2026年4月、私は「こどもNISAは誰のための制度なのか」という違和感を書きました。制度を外から眺めて、批評していただけです。
あれから3か月。今度は自分が決める番になりました。
私には中学生の子どもが一人います。2027年1月に始まるこどもNISAを、使うつもりでいます。それでも、金額がまだ決められません。
この記事は、制度の説明から始めません。「そのお金は、誰のお金ですか」という確認から始めます。ここを飛ばすと、順序の悩みも、贈与税の心配も、正しく解けないからです。
結論:答えは「原資が誰のお金か」で変わります
こどもNISAの記事を読むと、たいてい「いくら入れるか」の話になります。全額埋めるか、半分か、放置か。
でも私が最初に引っかかったのは、金額ではなく順序でした。
自分のNISAの枠すら埋まっていない親が、子どもの枠を先に埋めていいのか。この問いです。
3か月考えて、答えが出ました。この問いは、原資が誰のお金かで、問いそのものが変わります。
親のお金を入れるなら——「自分の枠が先」です
親が自分の給料や貯金から子どもの枠に入れるなら、それは親の資産の配分の話です。
このとき、順序の答えははっきりしています。自分の枠が先です。
理由は3つあります。
1つ目は、親のNISA枠のほうが大きいからです。新NISA(2024年に始まった非課税投資制度)は年間360万円まで使えます。こどもNISAは年間60万円です。同じお金なら、非課税の器が大きいほうから埋めるのが自然ではないでしょうか。
2つ目は、親の枠は親が自由に使えるからです。子どもの枠に入れたお金は、後で説明するとおり、途中から親の一存では動かせなくなります。
3つ目は、急ぐこと自体にコストがあるからです。私は以前、新NISAの満額360万円を急がなくていい理由という記事を書きました。特定口座(税金がかかる通常の口座)の資産を崩してNISAに移すと、利益に20.315%の税金がかかります。急ぐという行為そのものにお金がかかるという話です。
その考え方は、子どもの枠でも変わりません。今回の記事は、あの記事の子ども版だと思ってください。
そしてもう1つ。親のお金を子ども名義の口座に入れる行為は、税務上は「贈与」にあたります。ここは後の章で詳しく扱います。
子どもがもらったお金を入れるなら——順序の問題は、そもそも存在しません
一方で、原資が子ども自身がもらったお金だったらどうでしょうか。
お年玉、入学祝い、お小遣い。祖父母や親戚から子ども本人に渡されたお金です。
この場合、話がまるごと変わります。
まず、親の枠と競合しません。親の家計から出ていくお金ではないからです。「自分の枠が先か、子の枠が先か」という順序の問いは、最初から成立していません。
そして、贈与にもあたりません。もともと子どものお金を、子ども名義の口座に置いているだけだからです。
私の家は、こちらでした。だから私は、順序では悩んでいません。悩んでいるのは金額だけです。
ただし、ここには落とし穴があります。「子どものお金だから大丈夫」で終わらせると、後で税務署に別の見方をされかねません。これも後の章で扱います。
制度の最低限と、「実質枠600万円」という誤解
ここで制度を確認します。ただし網羅はしません。判断に必要な最低限だけです。
2027年1月開始、年60万円・総枠600万円
こどもNISAは、2025年12月26日に閣議決定された「令和8年度税制改正の大綱」に正式に盛り込まれました。金融庁の資料でも、つみたて投資枠の年齢要件を撤廃し、0〜17歳の投資枠を設定すると説明されています。
| 項目 | こどもNISA(2027年〜) | 旧ジュニアNISA(2023年で終了) |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 0〜17歳 | 0〜19歳(のち0〜17歳) |
| 年間投資枠 | 60万円 | 80万円 |
| 非課税保有限度額(総枠) | 600万円 | 総枠の定めなし |
| 非課税期間 | 無期限 | 最長5年 |
| 枠の区分 | つみたて投資枠のみ(成長投資枠は使えません) | 区分なし(当時の制度に枠の概念なし) |
| 買える商品 | つみたて投資枠対象の投資信託のみ | 上場株式・ETF・REIT・株式投資信託 |
| 18歳になったら | 成人NISAのつみたて投資枠へ移行(非課税のまま) | 課税口座へ払い出し(非課税が終わる) |
| 口座の名義 | 子ども本人(手続きは親権者が代行) | 子ども本人 |
買える商品が「つみたて投資枠と同じ投資信託」に限られている点は、私は評価しています。この条件だと、毎月分配型(毎月お金を払い出すタイプの投資信託)は構造的に入ってきません。長期で増やす器に、元本を削って払い出す商品を入れずに済みます。
なお制度の細部は、2026年中に政令・省令で確定する予定です。この記事は2026年7月時点の情報で書いています。口座を開くのは2027年からなので、今日決め切る必要はありません。
12歳と18歳——このお金が「親のもの」でなくなる、2つの節目
ここが、私がこの制度でいちばん重要だと考えている部分です。
こどもNISAには、引き出しに関する2つの節目があります。
1つ目は12歳です。
12歳未満は、原則として引き出せません。
12歳に達した後は、引き出せるようになります。ただし、無条件ではありません。教育費や生活費などに使う旨と、口座を持つ子ども本人の同意を示した書類を、証券会社に届け出る必要があります。
言い換えると、12歳からは、親の一存でこのお金を動かせません。子どもの同意が要ります。
2つ目は18歳です。
18歳になると、こどもNISAの資産は成人のNISA口座へ自動的に移ります。同じ人の名義の中での移動なので、この時点で新たに贈与税がかかることはありません。
そして移った先は、本人の口座です。教育資金のつもりで積んだお金が、18歳で本人の自由になります。
なお「移る先はつみたて投資枠なのか成長投資枠なのか」「大人の1,800万円の枠は減るのか」は、多くの方が気になる点だと思います。この2つには、章を改めてまとめてお答えしましょう。
ここで、私は自分が14年間入っていた保険のことを思い出しました。
あの保険は、途中で解約すると元本を大きく割りました。だから解約できなかった。不便でした。
でも、その不便さこそが、教育資金を守っていたのだと今は思います。手をつけられないから、残っていた。
こどもNISAは、その不自由さを外す制度です。いつでも売れて、12歳からは(子の同意があれば)引き出せて、18歳で本人のものになります。
自由は、いいことばかりではありません。守ってくれていたのが不自由さだったのなら、自由になった分は、別の何かで守る必要があります。
総枠600万円は、「0歳から積んだ場合」の数字です
もう1つ、見落とされやすい点があります。
総枠600万円は、年60万円を10年間積んで初めて到達する数字です。そして口座が使えるのは17歳までです。
つまり600万円を使い切れるのは、2027年時点でおおむね8歳以下の子どもだけということになります。
私の子どもは中学生です。逆算すると、使える枠は総枠の半分にも届きません。
これは制度の欠陥ではありません。ただ、「600万円も非課税で入れられる」と読んで計画を立てると、前提から違ってしまいます。
ついでに、よく聞かれる点にも答えておきます。600万円は、埋めなくて構いません。
枠は義務ではありませんし、埋めないと損をするものでもありません。使い切れる家庭が使い切ればいいだけです。私自身、埋めるつもりはありません。
ご自身のお子さんの数字は、下で確認できます。
うちの子の「実質枠」計算機
2027年1月時点のお子さんの年齢:
※年齢判定の基準日など制度の細部は2026年中に政令・省令で確定予定のため、概算です。運用年数の目安は筆者の考え方です。
18歳のあと、このお金はどうなるのか
ここが、私が調べていていちばん引っかかった部分です。そして、たぶん多くの方が知りたい部分でもあります。
「18歳で成人NISAに移る」とだけ聞くと、次の疑問が出てきます。移った先は、つみたて投資枠なのか、それとも成長投資枠なのか。そしてその分だけ、大人になってから使える枠は減るのか。
順番に答えます。
こどもNISAに「成長投資枠」はありません
まず前提として、大人の新NISAには枠が2つあります。
つみたて投資枠(年間120万円まで)と、成長投資枠(年間240万円まで)です。生涯の非課税保有限度額は合計で1,800万円、そのうち成長投資枠として使えるのは1,200万円までとなっています。
こどもNISAには、この2つの区分がありません。使えるのは「つみたて投資枠」だけです。
ですから、こどもNISAで個別株を買うことはできません。ETF(証券取引所に上場している投資信託)も対象外です。買えるのは、つみたて投資枠の対象になっている投資信託だけになります。
ここは旧ジュニアNISAと比べると、むしろ狭くなった部分です。旧ジュニアNISAでは上場株式もETFもREIT(不動産に投資する商品)も買えました。当時はまだ「つみたて投資枠」「成長投資枠」という区分自体が存在しなかったからです。
18歳で移る先は、成人NISAの「つみたて投資枠」です
次に、18歳になったときの行き先です。
こどもNISAの資産は、成人NISAの「つみたて投資枠」に移ります。成長投資枠ではありません。そして非課税のまま、そのまま持ち続けられます。
実はここが、旧ジュニアNISAからのいちばん大きな改善点です。
旧ジュニアNISAでは、18歳になると中身は課税口座に払い出されていました。成人NISA口座は自動で開設されるものの、ジュニアNISAで持っていた商品はそこに入りません。つまり、そこで非課税が終わっていたのです。
こどもNISAは、そうなりません。18歳をまたいでも非課税が続きます。子どものうちに積んだものを、大人になってからも非課税のまま育てられる。制度としては、素直に良くなったと考えています。
そして600万円は、その子の1,800万円から差し引かれます
最後が、いちばん見落とされやすい点です。
こどもNISAの600万円は、大人の1,800万円とは別枠ではありません。その中に含まれます。
つまり、こどもNISAで600万円を使い切った子が18歳になったとき、その子が自分で使える残りの枠は1,200万円になります。
この事実は、この記事の最初の問いをもう一段深くするものでした。
冒頭で私は「自分の枠が先か、子の枠が先か」という順序の話をしました。でも本当は、子どもの枠を埋めるという行為そのものが、その子の将来の枠を先に使うことでもあったわけです。
親のお金で子の枠を600万円埋めたとします。すると、その子が18歳になって「自分で選んで積み立てたい」と思ったとき、使える枠はすでに1,200万円に減っています。子どもの選択肢を、親が先に消費している形です。
一方、原資が子ども自身のお金なら、話の筋は通ります。子どものお金で、子どもの枠を使っているからです。先に使った600万円分は、もともと子ども本人のお金でした。
ここでも、答えを分けているのは「原資が誰のお金か」でした。
私の場合:原資は、子どもがもらってきたお金でした
ここからは私自身の話です。読者のみなさんに同じことを勧める意図はありません。
すでに子ども名義の口座で運用しています(含み損も出ています)
私は、子どもがもらってきたお金を貯めて、子ども名義の未成年口座で運用しています。すでに特定口座で動かしているので、こどもNISAが始まったら「新規に始める」のではなく「移していく」形になります。
中身は、こうです。
金(ゴールド)の投資信託、SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)、愛称サクっと純金を持っています。これは現在、含み損です。私自身の口座でも同じものを持っていて、そちらも含み損になっています。買ったタイミングが私と同じだからです。
それから、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、通称スリムS&P500。
そして、個人向け国債。これは勉強のために買いました。「国債とは何か」を、実際に持って理解するためです。
今は、この国債を手放そうかと考えています。金利が上がる局面では、すでに持っている債券は不利になるからです。
寄せ先として考えているのが、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称オルカンです。スリムS&P500の分も含めて、オルカン1本にまとめようかと迷っています。
分けて持てば勉強になると思っていました。でも最近は「勉強のために分ける」より「自分で決めて、その結果を受け取る」ほうが身になると考えるようになりました。
15年入っていた保険は、私の汚点です
教育資金の置き場所で、私は一度失敗しています。
低解約返戻金型保険(途中解約すると戻るお金が大きく減るタイプの保険)に入っていました。15年経って、ようやく元本は回収できています。
でも、15年分の時間を考えれば、実質は損です。同じ期間をインデックスファンドに置いていたら、という比較をしてしまいます。詳しくは14年間「低解約返戻金型保険」に入っていた告白に書きました。
汚点ですが、仕方がないと思っています。
ただし、この保険はこどもNISAとは別の話です。受取人は妻で、使い道は高校や大学の入学費用。出口が近い、短い時間軸のお金です。だからこどもNISAには移しません。
そして、この失敗から1つだけ持ち帰ったものがあります。「15年」という数字です。保険で元本が戻るまで15年かかりました。私が株式の投資期間で安全圏だと考えているのも、だいたい15年です。この符合は、後の章でもう一度扱います。
だから子どもの枠はオルカンです——自分のお金ではないから
子どもの枠で何を買うか。私はオルカンに寄せるつもりです。
理由は成績の期待値ではありません。自分のお金ではないからです。
自分の口座なら、米国に集中させます。実際そうしています。読み違えて損をしても、自分で引き受ければ済む話です。
でも子どものお金は違います。私が読み違えたとき、損をするのは私ではありません。だから、一つの国に賭けず、全世界に分散する側を選びます。
| 区分 | 私(Hiro)の実際 | 読者の方への検討材料 |
|---|---|---|
| 自分の口座 | VOO・QQQ など米国に集中(投資歴18年・VOOは6年保有) | 迷うならオルカン1本で十分です |
| 子どもの口座 | オルカンに寄せる方針(現在はサクっと純金・スリムS&P500・個人向け国債が混在) | つみたて投資枠の対象になっている低コストの全世界株式が無難です |
| 考え方の違い | 自分の分は読み違えても自己責任。子の分は他人のお金という緊張感で運用 | ご家庭の方針で決めてください。私の配分は推奨ではありません |
もう1つ、私の方針を書いておきます。600万円を埋めるつもりはありません。
そもそも原資が子どものもらったお金なので、600万円もありません。それに、子孫に美田を残さずという考え方も、私の中にあります。
損をしないための実務:原資の確認から始めます
ここからは手順の話です。制度が始まる前の今、やっておけることがあります。
手順1:そのお金が贈与になるか、ならないかを確認する
最初にやるのは、金額を決めることではありません。原資の確認です。
| お金の出どころ | 税務上の扱い | 気をつけること |
|---|---|---|
| 親や祖父母の資金 | 贈与にあたります | 年60万円だけなら基礎控除110万円の枠内。ただし他の贈与と合算されます |
| 子ども本人がもらったお年玉・お祝い金 | もともと子ども自身の財産です | 「名義預金」と見られない管理実態が必要です |
| 学費をその都度支払う | 扶養義務の範囲で非課税です | 将来に備えて積み立てる行為は、この非課税の対象外です |
ポイントを3つに絞ります。
1つ目。年60万円だけなら、贈与税はかかりません。贈与税の基礎控除は年110万円です。こどもNISAの上限60万円は、その枠に収まります。
ただし、この110万円はもらう人ごとの合計で判定される点に注意してください。親から60万円、祖父母から60万円だと、合計120万円で枠を超えます。
2つ目。「毎年これだけ贈る」と約束してはいけません。包括的な取り決めをすると、まとめて贈与したとみなされる扱いがあります。毎年その年だけの、独立した贈与にしてください。
3つ目。学費の直接払いは非課税ですが、積み立ては別です。その都度払う学費なら、扶養義務の範囲で非課税になります。私の保険もこの形で使う予定です。でも「将来のために投資で準備する」行為は、この非課税規定の対象になりません。
手順2:子どもに説明して、記録を残す
ここが、私がいちばん気をつけようと思っている部分です。
子どもに内緒で運用するのは、やってはいけません。
理由は2つあります。
1つは制度上の理由です。12歳以降の引き出しには、子ども本人の同意を示した書類が要ります。本人が口座の存在を知らないと、そもそも手続きが成立しません。
もう1つは税務上の理由です。「名義預金」の問題があります。
名義預金とは、口座の名義人と、実際に管理している人が違う状態のことです。
通帳も印鑑も親が持ち、入金も出金もすべて親が判断しているとします。すると「名義は子どもだが、実質は親の財産」と判断されかねません。
そうなると、相続が起きたときに親の財産として相続税の対象になります。「子どものお金だから贈与ではない」で安心していると、ここでつまずきます。
対策は、難しいことではありません。
親の資金を入れるなら、毎年その年限りの贈与契約書を作ること。振込の記録を残すこと。そして年齢に応じて、口座の存在を子どもに伝えることです。
私の子どもは、ちょうど中学生になりました。12歳を過ぎているので、説明しなければならない当事者そのものです。「これはあなたのお金で、こういう理由でこう運用している」と、紙にして渡すつもりでいます。
この「紙にする」のが、意外と面倒でした。贈与契約書も、子ども向けの説明メモも、そのためだけにパソコンを立ち上げてプリンターの前まで行くことになります。
私が使っているのは、インク不要の小さなプリンターです。スマホから直接印刷できるので、思い立った時にその場で1枚だけ刷れます。年1回の贈与契約書のような「たまにしか使わないが必ず必要」な書類とは、相性がいいと考えています。
手順3:口座の準備は、親の側から
こどもNISAの口座は、2027年にならないと開けません。今できるのは、親の側の準備です。
金融機関を選ぶとき、私が見ているのは手数料の安さだけではありません。制度が始まったときに、こどもNISAをきちんと扱うかどうかです。
そしてNISAは銀行でも買えますが、私はネット証券を選びます。理由は、銀行の窓口だと信託報酬(投資信託の運用にかかる年間の手数料)が高い商品を勧められやすいからです。
証券口座について(私の使い分けと、検討材料)
私の主軸はSBI証券ですが、用途で使い分けています。これは私の選択であって、読者の方に同じ組み合わせを勧めるものではありません。米国株や個別株も見たい方はマネックス証券、少額から始めたい・サポートに相談したい方は松井証券が候補になります。こどもNISAの口座開設は2027年からです。今は親側の口座を整えておく段階です。
よくある不安への答え
Q. 何年運用できれば安心ですか
私の考え方を書きます。データではなく、経験からの目安です。
| 運用できる年数 | 私の感覚 |
|---|---|
| 5年未満 | 正直、怖いです。出口が近すぎます |
| 5〜9年 | 微妙で、いちばん迷うゾーンです |
| 10〜14年 | 割と安心できます。ただし油断はできません |
| 15年以上 | 私が安全圏と考えている年数です |
なぜ15年か。私が15年入っていた保険で、元本が戻るのにちょうど15年かかったからです。守りに振り切った商品でさえ15年かかる。その符合が、私の中で目安になっています。
ここで1つ、正直に補足させてください。
「株式は15年持てばマイナスにならない」という言い方を見かけます。米ドルで見た過去のデータでは、おおむねそのとおりです。
ただし私たちが使うのは円です。円に戻したときの成績は、為替に左右されます。過去には、円換算にするとマイナスで終わった15年間も存在します。15年は魔法の数字ではありません。私が「油断はできない」と書いているのは、この意味です。
Q. 18歳で全部使われてしまいませんか
18歳は「出口」ではありません。成人のNISA口座に移るだけで、売る必要はありません。そのまま運用を続けられます。
ただし、その判断をするのは本人です。ここは制度で守れる部分ではありません。
だからこそ、12歳から18歳までの間に、何のお金なのかを説明しておく意味があります。お金と一緒に、考え方も渡しておく期間だと私は捉えています。
Q. 学資保険から乗り換えるべきですか
出口までの距離で決めるのがよいのではないでしょうか。
高校や大学の入学費用のように出口が近いお金は、値動きのない置き場所のほうが安心です。私の保険がまさにこれで、こどもNISAには移しません。
一方、出口までまだ10年以上ある遠いお金なら、こどもNISAの時間軸に合います。
2つを対立させる必要はありません。時間軸で分ければいいだけです。
関連書籍
「はじめてのこどもNISA」(浅見陽輔・フォレスト出版・2026年6月刊)— 制度の全体像を1冊で通しておきたい方に。学資保険やジュニアNISAとの違いも整理されています。
まとめ
- こどもNISAの悩みは、金額より先に「原資が誰のお金か」で切り分けられます。親のお金なら順序と贈与の問題が出ますが、子ども自身がもらったお金なら、そのどちらも発生しません。
- 総枠600万円は、0歳から積んだ場合の数字です。実質的に使える枠は「60万円 ×(18 − 現在の年齢)」で、8歳を過ぎると600万円には届きません。
- このお金は、12歳から親の一存では動かせなくなり、18歳で完全に本人のものになります。子どもに内緒での運用は、制度上も税務上も避けるべきです。
- こどもNISAは「つみたて投資枠」だけで、18歳では成人NISAのつみたて投資枠に引き継がれます。ただし使った分は生涯枠1,800万円から差し引かれるため、600万円を埋めるとその子が自分で使える枠は1,200万円になります。
まずは、通帳と口座を開いて「そのお金は誰からもらったお金か」を確認するところから始めてみてください。制度が始まるまでには、まだ時間があります。金額を決めるのは、その後で間に合います。
学資保険が守ってくれていたのは、利回りではありませんでした。引き出せないという不自由さでした。こどもNISAは、その不自由さを外す制度です。外した分だけ、渡す側の説明責任が増えたのだと思います。
動画で見る(約10分)
この記事の内容を、約10分の動画にまとめました。5章に分けて、やさしく解説しています。
12歳と18歳の節目、そして「どちらの枠に移るのか」という話も入れています。文字を読むより、通勤や家事のすきま時間に耳で聴きたいというかたは、こちらからどうぞ。
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※本記事は2026年7月時点の情報にもとづいています。こどもNISAの細部は2026年中に政令・省令で確定する予定のため、実際の制度内容は変更される可能性があります。また、税務上の取り扱いは個別の事情によって異なります。具体的な判断は税理士等の専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
