「新NISAを始めたいけど、オルカン? S&P500? NASDAQ100? SCHD?――結局どれを買えばいいの?」
名前は聞くけれど、どれも良さそうで、決められない。私も、最初の一本を選ぶときがいちばん時間がかかりました。物価も、目標も、リスクの取り方も人それぞれだから、「全員の正解」はありません。
そこでこの記事は、人気の4本を1枚の早見表にして、3つの質問であなたの1本に絞り込むところまでをご案内します。1本ずつの深い比較は、それぞれの専用記事に用意しました(本文からリンクします)。ここは「どこから読むか」を決める地図だと思ってください。
まず1枚で:人気4本の早見表【2026年版】
| ファンド | 中身 | 信託報酬 (年・税込) |
値動き | こんな人に |
|---|---|---|---|---|
| オルカン (全世界株式) |
47カ国 約3,000社 (米国 約6割) |
0.05775% | 中 | 迷いたくない・1本で完結したい |
| S&P500 (米国株式) |
米国の主要 約500社 | 0.09372% | 中 | 米国の成長に集中したい |
| NASDAQ100 | 米ハイテク中心 100社 | 0.2035% | 大 | 攻めたい・余剰資金で一角に |
| SCHD (米国高配当) |
米国の高配当 約100社 | 約0.12% | 中 | 値上がりより「配当(現金)」が欲しい |
3つの質問で、あなたの1本が決まる
上から順に答えていくだけです。
Q1. 世界に広く分散したい? それとも米国に集中したい?
- 正直、よく分からない/決められない → まずは オルカン(世界まるごと1本が、いちばん迷いの少ない初期設定です)
- 世界まるごと1本でいい → オルカンへ(ここで決まり)
- 米国の成長に集中したい → Q2へ
Q2.(米国集中の人へ)値動きの荒さに耐えて、もっと攻めたい?
- 王道でいい → S&P500へ(ここで決まり)
- 余剰資金で、もっと攻めたい → NASDAQ100を「主軸ではなく一角」に
Q3.(別の軸)値上がりより「配当=定期的な現金」が欲しい?
- はい → SCHDが候補(ただし、私の見立ては後述します)
多くの初心者の方は、Q1かQ2でオルカンかS&P500に行き着きます。それで十分です。NASDAQ100とSCHDは「足したい人が足す」一角だと考えています。
タイプ別・私の見立て
迷っているなら、オルカン
「どれか1本」で迷っているなら、私はオルカンとよくお伝えします。世界全体に分散していて、国の浮き沈みを自動で乗り換えてくれる。考えることがいちばん少なく、長く握りやすい。
→ S&P500との中身の違いは「eMAXIS Slim S&P500 vs オルカン徹底比較」で深掘りしています。
米国の伸びに賭けるなら、S&P500
「世界の成長エンジンは結局アメリカ」と考えるならS&P500。オルカンの中身も約6割は米国なので、両者は思っているより近い親戚です。
→ ドル建てのVOOと円建て投信の選び方は「ドルも円も、元を正せばS&P500」へ。
攻めたいなら、NASDAQ100(主軸にはしない)
NASDAQ100はハイテク中心で、上がるときは大きいぶん、下がるときも大きい。私は「主軸はオルカンかS&P500、NASDAQ100は余剰資金で足す一角」という位置づけにしています。[要確認:温度感]
→ QQQと投信の使い分けは「NASDAQ100完全ガイド——QQQ vs eMAXIS NASDAQ100」へ。
配当が欲しいなら、SCHD――「私は買わない、でもあなたは買っていい」
正直に書きます。私自身は資産を増やす局面なのでSCHDは買っていません。配当を受け取るとそのたびに課税され、再投資の効率が落ちるからです。でも、「定期的に現金が入る安心感」が続ける支えになる人にとっては、合理的な選択だと考えています。だから「私は買わない、でもあなたは買っていい」。
→ 理由のすべては「高配当SCHDを徹底分析した結論」へ。
選ぶ前に:新NISAの「どの枠で買えるか」だけ押さえる
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があります。実は、4本で使える枠が違います。
- オルカン・S&P500:つみたて投資枠・成長投資枠のどちらでもOK。毎月コツコツの「主軸」に向く
- NASDAQ100・SCHD:基本は成長投資枠(つみたて投資枠の対象外。2026年時点)。「一角を足す」用途に合う
つまり制度の面からも、主軸=オルカンかS&P500、一角=NASDAQ100やSCHDという形が素直です。コスト(信託報酬)は早見表のとおりどれも十分に低く、4本のあいだの小さな差で悩むより「始めて、続ける」ほうがずっと効きます。
やってはいけない、3つの選び方
- 流行りだけで選ぶ。「いま話題だから」で主軸を決めると、下がったときに握れません。
- 最初から何本も混ぜる。中身が重なり、自分が何に賭けているのか分からなくなります。まずは1本。
- 高配当の数字に釣られる。配当は「もらうたびに課税」。資産を増やす段階の人には、再投資の効率を下げる側面があります。
私のスタンス(参考までに)
私は、主軸を1本(オルカンかS&P500)に置き、余剰資金で一角を足すという考え方です。たくさん持つことより、暴落でも握り続けられることを優先しています。2020年のコロナ暴落で買い増せたのも、自分が握れる範囲しか持っていなかったからでした。だからこの記事も「完璧な組み合わせ探し」ではなく「長く握れる1本を決める」ことに振っています。
よくある質問
Q. オルカンとS&P500、両方持つ意味はありますか?
あまりありません。オルカンの中身の約6割はすでにS&P500の銘柄なので、両方持つと米国部分が大きく重複します。「世界か、米国か」を決めて、まずはどちらか1本で十分です。
Q. 4本ぜんぶ混ぜてもいい?
できますが、最初からやる必要はありません。混ぜるほど中身が重なり、自分が何に賭けているのか分からなくなりがちです。主軸を1本決め、慣れてきたら一角を足す。この順番が、いちばん握り続けやすいと考えています。
Q. 途中で別の投信に変えてもいい?
変えられます。ただ、頻繁に乗り換えるほど判断がブレます。最初の1本は「長く握れそうか」で選び、よほどの理由がなければ続ける――それが、いちばん成果に近いと考えています。
Q. いまは高値・円安だけど、始めていい?
「いつ始めるか」を当てにいかないのが積立の強みです。高いか安いかは、後からしか分かりません。一括で構える勇気が出ないなら、毎月の積立に分けて淡々と続ける――それで十分です。むしろ私は、みんなが怖がる暴落のときこそ買い増してきました。
まとめ:迷ったら「1本」から
完璧な組み合わせを探すより、主軸を1本決めて、積立を始めて、続けることのほうがずっと効きます。増やすなら主軸はオルカンかS&P500、攻めたいならNASDAQ100を一角に、現金が欲しいならSCHD――これがこの記事の地図です。
どこで買う?――手数料の安いネット証券で
同じ投信でも、買う場所で取られるコストが変わります。私はネット証券を使っています(理由は「大手は独立系、ネット証券は通信系」「VOOを初心者に薦めない3つの理由」で詳しく)。タイプ別に、私が使っている2社を挙げておきます。
▼ オルカン・S&P500を新NISAでコツコツ積み立てたい人:松井証券
投資信託のラインナップが厚く、eMAXIS Slimシリーズもひと通り揃います。投信を保有しているだけで毎月ポイントが還元される仕組みがあり、長く持つほど実質コストが下がる設計です。新NISAの積立投資枠で「ほったらかし運用」を続けたい人と相性がいい1社です。
▼ VOOやSCHDなど米国ETFをドル建てで持ちたい人:マネックス証券
米国株・米国ETFの取扱銘柄数がネット証券トップクラスで、VOOもSCHDも当然カバー。買付時の為替手数料が抑えられている点も米国ETF派には大きな利点です。「ドル資産を手元へ積み上げたい」という人に向く口座です。
🎥 動画でも解説しています(約9分)
この記事の早見表と「3つの質問」を、スライド付きで話しました。私がアメリカ1本にした理由(机を見たらメガネまでアメリカでした)も正直に。文字より聴きたい方、家事や通勤のすきま時間にどうぞ。
あわせて読みたい(1本ずつ、深く知る)
- S&P500とオルカン、中身の違い →「eMAXIS Slim S&P500 vs オルカン徹底比較」
- NASDAQ100で攻めるなら →「NASDAQ100完全ガイド——QQQ vs eMAXIS NASDAQ100」
- ドル建てVOO vs 円建て投信 →「ドルも円も、元を正せばS&P500」
- 配当が欲しい人へ →「高配当SCHDを徹底分析した結論」
※本記事は情報提供を目的としており、特定の投資信託・銘柄の購入を推奨するものではありません。信託報酬・構成銘柄数は2026年時点の概算で、変更される場合があります。投資判断はご自身の責任で、最新の公式情報(目論見書等)をご確認のうえ行ってください。価格変動により元本割れの可能性があります。
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
