資産運用って、結局どうすればいいの?——答えは2行で終わります【投資歴18年・超初心者向け】

資産運用の答えは2行だと説明する月城ミオ。指を2本立てて、手前には整った棚が1つ、奥には雑多な棚がぼやけて並んでいる インデックス投資

「資産運用って、結局どうすればいいの?」

この質問に、私はずっと答えていませんでした。このブログには100本以上の記事があります。ETFの比較も、税金の話も、暴落したときの考え方も書いてきました。それなのに、いちばん最初に読むべき記事だけがありませんでした。

今回はその穴を埋めます。専門用語をできるだけ使わず、投資歴18年の私が「超初心者に聞かれたら、実際にこう答える」という順番で書きます。読み終わったとき、次に何をすればいいかが1つに決まっている状態を目指します。

答えは、2行で終わります

先に結論を書きます。

  • 貯金を殖やす
  • 資産を買い続ける

これだけです。図にすると、こうなります。

働いて稼ぐ 収入をつくる 余らせる 貯金を殖やす 家計を管理する 買う 資産を買い続ける ここは1本だけ 資産運用の全体像 つまずくのは、いちばん右の「何を買うか」ではありません 資産のふりをした商品を、うっかり買ってしまうところです
この図は、資産運用が3つの箱で終わることを示しています。工程は少なく、迷う場所は最後の1つだけです

拍子抜けしたでしょうか。でも、本当にこれだけです。資産運用が難しく見えるのは、やることが多いからではありません。買ってはいけないものが、資産の顔をして大量に並んでいるからです。

だからこの記事の大半は、「何を買うか」ではなく「何を外すか」の話になります。外し終わったあとに残るものは、驚くほど少ないです。

なぜ、貯金だけでは足りないのか

「貯金を殖やす」と書きました。ではなぜ、貯金だけで終わらせないのでしょうか。

理由はインフレ(物価が上がり続けること)です。

働いて増やす力だけでは、間に合わなくなりました

労働だけでは、今のインフレには対応できません。これがこの記事全体の前提です。

給料が上がっても、物の値段がそれ以上に上がれば、実際に買えるものは減ります。働いて増やす力に加えて、貯めた資金にも働いてもらう必要があります。

お金を増やす力は、2つあります ① 自分が働く力 給料・事業の収入 1日は24時間しかありません 増やせる量に上限があります ② お金に働いてもらう力 貯めた資金を投資に回す 寝ている間も動きます 時間の上限がありません 物価が上がり続けるいま、①だけでは追いつきません だから①で作った資金を、②に回します
この図は、投資が「働くことの代わり」ではなく「働くことに足すもの」であることを示しています

数字にすると分かりやすいです。仮に物価が年2%ずつ上がったとします。手元の100万円は、金額としては100万円のままです。ですが20年後、その100万円で買えるものは約67万3千円分に減ります。

いま 100.0万円 10年後 82.0万円 20年後 67.3万円 ※ 物価が年2%ずつ上がった場合の「100万円で買えるものの量」
このグラフは、金額が同じでも「買える量」が減っていくことを示しています。20年で約32万7千円分が消えます(物価上昇率を年2%と仮定した筆者試算)

金額は減っていません。減ったのは価値のほうです。通帳を見ているだけでは気づけません。

なぜ日本で物価が上がりやすい状態が続いているのかは、日銀が利上げしても、なぜ円安は止まらないのかで詳しく書きました。

それでも、順番は「貯金が先」です

誤解しないでいただきたいのですが、いきなり投資から始めるという意味ではありません。順番は貯金が先です。

投資に回せるお金は、生活に使わないお金だけです。そのお金を作れるかどうかは、投資の腕ではなく家計を管理する力で決まります。

ここが弱いまま投資を始めると、値下がりしたときに生活費のために売ることになります。それは、いちばんやってはいけない負け方です。

資産の顔をしたゴミ商品があります

ここがこの記事でいちばん大事な章です。

世の中には、資産の顔をしたゴミ商品がたくさんあります。しかも「投資商品」の棚だけにあるわけではありません。保険も含みます。

私は14年間、それを握っていました

偉そうに書いていますが、私自身が買っていました。

低解約返戻金型保険(途中で解約すると払った額より大幅に少ない金額しか戻らない貯蓄型の保険)に、14年間入っていました。詳しい経緯は投資歴18年の私が14年間「低解約返戻金型保険」に入っていた告白に書いています。

がん保険も持っていましたが、こちらは解約しました

つまり私は、この章を外側から書いていません。自分がつかんでいたものの話をしています。

外すものリスト

外すもの なぜ外すのか
貯蓄型の保険・学資保険 保障と運用が混ざっていて、何にいくら払っているのかが分かりません
仕組み預金 高い金利に見える部分は、利息ではありません(金融庁がメスを入れた話
ファンドラップ おまかせの代金が高すぎます(24兆円市場の罠
毎月分配型の投資信託 元本を取り崩して配っている場合があり、増える力を削ります
不動産・暗号資産・AI関連への集中投資 値動きが読めないものに、最初の資金を置く理由がありません
超初心者が最初に外すもの(筆者の判断基準による整理)

共通点があります。中身が見えないことです。

迷ったときの、たった1つの判定 その商品、中身を説明できますか? いいえ はい 外します それ以上、調べる必要もありません 候補に残します 次に手数料で絞ります 「何にいくら払っているか」を紙1枚で言えない商品は、たいてい高いです。 保障と運用が混ざっている保険が、その代表になります。
この図は、商品の良し悪しを勉強しなくても、外す判断だけはできることを示しています

何にいくら払っているのかが説明できない商品は、それだけで外して構いません。株式は昔ながらのやり方で十分です。変わったことをする必要はありません。

少額から始めてください

外すものが決まったら、次は金額です。

投資にはリスクがあります。だからこそ、ギャンブルにしないことが大事になります。ギャンブルにしない方法は、シンプルです。慣れるまで大金を入れないことです。

値動きに慣れる期間を、お金で買う

最初の数か月は、増やすための期間ではありません。値動きに驚かなくなるための期間です。

月に1,000円でも構いません。金額が小さければ、10%下がっても100円です。100円なら、たいていの人は落ち着いていられます。

10%下がったとき、いくら減るか 投じた額 減る額 そのときの気持ち 1,000円 100円 何も感じません 1万円 1,000円 まだ平気です 10万円 1万円 少し気になり始めます 100万円 10万円 売りたくなります 値動きの「%」は同じです。変わるのは、耐えられるかどうかだけです。
この図は、下落率が同じでも金額で受け止め方が変わることを示しています。最初に決めるのは商品ではなく金額です

ここで大金を入れてしまうと、下がったときに耐えられません。値動きに迷わされて売ってしまい、「やっぱり投資は怖い」で終わります。

私自身、新NISAの枠を毎年使い切れてはいません。その理由は新NISA、満額360万円を急がなくていいに書きました。急がないことは、負けではありません。

そもそも投資が怖くて動けない、という方もいます。その場合はこちらを先にどうぞ。

投資が怖くてNISAを始められない人へ

手数料と税金は、払わなくていいものです

ここは2つセットで考えてください。手数料と税金は、どちらも「減らせる確定した損」だからです。

リターンは自分で決められません。でも、この2つは自分で決められます。

手数料は「0.1%以下」を基準にする

投資信託にかかる代表的な手数料は2つです。

  • 販売手数料(買うときに取られる手数料)——0円のものだけを選びます
  • 信託報酬(持っている間ずっと毎年かかる手数料)——年0.1%以下を基準にします

アクティブファンド(運用のプロが銘柄を選んで市場平均に勝とうとする投資信託)は、この基準にまず入りません。ですので手を出しません。

ひとつ、直感に反する事実があります。優良な商品ほど、手数料は安いです。高いほど良いものだという感覚は、金融商品では通用しません。

ロボアドバイザーの落とし穴

ここで税金の話とつながります。

ロボアドバイザー(質問に答えると自動で運用してくれるサービス)は、初心者向けとしてよく紹介されます。NISAが使えないと思っている方もいますが、それは違います。ウェルスナビの「おまかせNISA」など、新NISAに対応しているサービスがあります。

問題は別のところにあります。手数料です。

おまかせNISAの手数料は、成長投資枠で年率0.7〜1%です(自動積立を使うと全体で年0.69〜0.73%程度)。あとで紹介するオルカン(eMAXIS Slim 全世界株式。世界中の株にまとめて投資する投資信託)の信託報酬は年0.05250%ですから、およそ14〜19倍になります。

NISAで非課税にできるのは、利益に対する20.315%です。利益が100万円なら約20万3千円が浮きます。

いっぽう手数料は、利益ではなく預けた金額の全体に、毎年かかります

つまり「税金を払わないために選んだはずの制度で、税金より重い手数料を払い続ける」ということが起こります。

税金と手数料は、かかる場所が違います 税金(20.315%) 元本(ここにはかかりません) 利益 利益にだけ、売ったときに1回だけかかります。NISAならこれがゼロになります。 手数料(年0.7〜1%) 元本にもかかります 利益にもかかります 預けた金額の全体に、毎年ずっとかかります。損が出ている年も引かれます。 NISAで「利益の20.315%」を守っても、 元本全体から毎年0.7%が抜けていけば、意味が薄まります。
この図は、税金が「利益に1回」なのに対し、手数料は「元本にも毎年」かかることを示しています。同じ%でも重さが違います
選んだもの 年間の手数料 20年後の金額
オルカン 0.05250% 1,210万円
ロボアドバイザー 0.73% 1,124万円(−86万円
アクティブファンド 1.50% 1,034万円(−176万円
月3万円を20年積み立てた場合(元本720万円・手数料を引く前のリターンを年5%と仮定した筆者試算)
オルカン 1,210万円 ロボアド 1,124万円 アクティブ 1,034万円 ※ 月3万円×20年(元本720万円)/手数料を引く前のリターンを年5%と仮定
このグラフは、手数料の差だけで20年後に最大176万円ちがうことを示しています。運用の腕ではなく、選んだ時点で決まっている差です(筆者試算)

期間を30年に伸ばすと、差はもっと開きます。別の記事では3,318万円という数字を出しました。

信託報酬30年の現実|世界のベストとオルカンで3,318万円差

なお、FXや暗号資産(仮想通貨)はNISAの対象外です。この点はロボアドバイザーとは違います。

結局、何を買えばいいのか

ここまで外してきました。残ったものを書きます。

オルカン1択です。

正式名称はeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)といいます。世界中の株式にまとめて投資するインデックスファンド(市場全体に自動で分散投資できる投資信託)です。

オルカンを1本買うと、こうなります(国・地域別の割合) アメリカ 63.0% その他の国々 約22.9% 日本 5.1% / 台湾 3.1% / イギリス 3.0% / カナダ 2.9% アメリカが中心です。ただしアメリカ「だけ」ではありません。 どの国が伸びるかを当てる必要はありません。割合は市場が勝手に調整します。 ※ 2026年6月末時点。割合は毎月変わります
この図は、オルカン1本で米国中心の世界分散になることを示しています(出典:月次レポート・2026年6月30日時点)

理由は4つあります

理由 実際の数字
米国が中心で、世界にも広がる 米国63.0%/日本5.1%/台湾3.1%/英国3.0%/カナダ2.9%(2026年6月末)
とにかく安い 信託報酬 年0.05250%/購入時手数料0円/売るときの手数料もなし
規模がずば抜けている 純資産総額13兆3,785億円(2026年8月6日)。2026年2月に国内の公募投資信託で1位になりました
NISAの両方の枠で買える つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=年360万円まで。100円から買えます
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の基本データ(出典:投資信託協会・月次レポート/2026年8月時点)

「これしかない」わけではありません

正確に書いておきます。同じような全世界株式のファンドは、ほかにもあります。楽天・オールカントリー(年0.0561%)やたわらノーロード全世界株式(年0.10989%)などです。

ではなぜオルカンなのか。安さと規模の両方で抜けているからです。純資産総額はたわらの約37倍あります。この比較はつみたてNISAおすすめランキング1位のファンドは、オルカンより実力で勝っていませんでしたで数字を並べました。

候補を「安くて大きい」で絞ると、最後はオルカンかS&P500の2本に収束します。SBI証券の積立枠205本を全部ソートしても同じ結論になりました(つみたてNISAは結局オルカン1本)。

S&P500と迷う方はオルカンとS&P500、どっちを買えばいい?をどうぞ。答えは「迷うならオルカン」です。なお、両方買っても分散にはなりません中身が米国8割の自作ファンドになる話)。

私自身が何を持っているかは、別の話です

ここは分けて書きます。

私(投資歴18年)の主軸 超初心者へのおすすめ
VOO・QQQ(米ドル建てのETF)で米国に集中。オルカンはわずかに保有しているだけです オルカン1本。円で買えて、為替の手続きも要りません
18年かけて自分の許容度を測ったうえでの配分です 最初から真似する必要はまったくありません
保有と推奨は分けて考えています。私がドル建てを選べるのは、18年ぶんの慣れがあるからです

私がVOOを初心者に薦めない理由はこちらに書きました。

どこで買うか

オルカンは主要なネット証券であればどこでも買えます。ですので、証券会社選びで止まる必要はありません。まだ口座がない方だけ、以下を参考にしてください。

私の主軸はSBI証券ですが、用途で使い分けています。マネックス証券は米国株や個別株を扱うときの情報量が厚く、松井証券は少額から始める方や、電話で相談したい方に向いています。どちらもオルカンを100円から買えて、購入時手数料は0円です。

マネックス証券の口座開設 松井証券の口座開設

もっと細かく比べたい方は、こちらもどうぞ。

正直に書いておきます

ここまで「オルカン1択」と書いてきました。ですが、気になっていることもあります。

最近の成績が、良すぎます。

数字で見てください。

オルカンの直近リターン(2026年8月6日時点) 長期の目安 年5〜7% 直近1年 29.48% 3年(年率) 23.32% 5年(年率) 19.37% 5年つづけて、目安の3倍ちかいペースで増えてきました。 この状態が続く前提で計画を立てるのは、危険だと考えています。
このグラフは、直近のリターンが長期の目安を大きく上回っていることを示しています(出典:ウエルスアドバイザー・2026年8月6日基準/緑帯は世界株式の長期的な期待リターンの一般的な目安)

5年つづけて年率19%を超えています。世界株式で長く見込める水準は、一般に年5〜7%程度とされます。いまは、そこから大きく上振れした状態です。

上がり続けている相場なので、短期の売買にはまったく向きません。今日買って来月売るような使い方をすれば、高いところをつかむ可能性が普通にあります。

この記事で書いてきたことは、すべて5年10年の長期で持つことが前提です。その前提が外れると、話がまるごと変わります。

ですので「いま始めれば儲かります」とは書きません。書けるのは「長く持つつもりがあるなら、選ぶものはこれです」までです。

下がったときにどうするかについては、私は「絶望は買い」という考え方をしています。ただしそれは、慣れてからの話です。まずは、下がっても生活が変わらない金額で始めてください。

物足りなくなったら、卒業です

オルカンだけで十分です。10年でも20年でも、これ1本で問題ありません。

ですがそのうち、こう思う日が来るかもしれません。

  • 「配当がほしい」
  • 「もう少し利益がほしい」

そう思えてきたら、投資初心者を脱出したということです。

それは、値動きに慣れて、自分が何を求めているのかが分かった状態です。そこまで来れば、もう自分で選べます。誰かのおすすめを探す必要はありません。

そのときのために、行き先だけ置いておきます。

卒業したあとの、行き先だけ オルカン1本 まずは、ここだけで十分です 配当がほしい 高配当ETFの棚へ もう少し利益がほしい 投信の比較ハブへ そろそろ使いたい 取り崩しの設計へ この3つを思いつくこと自体が、卒業の合図です 思いつかないうちは、動かないほうが結果は良くなります
この図は、次に進む合図が「知識」ではなく「自分の欲求」から来ることを示しています

急ぐ必要はありません。物足りなくなるまでは、何もしないのが正解です。

まとめ

  • 資産運用は「貯金を殖やす」「資産を買い続ける」の2行で終わります。難しいのは資産の顔をしたゴミ商品を外すことのほうです
  • 外す基準は中身が見えるかどうかです。貯蓄型保険・仕組み預金・ファンドラップ・毎月分配型は外します。私自身、貯蓄型保険を14年間つかんでいました
  • 買うものはオルカン1本です。信託報酬は年0.05250%、購入時手数料は0円、純資産は13兆円を超えて国内1位です

まずは月1,000円から始めてみてください。金額の大きさではなく、値動きに慣れることが目的です。慣れるまでは、それ以上入れなくて構いません。

資産運用でいちばん難しいのは、選ぶことではありません。選び終わったあと、何もしないでいられることです。

動画でも解説しました(約13分)。この記事の内容を5章に分けて、音声で解説しています。文字を読むのが苦手な方や、家事や通勤のすきま時間に聴きたい方はどうぞ。

第1章 答えは、2行で終わります/第2章 貯金だけでは、追いつかなくなりました/第3章 資産の顔をしたゴミを、私は14年つかんでいました/第4章 手数料と税金は、払わなくていいものです/第5章 結局、買うのは1本だけ

あわせて読みたい

読者のみなさんへ

  • これから始める方——証券会社を選ぶところで止まらないでください。オルカンはどこでも買えます。決めるのは毎月いくらかだけです
  • 保険を見直したい方——先に解約したときいくら戻るかを調べてください。金額を見てから考えれば、判断を間違えません
  • すでに積立している方——増やす前に、払っている信託報酬を一度だけ確認してください。年1%を超えていたら、この記事の表がそのまま自分の話になります

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。信託報酬・純資産総額・構成比は各データ提供元の公表値に基づきますが、基準日により数値が異なります。新NISAの対象商品は変更されることがあり、最終的な可否はご自身の証券口座でご確認ください。試算はいずれも一定の前提を置いたもので、将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。

※ 本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。