VYM・HDV・SPYD・DVYを2026年最新データで徹底比較|一番高配当はどれか、新NISAで買えるのはどれか【投資歴18年】

月城ミオが米国高配当ETF4本(HDV・DVY・VYM・SPYD)の比較ボードを指し示すイラスト。一番高配当はどれか、新NISAで買えるのはどれかを比較 投資戦略・制度
VYM・HDV・SPYD・DVYを2026年最新データで徹底比較

「米国の高配当ETF、結局どれが一番もらえるの?」——読者の方から一番よく届くのが、この質問です。

ETF(株や債券をまとめて一括で買える投資信託の一種)の中でも、毎年おなじみの4本があります。HDV・DVY・VYM・SPYD。名前が呪文みたいで、正直どれも同じに見えます。

この記事は、私が2025年1月に書いた比較記事を、2026年7月の最新データで全面的に作り直したものです。1年半でルールも数字も大きく動きました。特に大きいのは次の2つです。

  • ある1本が、新NISAの成長投資枠で新しく買えなくなりました
  • そして「一番高配当」の1本は、過去5年のリターンでは4本中の最下位でした。

読者の関心は、つきつめると2つだと思います。「今、一番高配当を出しているのはどれか」。そして「新NISAの成長投資枠で買えるのはどれか」。この記事は、その2つに正面から答えます。

先に結論だけ言います。利回りが一番高いのはSPYD(約4.2%)。でも、それは「リターンが一番高い」という意味ではありません。むしろ逆でした。この「ねじれ」を、図と表で最後まで解いていきます。

まず結論:利回りとNISA、この1枚で全部わかる

細かい話に入る前に、答えを先に出します。下の図が、この記事の全部です。

分配利回りの順位と、新NISAで買えるかは「別の話」 2026年7月初旬・年間分配金÷株価(実測)/棒の色=成長投資枠で新規に買えるか SPYD 4.19% 成長投資枠 ○ 買える DVY 3.31% △ 証券会社しだい HDV 2.83% ✕ 新規は買えない VYM 2.28% ○ 買える VOO 1.07%(参考・S&P500) 0% 2% 4% 利回り2位のHDVは新規で買えず、1位のSPYDは買える——順位と可否は無関係
利回りが高い順に並べても、新NISAで買える・買えないはバラバラ。まずここが直感に反します。

ポイントは3つです。

  • 一番高配当はSPYD(分配利回り約4.2%)。次いでDVY、HDV、VYMの順です。
  • HDVは、新NISAの成長投資枠で新しく買えなくなりました(2026年6月から)。すでに持っている分は、そのままで大丈夫です。
  • そして後で見せますが、利回りが一番低いVYMが、過去5年のリターンでは4本中トップでした。

「高配当ランキング」だけを見て選ぶと、足をすくわれます。理由を順番に説明します。

4本の正体:2026年7月版・12項目の比較表

まずは全体像です。旧版では10項目でしたが、今回は「5年のリターン」と「1口いくらから買えるか」を足して、12項目にしました。数字はすべて2026年7月初旬の実測値です。

項目 HDV DVY VYM SPYD
運用会社 ブラックロック ブラックロック バンガード ステート・ストリート
連動する指数 モーニングスター
配当フォーカス
ダウ・ジョーンズ
米国好配当株
FTSEハイディビデンド
イールド
S&P500
高配当
経費率(年) 0.08% 0.38% 0.04% 0.07%
分配利回り(実測) 2.83% 3.31% 2.28% 4.19%
分配の回数 毎月
(2026年6月〜)
年4回 年4回 年4回
5年リターン(年率) 11.6% 10.5% 12.1% 8.7%
銘柄数 81 105 618 78
純資産 約2.2兆円 約3.7兆円 約12.6兆円 約1.2兆円
セクターの偏り エネルギー・
生活必需品など
金融・公益
寄り
全体に分散
(REIT除外)
不動産27%
に集中
1口いくらから 約4,500円 約25,700円 約25,700円 約7,800円
新NISA成長投資枠
(新規買付)

株価・利回りは2026年7月2日終値ベース、円換算は1ドル=約161円で計算。5年リターンは分配金再投資込みの年率。数字は市況で変動します。△=証券会社により取扱・NISA対象が異なる。

この表を、性格の違いとして一言でまとめると、こうなります。

  • HDV:財務の健全な81社に絞った「守り」型。エネルギーや生活必需品が中心。1口約4,500円と、一番少額から買えます。
  • DVY:配当の実績が長い105社。金融や公益寄り。ただし経費率0.38%だけが突出して高いのが弱点です。
  • VYM:618銘柄に広く分散する「分散の王様」。経費率は0.04%と最安。不動産(REIT)は除いています。
  • SPYD:利回りの高い80社に特化。不動産が27%を占めるなど、セクターの偏りが大きいのが特徴です。

ここで、経費率(運用手数料)だけを図で見てください。長期で効いてくる、地味だけど大事なコストです。

経費率:DVYだけが「別世界」の高さ 年率・保有しているだけで毎年かかる手数料(2026年7月) DVY 0.38% HDV 0.08% SPYD 0.07% VYM 0.04% VOO 0.03%(参考) DVYはVYMの約9.5倍。同じ「高配当」でもコストは全然違う
VYMは2026年に0.06%→0.04%へ引き下げ。DVYの0.38%だけが、けた違いに高いのがわかります。

1年半前の私の旧記事では、DVYの経費率を「0.08%」と書いていました。これは誤りで、正しくは0.38%です。当時はAIに聞いた数字をそのまま載せてしまいました。今回、公式データで一つずつ取り直しています。

「一番高配当」の代償:SPYDの4.2%には理由がある

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

私はいつも、利回りの高い商品を見たら、一つの問いを立てます。「この利回りは、誰が、何の代金として払っているのか」

SPYDの答えは、はっきりしています。利回りの高い上位80社だけに絞り込んだ代償です。その結果、不動産(REIT)が27%、生活必需品が15%と、特定の業種にかたよります。分散をあきらめて、利回りを取りにいった設計なのです。

では、その「高利回り」は、リターン(値上がり+配当の合計)につながったのでしょうか。過去5年を見ると、答えは「ノー」でした。

利回りの順位と、5年リターンの順位は「逆さま」 左=分配利回りの高い順/右=過去5年の年率リターンの高い順(分配再投資込み) 分配利回り 5年リターン(年率) SPYD 4.19% DVY 3.31% HDV 2.83% VYM 2.28% VOO 1.07% VOO 13.1% VYM 12.1% HDV 11.6% DVY 10.5% SPYD 8.7% 利回り1位のSPYDはリターン最下位、利回り最下位のVOOはリターン1位
赤(SPYD)と青(VOO)の線が、きれいに交差しています。高い利回りは、高いリターンを意味しませんでした。

数字で並べると、こうです。

  • 利回り1位のSPYDは、5年リターンが年率8.7%で最下位
  • 利回り最下位のVOO(S&P500)は、5年リターンが年率13.1%でトップ
  • 4本の高配当ETFは、全部そろってVOOに負けています。

これは、高配当投資の宿命に近い話です。配当をたくさん出す会社は、成熟して成長が止まった会社が多い。だから株価そのものの伸びは、成長企業をたくさん含むS&P500に届きにくいのです。

「毎月・毎四半期、現金が振り込まれる安心感」には価値があります。でも、その安心感の代金として、トータルの資産の伸びを一部あきらめている——ここは正直に知っておくべきだと、私は考えます。

新NISAで買えるか:HDVが「脱落」した理由

次に、2つ目の問いです。「新NISAの成長投資枠で買えるのはどれか」。

新NISAの成長投資枠(年間240万円の非課税枠)には、金融庁が定めた対象の条件があります。ざっくり3つです。

HDVは、なぜ新規で買えなくなったのか 新NISA成長投資枠の3つの条件と、HDVの引っかかった場所 条件1 信託期間が無期限 または20年以上 HDV ○ 条件2 毎月分配型で ないこと HDV ✕ ここで脱落 条件3 デリバティブを 使わない HDV ○ 分配の回数と、成長投資枠の関係 年4回(四半期) ○ 対象 年6回(隔月) ○ 対象 年12回(毎月) ✕ 対象外 HDVは2026年6月に「年4回→毎月」へ変更 → 条件2に抵触 ※すでにNISAで持っている分は、非課税のまま。売る必要はありません
「毎月分配だけがNG、年6回や年4回はOK」という線引きです。HDVはこの一線を越えてしまいました。

HDVは長く「年4回」の分配でした。ところが2026年6月から「毎月分配」に変更されました(初回は7月15日)。これで条件2に引っかかり、成長投資枠の新規買付ができなくなったのです。

大事なのは、HDVが悪いETFになったわけではないということです。経費率0.08%は安いままですし、中身も変わりません。上場しているETFは、投資信託でよくある「たこ足分配(元本を取り崩して配る)」が構造上できません。良いETFが、毎月分配型を弾くルールに、たまたま巻き込まれただけです。

この経緯は、別記事で図を使って詳しく書いています。すでにHDVを持っている方は、あわせて読んでみてください。

👉 HDVが新NISA成長投資枠から外れる——でも、慌てて売ってはいけない

買い方の実務:ETFが無理でも「投信」ルートがある

「HDVがダメなら、新NISAで高配当をやる方法はないの?」と思うかもしれません。あります。日本の運用会社が出す円建ての投資信託を使う道です。ETFを直接買うより、少額から自動積立しやすいのが利点です。

買い方 中身 コスト(年) 成長投資枠
VYM・SPYD(ETFを直接) 米国ETF 0.04〜0.07%+為替
SBI・V・米国高配当 VYMに連動 0.1038%
楽天・VYM VYMに連動 0.132%
SBI・SCHD/楽天・SCHD SCHDに連動 0.12%前後

SCHD(シュワブ・米国配当株式ETF)は、増配を重視した近年人気の高配当ETF。円建て投信で新NISA成長投資枠から買えます。

なお、DVYについては注意が必要です。マイナーな銘柄のため、証券会社によって取扱いや新NISA対象の扱いが分かれます。そもそも経費率0.38%と割高なので、今から4本の中でDVYをあえて選ぶ理由は、正直に言って薄いと私は考えています。

私は買わない。でも、あなたは買っていい

ここまで数字を並べてきましたが、私自身の話をします。

私はこの4本を、どれも持っていません。中核はVOO(S&P500のETF)とQQQ(ナスダック100のETF)です。理由はシンプルで、さきほど見たとおり、過去5年でVOOが高配当4本すべてに勝ったから。私は配当という現金を受け取らず、値上がりの複利をまるごと再投資する側にいます。

ただし、これは「高配当ETFはダメ」という意味では、まったくありません。保有と推奨は別物です。下の表で、私の選択と、読者の方への考え方を分けて書きます。

  私(Hiro)の選択 読者の方への考え方
中核 VOO・QQQ(値上がり重視) まずは全世界株か米国株の低コスト投信
高配当ETF 持たない 現金の受け取りに価値を感じるなら合理的
向いている人 資産を増やす局面の人 取り崩し期・定期的な現金がほしい人

資産を取り崩していく世代や、「毎月・毎四半期、口座にお金が入る」ことが投資を続ける支えになる人にとって、高配当ETFは十分に合理的な選択です。

その前提で、4本から選ぶとしたら、私ならこう考えます。

  • 長く増やしながら配当も欲しい → VYM。618銘柄の分散と経費率0.04%は、心強い土台です。
  • とにかく今の利回りを最優先 → SPYD。ただし不動産への偏りと、リターンが伸びにくい点を承知の上で。
  • 守り重視で少額から → HDV。ただし新NISAでは新規で買えないので、特定口座での購入になります。
  • DVYは、今からあえて選ぶ理由は薄いと考えます(経費率0.38%)。

そして「新NISAの枠を使って、高配当を長く続けたい」なら、私が一番注目しているのはSCHDの円建て投信です。この理由は、SCHDを単独で深掘りした記事に詳しく書いています。

👉 高配当SCHDを徹底分析した結論——「私は買わない、でもあなたは買っていい」

また、「そもそも利回り10%超のような商品はどうなの?」という疑問には、JEPI・JEPQを解剖した記事が参考になります。高利回りの「正体」を見抜く目は、この4本を選ぶときにも効きます。

👉 JEPI・JEPQとは?”利回り10%超”の正体はカバードコール

おすすめの2冊

高配当投資に入る前に、「そもそもお金と投資の基本」を地に足のついた形で押さえておくと、利回りの数字に振り回されにくくなります。私が読者の方に紹介しやすいのは、この2冊です。

漫画 お金の大冒険 黄金のライオンと5つの力(両@リベ大学長)お金の基礎を物語で学べる入門書 ダイヤモンドZAi 26年4月号 高配当株や新NISAの最新情報がわかる投資情報誌

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まとめ:あなたが何を重視するかで、答えは変わる

最後に、目的別の早わかり表でまとめます。

あなたが重視するもの 向いているETF
分散と低コスト、増やしながら配当も VYM
今の利回りを最優先(偏りは承知) SPYD
守り重視・少額から(新NISAは不可) HDV
新NISAで高配当を長く続けたい SCHDの円建て投信
とにかく資産を増やしたい VOO等のS&P500(高配当ではない)

「一番高配当はどれか」の答えはSPYD。「新NISAで買えるのはどれか」の答えはVYMとSPYD、そしてSCHD投信。これが2026年7月の結論です。

ただ、利回りの数字は入口にすぎません。その利回りが、何をあきらめた代金なのか。そこまで見てから選べば、あとで「こんなはずじゃなかった」と後悔せずにすみます。私はそう考えて、今日も自分の中核はVOOに置いたままにしています。

この4本の比較と「利回りとリターンのねじれ」は、動画でも図解しています。あわせてどうぞ。

米国高配当ETF・投信を買える主要ネット証券(用途別)

私の主軸はSBI証券ですが、用途で使い分けています。米国株・投信の情報が厚いマネックス証券、サポートが手厚く少額・相談向けの松井証券、外国株の取扱いが広いサクソバンク証券という並びです(保有≠推奨。ご自身の設計で選んでください)。

マネックス証券の口座開設

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サクソバンク証券の口座開設。外国株・海外ETFの取扱いが広い外資系ネット証券

おまけ:利回り数%を追う前に、私が投資している「もう一つのエンジン」

最後に、少しだけ脱線させてください。

高配当ETFの利回りは、せいぜい年2〜4%です。その数%を追いかけて悩むより、自分の生産性を上げる道具に投資したほうが、リターンが大きいことがあります。私はこれを「攻めのエンジン」と呼んでいます。市場に乗せる守りの投資と、自分の稼ぐ力を上げる攻めの投資。この2つは、両輪です。

たとえば、AIで何かを作れるパソコンが1台あれば、副業の種銭を自分で生み出せます。私が実際にこのブログや自作ツールを作れているのも、身の丈のパソコン1台から始めたからです。この考え方は、別記事に詳しく書きました。

👉 なぜパソコンが必要か——AIで「作る側」に回れる唯一の道具

参考までに、その「攻めのエンジン」になりうる定番のApple製品を、いくつか挙げておきます。高い最上位モデルは不要です。身の丈の標準構成で十分だと、私は考えています。

Apple MacBook Air 13.6インチ M5 メモリ16GB SSD512GB ミッドナイト。AIで作る側に回るための身の丈ノートパソコン Apple iPhone 17 256GB SIMフリー 新品未開封。日々の情報収集と証券アプリの母艦 Apple AirPods Pro 3 第3世代 MFHP4J/A ワイヤレスイヤホン。作業に集中するためのノイズキャンセリング Apple iPad Air 第5世代 Wi-Fi/Cellularモデル 64GB/256GB。持ち運んで情報収集や資料閲覧に

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あわせて読みたい(新NISA・投資の始め方)

【免責事項】本記事は筆者個人の経験と分析に基づく情報提供であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。株価・利回り・経費率・分配方針・NISA対象状況は変動し、証券会社によっても取扱いが異なります。投資判断は必ずご自身の責任で、最新の一次情報(各運用会社の公式資料・目論見書)をご確認のうえ行ってください。NISA口座での米国ETF・投信でも、米国側での配当課税(10%)は残ります。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
この記事を書いた人
hiro

投資歴2007年から約18年。VOO・QQQ・金(GLDM)・eMAXIS Slim S&P500・オルカン・個別株を保有。「絶望買い×インデックス投資」で暴落局面こそ買い増すスタイル。長期的なアメリカ経済への信頼を軸に運用しています。AI×投資で資産運用ツールを開発中。完成次第フリーで公開予定。

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