数には6月末に、QQQが連動するNasdaq100には7月7日に入っています。

私は主力でQQQを持っています。オルカンも、NISAでわずかに持っています。だから私は、SpaceXを1株も選んで買っていないのに、6月末からSpaceXを少し持っています。

一方で、S&P500にはまだ入っていません。S&P500には「黒字であること」などの条件があり、SpaceXは2025年に赤字でした。運営会社のS&Pは、時価総額が大きいことを理由に例外は作らない、と決めています(6月13日の記事)。VOOだけを持っている人の口座には、まだ入っていません。同じ「インデックスで持つ」でも、どの指数かで受け取る時期が違います。

「最初の日に買う」と「インデックスで受け取る」 最初の日に買う インデックスで受け取る 判断する人 自分 市場(時価総額) タイミング 上場の初日 指数のルールで決まる日 比率の決まり方 自分で決める(集中しやすい) 大きくなれば増え、縮めば減る どちらが儲かるかの比較ではなく、「誰が、いつ、どれだけ」を決めるかの違い
図2:選ぶ判断を、自分がするか市場に任せるか

ここで、問いを2つに分けます。

1つ目は「最初の日に買うか」。8月26日の記事で、Anthropicについてこの問いを書きました。最初の日に儲かるかどうかは、会社の成績ではなく、証券会社の値付けと、売れない期間が明けたときの売りの量で決まります。私の答えは「興奮は、見送り」でした。最初の日には乗りません。買いたい気持ちは、ゼロになっても生活が何も変わらない遊び枠の中だけで扱います。いまもこの答えは変わっていません。

2つ目は「インデックスで受け取るか」。こちらは、何もしなくても起きます。上場した会社が大きくなれば、インデックスの中の比率が上がります。小さくなれば下がります。どの会社にどれだけ持つかの判断を、市場の時価総額に任せる、ということです(8月19日の記事)。

SpaceXの株価が225ドルから80ドルまで動いたあいだ、インデックスの中のSpaceXの比率も一緒に動きました。でも、それを決めたのは私ではありません。私が当てにいかなかったぶん、外したときの痛みも、インデックスの中の小さな比率に収まっています。

受け取れるのは、上場した会社の株だけでもありません。10月1日の記事で書いたエヌビディアの24兆円の自社株買いも、私はインデックスの中で受け取っています。9月11日の記事で書いたとおり、AIの利益が半導体に寄っても、電線に寄っても、電力に寄っても、指数を持っていればその分を受け取れます。3社のうちどこが勝つかを当てなくても、勝った分は時価総額の形で入ってきます。

4月の私が書いたこと

4月の初版の最後に、私は「3社の中でどこが勝つかと問われれば、迷わずAnthropicと答える」と書きました。この更新で、その一文は外しました。

理由は2つあります。1つは、このブログをAnthropicのClaudeで作っている私が書くと、それは分析ではなく好みになることです。もう1つは、4月に並べた数字の多くが、上場前の報道でしかなかったことです。4月の表では「Anthropicは10月上場」「OpenAIは2026年第4四半期」となっていました。どちらも動きました。

4月の初版にあった売上の棒グラフも外しました。単位を10倍に誤って書いていたからです(155億ドルを「$155B」と表記していました。正しくは$15.5Bです)。

まとめ

  • 4月の問いは「どれを選ぶか」。10月の答えは「選ばない、後から受け取る」
  • SpaceXは6月12日に上場し、6月末にオルカンの指数、7月7日にNasdaq100へ入った。S&P500には黒字の条件があり、まだ入っていない
  • Anthropicは11月目標、OpenAIは2027年見込み。どちらも報道で、会社は日程を発表していない
  • 「最初の日に買うか」と「インデックスで受け取るか」は別の問い。私は最初の日には乗らず、インデックスで受け取る

次の節目は、10月14日のAnthropicの投資家説明会(報道)、公開版の申請書類(S-1)、そして上場日です。公開版のS-1が出たら、6月4日にSpaceXの目論見書を読んだときと同じように、財務を読む記事を別に書きます。

参考:2026年4月時点の比較(初版のまま)

4月の初版に載せていた表です。上場前の報道をもとにした数字で、更新していません。現在の数字は上の「3社の現在地」を見てください。

指標 SpaceX OpenAI Anthropic
最新評価額 〜2兆ドル(IPO目標) 約8,520億ドル 約3,800億ドル
年間売上ランレート 約155億ドル(Starlink) 約250億ドル超 約300億ドル超
前年同期比成長率 —(Starlink黒字化済み) 約17% 約200%超
予定IPO時期 2026年6月ロードショー 2026年第4四半期 2026年10月
収益性 黒字(Starlink部門) 赤字(年間〜140億ドル) 非公開(学習コスト優位)
機関投資家の需要感 非常に高い(確率89.5%) 慎重(一部が回避意向) 極めて高い(「飽くことない需要」)
2026年4月時点の3社比較(初版のまま・更新していません。出典:CNBC、Reuters、Bloomberg、Polymarket、The Motley Fool等をもとに筆者整理)

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出典:SpaceX公式(公開価格の発表、2026年6月)、CNBC(2026年6月11日・6月26日)、MSCIの早期組み入れに関する報道(2026年6月8日)、Anthropic公式発表(2026年6月1日)、OpenAIの非公開申請に関する報道(2026年6月9日)、WSJ(2026年9月18日)、ブルームバーグ(2026年9月15日・9月29日・10月1日)、CNBC(2026年8月17日)、Benzinga(2026年9月)。SpaceXの10月2日の終値と時価総額は集計サイト(stockanalysis.com)の値です。数字は2026年10月5日時点で確認したものです。※本記事は特定の銘柄や商品の売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。


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