こどもNISAは何歳からなら得か——600万円を使い切れるのは2027年に8歳以下、分かれ目は「親のNISA枠」でした【2026年10月】

セーラー服姿の月城ミオが、硬貨の上に育つ小さな苗木にそっと手を添えている 投資戦略・制度
得かどうかを決めるのは、親のNISA枠

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こどもNISAは、2027年1月に始まります。年60万円・合計600万円まで、子どもの名義で非課税で積み立てられる制度です。証券会社の事前受付は、2026年10月1日から始まっています。

「子どもが何歳なら、やるべきか」「やって得なのか」。私はこの2つを計算しました。答えを決めていたのは、子どもの年齢より先に、親のNISA枠が埋まるかどうかでした。

親のNISAに余りがあるなら、こどもNISAで受けられる非課税は、親のNISAでも同じように受けられます。増えるのは、払い出しの制限や、金融機関を変えられないといった不自由さだけです。夫婦のNISA枠(1人1,800万円、合わせて3,600万円)を埋めたうえで、さらにお金を入れる余裕がある家庭で、初めて得になります。

そして、こどもNISAのお金は子どものものです。教育資金の口座というより、子どもへの財産の前渡しに近い。私の家でも、息子のこども口座にある約300万円のうち180万円を、こどもNISAに移すことにしました。数字は2026年10月12日時点です。

結論:年齢より先に「親の枠」で決まる

  • こどもNISAで得になるのは、夫婦のNISA枠3,600万円を埋めたうえで、さらに入れる余裕がある家庭
  • 年齢で変わるのは「使い切れる枠の大きさ」と「払い出せない期間の長さ」。600万円を使い切れるのは、2027年1月1日に8歳以下の子だけ
  • 得の大部分は、18歳で大人のNISAに移ったあと、売らずに持ち続けるかどうかで決まる
  • 子ども自身のお金(お祝いやお年玉)なら、話は別。置き場所は最初から子どもの枠

こどもNISAの中身

まず制度の中身を、2026年10月時点で決まっている範囲で整理します。

  • 始まる日:2027年1月1日。法律は2026年3月31日に公布済み
  • 使える子:その年の1月1日時点で18歳未満の子と、その年に生まれた子
  • 枠:年60万円、合計600万円。買った金額で数え、売った分は翌年以降に使い直せる
  • 買えるもの:大人のNISAのつみたて投資枠と同じ、長期の積立に向いた投資信託とETFだけ。毎月分配型やレバレッジ型は対象外。買い方は、決まった額を定期的に積み立てる方法だけ
  • 入れられるお金:子ども本人のお金だけ。親や祖父母の口座から直接は買えません(日本証券業協会)
  • 金融機関:1人1つ。18歳になるまで変えられない
  • 18歳:その年の1月1日に18歳になっている年に、大人のNISAのつみたて投資枠へ自動で移る。移った分は、子ども本人の生涯枠1,800万円の一部になる
こどもNISAの一生 ほぼ払い出せない(災害などの特別な理由だけ) 教育費・生活費なら払い出せる 大人のNISA 0歳 小学6年生の1月〜 (その年3/31に12歳以上) 1月1日に18歳の年 自動で移る 1月3日〜4月1日生まれは、大人のNISAへ移るのが同じ学年より1年遅い (その1年は、払い出せる状態のままこどもNISAに残る)
図1:こどもNISAの節目(大和総研・日本証券業協会の資料をもとに筆者作成)

年齢で、使い切れる枠と浮く税金が決まる

2027年1月1日時点の年齢ごとに、毎月5万円(年60万円)を、600万円に届くか18歳になるまで積み立てた場合を計算しました。運用は年5%、税金は20.315%で置いています。

2027年1月1日の年齢使える年数入れられる上限18歳時点の評価額運用益浮く税金(18歳時点)30歳まで持てば浮く税金
0歳18年600万円約1,145万円約545万円約111万円約296万円
3歳15年600万円約989万円約389万円約79万円約239万円
6歳12年600万円約854万円約254万円約52万円約190万円
8歳10年600万円約775万円約175万円約36万円約161万円
10歳8年480万円約588万円約108万円約22万円約117万円
12歳6年360万円約419万円約59万円約12万円約80万円
15歳3年180万円約194万円約14万円約3万円約34万円
17歳1年60万円約62万円約2万円約0.3万円約10万円

表:年齢別のこどもNISA(毎月5万円・年5%・税率20.315%の試算。30歳までは18歳以降に積み増しせず持ち続けた場合。色つきの行は私の息子)

「浮く税金」は、同じ運用を課税口座でした場合との差です。0歳から始めれば18歳時点で約111万円、15歳からなら約3万円です。

ここで大事なことが2つあります。

1つ目。親のNISAに余りがあるなら、この差はゼロです。同じお金を親のNISAで運用しても、同じだけ税金は浮きます。こどもNISAで得になるのは、親のNISAに入りきらないお金を入れる場合だけです。

2つ目。右端の列のとおり、18歳で大人のNISAに移ったあとも非課税は続きます。0歳から始めた場合、18歳で浮く税金は約111万円ですが、30歳まで持ち続ければ約296万円になります。得の大部分は、子どもが18歳以降も売らずに持つかどうかで決まります。

年齢別:入れられる上限と、18歳時点で浮く税金 入れられる上限 浮く税金 0歳600万円 税 約111万円 3歳600万円 税 約79万円 6歳600万円 税 約52万円 8歳600万円 税 約36万円 10歳480万円 税 約22万円 12歳360万円 税 約12万円 15歳180万円 税 約3万円 17歳60万円 税 約0.3万円
図2:2027年1月1日の年齢別(毎月5万円・年5%の試算)。親のNISAに余りがあるなら、緑の差はゼロになる

年齢で、払い出せない期間の長さも決まる

こどもNISAは、子どもが小さいうちはほとんど払い出せません。その年の3月31日時点で11歳以下の年までは、災害や病気などの特別な理由で税務署長の確認を受けたときしか払い出せず、その場合は口座ごと廃止になります。その年の3月31日時点で12歳以上の年(小学6年生の1月)からは、本人の教育費や生活費に使う目的で書類を出せば、一部だけでも払い出せます。条件を満たさない払い出しをすると、口座が廃止され、さかのぼって約20%の税金がかかります。

0〜11歳の子なら、中学校に入る年まではお金が動かせません。教育資金の主力としては使いにくい口座です。中学生以上なら、教育費や生活費には払い出せるので、不自由さは小さくなります。ただ、使える年数が短いので、得も小さくなります。

年齢別の答え

2つの軸を合わせると、答えはこうなります。

2027年1月1日の年齢親のNISAに余りがある親のNISAが埋まる
0〜8歳急がなくていい。親の枠で同じことができる。増えるのは不自由さだけやる価値がある。600万円を使い切れて、浮く税金も大きい
9〜11歳急がなくていい入れられる額は減るが、やる価値はある
12歳以上どちらでもいい。不自由さは小さいが、得も小さい。投資を体験させる口座として使うなら意味がある少額でもやる価値はある

図3:得かどうかの分かれ道(親のお金を入れる場合。子ども自身のお金なら別)

どの行でも「やらなくていい」がある、というのがこの表の大事なところです。親のNISAに余りがあって、こどもNISAを使わない家庭は、損をしているわけではありません。親の枠で同じことができているからです。

得とは別に、こどもNISAを使う理由

得かどうかとは別に、使う理由が2つあります。

1つは、仕切りです。子ども名義に分けておくと、「このお金は子どものもの」という線が引けます。親が生活に困ったとき、使い込まないための仕組みになります。

もう1つは、教材です。子どもに値動きを見せる口座になります。ただ、教材にするなら額は小さくて構いません。

親のお金を入れるなら、贈与の3つの注意

こどもNISAで買えるのは、子ども本人のお金だけです。親のお金を使うなら、まず親から子どもに贈与して、子どものお金にしてから入れることになります。ここには3つの注意があります。

注意1:年110万円は、その年にもらった合計で数える。贈与税の基礎控除は、もらう人1人につき年110万円です(国税庁)。年60万円なら、その内側に収まります。ただし祖父母からの贈与などと合わせて110万円を超えると、超えた分に贈与税がかかります。

注意2:子どものお金になっている実態が要る。名義が子どもでも、親がお金を出して親が管理しているだけなら、親の財産と見なされることがあります(国税庁が示す考え方)。毎年、贈与したことを書面に残しておく、子どもが一定の年齢になったら口座のことを知らせる、という形が一般的です。また「10年間、毎年60万円ずつあげる」と最初に約束して渡すと、約束した年にまとめて贈与したと見なされるおそれがあります。毎年、その年に決めて渡す形にしておきます。

注意3:亡くなる前7年以内の贈与は、相続財産に足し戻される。2024年1月以降の贈与から、足し戻す期間が3年から7年に段階的に延びています(2031年以降の相続で7年。延びた4年分は合計100万円まで差し引ける)。財産を残すつもりなら、早く始めるほど足し戻しの対象から外れます。

金融機関は「変えられない」前提で選ぶ

こどもNISAの金融機関は1人1つで、18歳になるまで変えられません。変えようとすると口座を廃止することになり、さかのぼって課税されます。大人のNISAより、最初の選択がずっと重い口座です。

主なネット証券は、2026年10月1日から事前の受付を始めています(SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券)。選ぶときに見るのは、手数料よりも次の2つです。

  • オルカンやS&P500の低コストの投資信託を、つみたてで買えるか(SBI証券は、こどもNISA向けの低コストの全世界株ファンドを用意すると報じられています)
  • 18歳で大人のNISAに移ったあとも、子どもがそのまま使い続けたい会社か

私の家は、今の息子のこども口座があるSBI証券で開きます。

子ども自身のお金なら、話は別

ここまでの「親の枠が埋まる家庭だけ」は、親のお金を入れる場合の話です。

お祝いやお年玉など、生まれたときから貯めてきた子ども自身のお金なら、置き場所は最初から子どもの枠です。親の枠とは関係がなく、親の枠も減りません。贈与の問題も起きません。7月23日の記事で書いた「原資が誰のお金か」の、子ども側のケースです。

私の家は、このケースです。

我が家の実例:息子の300万円のうち、180万円をこどもNISAへ

息子は2011年生まれです(早生まれではありません)。息子名義のSBI証券のこども口座に、生まれたときからもらったお祝いなどのお金が、約300万円あります。親の口座とは完全に分けています。

中身は、個人向け国債(変動10年)が100万円、S&P500の投資信託が100万円、金のファンドが100万円です。利益は、ほとんど出ていません。

息子は2027年1月1日に15歳なので、こどもNISAを使えるのは2027・2028・2029年の3年です。入れられるのは最大180万円。2030年1月1日に18歳になり、大人のNISAへ移ります。300万円のうち120万円は、こどもNISAには入りません。

年売るものこどもNISAで買うもの
2027年個人向け国債 60万円オルカン 60万円
2028年個人向け国債 40万円+S&P500 20万円オルカン 60万円
2029年S&P500 60万円オルカン 60万円
こどもNISAに入らない分S&P500 20万円+金のファンド 100万円18歳以降、息子が自分の判断で自分のNISAへ

表:息子のこども口座300万円の置き換え予定(2026年10月時点の計画)

売る順番は、国債→S&P500→金のファンドです。最終的には、300万円をすべてオルカンに替えるつもりです。ただ、親の手で替えるのはこどもNISAに入る180万円まで。残りの120万円(S&P500の20万円と金のファンド100万円)は埋めきりません。18歳以降に、息子が自分の判断で自分のNISAに入れればいいと思っています。

入れ方は、年1回60万円をまとめて買うつもりです。ただ、こどもNISAは決まった額を定期的に積み立てる方法でしか買えません。年1回・60万円の設定ができるかは、どの会社もまだ公表していません。口座が開く2027年1月に確認して、できなければ月5万円の積立にします。

個人向け国債は、途中で換金すると、直前2回分の利子(税引後に相当する額)が差し引かれます。元本は割れません。1万円単位で、一部だけ換金できます。

この300万円は、純粋に息子のお金です。大学の入学金は、私のお金で払います。この300万円は手を付けず、息子の子どもの学費や、息子自身の老後に使うための、生涯のお金です。生活は、自分で稼いだお金でまかなってもらいます。結婚のときには、別に100万円ほどを渡して、それもオルカンに入れてもらうつもりです。

息子は中学生以上なので、もし教育費が必要になれば、本人の同意で払い出せます。払い出し先は、息子名義の銀行口座だけです。

18歳で渡るのは、口座だけ

18歳になると、口座は息子本人のものとして、本人が動かせるようになります。親が「結婚まで渡さない」と管理し続けることはできません。増やし続けるかどうかは、最後は息子が決めることです。

だから、18歳になったら3つを話します。

  1. このお金があること
  2. 運用する権利も、本人にあること
  3. 基本はほったらかしで、見ずに置いておいてほしいこと

3つ目は、8月16日の記事で書いた『ほったらかし投資術』と同じ考えです。見ない方が、売らずに済みます。上の表の「30歳まで持てば」の列は、そのまま、この3つ目のことです。

生活は、自分の稼ぎで。このお金は、次の世代と自分の老後のために。——ただ、最後に決めるのは息子です。親が決められるのは、置き場所と、話すタイミングまでです。

あなたの家は、表のどこか

2つだけ確認してみてください。

  1. 子どもは2027年1月1日に何歳か(上の表のどの行か)
  2. 夫婦のNISA枠(1人1,800万円)を、子どもが18歳になるまでに埋められそうか

2つの答えで、「年齢別の答え」の表のどこにいるかが決まります。下の計算機に年齢を入れると、使える年数と、入れられる上限、浮く税金の目安が出ます。

こどもNISA 年齢別の目安(簡易計算機)

毎月5万円・合計600万円まで・税率20.315%で計算。結果はどこにも保存されません。親のNISAに余りがあるなら、浮く税金は親のNISAでも同じです。

図4:年齢と年利を選ぶと、目安が出ます

やると決めたら、金融機関は「変えられない」前提で選んでください。事前の受付は、もう始まっています。

親の枠がまだ空いているなら、急ぐ必要はありません。7月15日の記事で書いたとおり、親のNISAの満額を急がなくていいのと同じで、こどもNISAも、家庭の順番で決めればいいと思います。

こどもNISAは、1人1社。最初の選択が一番重い

あとから金融機関を変えられないので、低コストのオルカン・S&P500があるか、18歳以降もそのまま使い続けられるかで選びます。私の家は今のこども口座があるSBI証券で開きますが、マネックス証券、松井証券もこどもNISAの準備を進めています。

松井証券の口座開設バナー マネックス証券の口座開設バナー

まとめ

  • こどもNISAが得になるのは、夫婦のNISA枠3,600万円を埋めたうえで、さらに入れる余裕がある家庭
  • 600万円を使い切れるのは2027年に8歳以下の子。0歳なら18歳時点で約111万円、15歳なら約3万円の税金が浮く(年5%・毎月積立の試算)
  • 0〜11歳は払い出しがほぼできない。中学生以上は教育費・生活費なら払い出せる
  • 得の大部分は、18歳以降も売らずに持ち続けるかどうかで決まる
  • 子ども自身のお金なら、置き場所は最初から子どもの枠。私の家は息子の300万円のうち180万円をこどもNISAでオルカンへ

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出典:大和総研「こどもNISA」制度解説(2026年5月26日)、日本証券業協会「こどもNISA」リーフレット(2026年4月時点の法令)、金融庁「令和8年度税制改正について」、国税庁タックスアンサー No.4402・No.4161、財務省「個人向け国債」、各証券会社の公表資料(2026年9〜10月)。表の金額は筆者の試算で、将来の運用成果を約束するものではありません。数字は2026年10月12日時点です。 ※本記事は特定の銘柄や商品の売買を勧めるものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。税金の扱いは個別の事情で変わります。本記事にはアクセストレードのアフィリエイトリンクが含まれています。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。