つみたてNISAおすすめランキング1位のファンドは、オルカンより実力で勝っていませんでした——6項目の評価軸を分解して分かったこと

つみたてNISAおすすめランキングの評価6項目のうち販売会社数と注目度を外すと1位とオルカンの順位が入れ替わることを解説する月城ミオ インデックス投資

つみたてNISAの「おすすめランキング」を開いたとき、最初に感じたのは違和感でした。

1位は「たわらノーロード全世界株式」。2位も3位も、同じ「たわら」シリーズです。私がこのブログで読者の方に第一推奨しているeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)は6位でした。

見慣れない名前が上位を占めている。それが最初の引っかかりでした。そこから順位の中身を調べていくと、順位を分けていたのは商品の実力ではありませんでした

この記事では、みんかぶが公開している6つの評価項目を分解します。読み終えたとき、ランキングの「順位」ではなく「どの列を見ればいいか」が分かる状態を目指します。

結論:ランキングの「1位」は、「一番良い」ではありませんでした

先に結論を書きます。

みんかぶの「つみたてNISAおすすめランキング」は、6つの項目から総合点を出しています。そのうち2つは、商品の実力とは関係のない項目です。「販売会社数」と「注目度」です。

実際に、1位のたわらノーロード全世界株式と6位のオルカンを並べてみました。実力を測る4項目で比べると、4項目すべてでオルカンが同等以上でした。それでも14点差で6位です。

つまりこのランキングの「1位」は、「一番良い」というより「一番多くの店に置いてある」に近いということになります。

ただし、先に大事なことを書いておきます。たわらノーロード全世界株式は、悪い商品ではありません。信託報酬は年0.10989%で、十分に安い部類です。この記事は特定の商品を批判するものではありません。

みんかぶのランキングは、何を測っているのか

みんかぶは評価方法を公開しています。ランキングページには、こう書かれています。

直近3年間の利回り(リターン)・シャープレシオ・標準偏差・コスト・販売会社数・注目度の6項目からみんかぶ独自の手法で偏差値を算出し総合評価したランキング

聞き慣れない言葉があるので、先に整理します。

  • 利回り(リターン)…その商品が3年間でどれだけ増えたかを、1年あたりに直した割合です。
  • 標準偏差…値動きの荒さです。数字が大きいほど、上下に激しく揺れたことを意味します。
  • シャープレシオ…値動きの荒さに対して、どれだけ効率よく増やせたかを示す指標です。大きいほど優秀とされます。
  • 実質信託報酬…その商品を持っている間、毎年自動的に差し引かれる手数料です。
  • 販売会社数…その商品を取り扱っている金融機関の数です。
  • 注目度…みんかぶのサイト上でどれだけ見られているかを指すと考えられますが、定義は明示されていません。

この6つを並べると、性質が2つに分かれることが分かります。

上の4つは、その商品がどれだけ効率よく、安く、増やしてくれたかを測っています。下の2つは、商品の中身とは無関係です。どれだけ売られているか、どれだけ見られているか。それは商品の性能ではなく、流通量と話題性です。

次のグラフは、6項目がどう分かれるかを示しています。

みんかぶの評価項目6つは、性質が2つに分かれます 商品の実力を測る4項目 利回り(3年) シャープレシオ 標準偏差 コスト 商品の実力とは関係のない2項目 販売会社数 注目度 どれだけ多くの店に置いてあるか。 どれだけ見られているか。 6項目のうち2項目は、中身の良し悪しを見ていません。
みんかぶの評価6項目の性質分け(出典:みんかぶ投信「つみたてNISAおすすめランキング」の記載をもとに筆者が分類)

そもそも、ランキングに載っていないファンドがあります

項目を見ていて、先に気づいたことがあります。評価の軸が「直近3年間」の実績である点です。

これは、設定されて3年たっていないファンドがそもそも土俵に上がれないことを意味します。

実例があります。楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンドです。実質信託報酬は年0.0561%で、オルカンの0.05775%よりさらに安く、日本で最も安い部類に入ります。純資産額も9,564億円あります。

それでも、この254本の中に入っていません。設定日が2023年10月27日で、まだ3年たっていないからです。実際にデータを見ると、3年の利回りも標準偏差もシャープレシオも、すべて空欄になっていました。

ですからこのランキングは、正確にはこう読むべきものになります。「3年以上前から存在しているファンドの中での順位」です。いちばん新しくて、いちばん安い商品は、最初から比べられていません。

1位とオルカンを、実力4項目で並べてみました

ここからが本題です。実際の数字で確かめます。

まず、2026年7月22日時点の上位10本を並べます。

順位 ファンド 総合点 利回り3年 実質信託報酬 販売会社数
1たわらノーロード全世界株式35924.44%0.10989%163社
2たわらノーロード先進国株式35724.14%0.09889%95社
3たわらノーロードS&P50035525.06%0.09372%132社
4iFree S&P500インデックス34924.92%0.198%86社
5たわらノーロード日経22534730.35%0.143%90社
6eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)34524.55%0.05775%52社
7eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)34225.13%0.0814%54社
8つみたて先進国株式34224.03%0.22%58社
9iFree 日経225インデックス34230.33%0.154%73社
10つみたて全世界株式34124.31%0.198%47社
つみたてNISAおすすめランキング上位10本(出典:みんかぶ投信、2026年7月22日07:07更新時点・全254件)

この表だけでも、気になる点が出てきます。

利回りが一番高いのは5位のたわらノーロード日経225(30.35%)です。1位ではありません。そしてコストが一番安いのは6位のオルカン(0.05775%)です。これも1位ではありません。

1位と6位を、実力4項目で直接比べます

では、1位のたわらノーロード全世界株式と、6位のオルカンを直接比べます。どちらも世界中の株式にまとめて投資する商品で、中身の性格は近いものです。

項目 たわら全世界(1位) オルカン(6位) どちらが上か
利回り(3年)24.44%24.55%オルカン
標準偏差(3年)13.9313.93同じ
シャープレシオ(3年)1.731.74オルカン
実質信託報酬0.10989%0.05775%オルカン(1.90倍安い)
販売会社数163社52社たわら(3.1倍)
純資産総額
(評価項目に入っていません)
3,525億円13兆439億円オルカン(約37倍)
総合点359点345点たわら(14点差)
1位と6位の項目別比較(出典:みんかぶ投信、2026年7月22日時点)

実力を測る4項目を見てください。利回りはオルカンが上、標準偏差は同じ、シャープレシオもオルカンが上、コストはオルカンが1.90倍安い。

4項目すべてでオルカンが同等以上です。それでも14点差で負けています。

6項目のうち4項目で負けていない商品が、総合で6位になる。そうなると、順位を分けたのは残る2項目しかありません。販売会社数と注目度です。これは推測ではなく、消去法で残る答えになります。

2項目を外して、上位20本を並べ替えてみました

ここまでは1位と6位の一騎打ちでした。では上位20本すべてを実力4項目だけで並べ替えると、どうなるのでしょうか。実際に計算しました。

公開されている利回り(3年)・標準偏差・シャープレシオ・実質信託報酬を偏差値にして、均等に配点しています。標準偏差とコストは低いほど良いので、符号を反転させました。

結果が下の20本です。かっこ内はみんかぶの元の順位です。

  1. eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)(元6位・5つ上昇
  2. eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)(元18位・16も上昇
  3. たわらノーロード全世界株式(元1位・2つ下降)
  4. eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)(元13位・9つ上昇)
  5. eMAXIS Slim 先進国株式(除く日本)(元14位・9つ上昇)
  6. たわらノーロード先進国株式(元2位・4つ下降)
  7. つみたて日本株式(TOPIX)(元11位・4つ上昇)
  8. つみたて全世界株式(元10位・2つ上昇)
  9. つみたて先進国株式(元8位・1つ下降)
  10. eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(元7位・3つ下降)
  11. たわらノーロードS&P500(元3位・8つ下降
  12. iFree S&P500インデックス(元4位・8つ下降
  13. つみたて米国株式(S&P500)(元12位・1つ下降)
  14. たわらノーロード新興国株式(元17位・3つ上昇)
  15. たわらノーロードバランス(8資産均等型)(元15位・変わらず)
  16. たわらノーロード日経225(元5位・11も下降
  17. iFree 日経225インデックス(元9位・8つ下降)
  18. つみたて日本株式(日経平均)(元16位・2つ下降)
  19. SMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンド(元19位・変わらず)
  20. 日経平均高配当利回り株ファンド(元20位・変わらず)

1位と6位が入れ替わりました。18位だったeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)は、2位まで上がっています。

下がったほうも見てください。たわらノーロード日経225は5位から16位へ、11も落ちました。利回りは30.35%でこの中の最高値です。それでも標準偏差が20.86と大きく、値動きの荒さを差し引くと評価が下がります。リスクを調整するとは、こういうことになります。

ここで自分を疑いました。配点を都合よく選べば、欲しい結果を作れてしまうからです。そこでコストの比重を40%まで重くした配点でも計算し直しました。結果は、上位8本の顔ぶれも順序もほとんど変わりませんでした。

重みを変えても結論が動きません。この入れ替わりは、計算のしかたで作った結果ではないと考えています。

もう1つ気になるのは期間です。みんかぶが見ているのは直近3年だけで、この3年はほぼ全面高の相場でした。5年で見ると、たわらノーロード全世界株式が19.63%、オルカンが19.72%です。こちらでもオルカンが上回っていました。

ただし、この試算には限界があります。みんかぶは各項目の配点比率を公開していません。ですから同じ計算式は再現できません。これは「本当の順位」ではなく、公開されている列だけを使った私の試算です。母集団も上位20本に限っています。

ランキングに入っていない、いちばん大事な数字があります

調べていて、もう1つ驚いたことがあります。

みんかぶの6項目に、純資産総額が入っていません。どれだけ多くの店に置いてあるかは測っているのに、そのファンドに実際いくら集まっているかは見ていないことになります。

そこで調べました。結果が、この記事でいちばん驚いた数字です。

  • たわらノーロード全世界株式(1位)…販売163社/純資産3,525億円
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)(6位)…販売52社/純資産13兆439億円

163社が扱う商品より、52社しか扱わない商品のほうが、集まっているお金は約37倍多いという結果でした。

この数字が示すことは、はっきりしています。販売会社数は「選ばれている量」ではありません。「置いてある店の数」です。この2つは、まったく別のものになります。

純資産総額を5つめの項目として加えて計算し直すと、たわらノーロード全世界株式は7位まで下がりました。オルカンは1位のままです。

純資産総額を見る理由は、規模が小さいと運用が途中で打ち切られる可能性があるからです。私は最低3,000億円を目安にしています。

「販売会社数」とは、どれだけ多くの店に置いてあるかです

販売会社数とは、その商品を取り扱っている銀行・証券会社の数です。

たわらノーロード全世界株式は163社が扱っています。オルカンは52社です。では、この差は商品の良し悪しを表しているのでしょうか。

表しているのは、販売網の広さです。全国の地方銀行や対面型の証券会社の窓口に、どれだけ置いてもらえているか。それが販売会社数です。

投資家に有利な性質が、減点として働く構造になっています

ここに、この評価軸のいちばん厄介な点があります。

手数料の安い商品は、売る側の取り分も小さくなります。だから対面の窓口では積極的に扱われにくくなります。ネット証券を中心に静かに売られることになります。

つまり「コストが安い」という投資家にとって有利な性質が、「販売会社数が少ない」という減点に変換されてしまうのです。

安いから売られにくい。売られにくいから販売会社数が少ない。販売会社数が少ないから順位が下がる。この流れが起きています。

この構造は、ネット証券系のファンドを見るとよりはっきりします。

  • SBI・V・S&P500…30位/利回り25.03%/コスト0.0938%/販売16社
  • SBI・全世界株式(雪だるま)…41位/利回り24.18%/コスト0.1022%/販売13社
  • My SMT S&P500(ノーロード)…68位/利回り24.99%/コスト0.0968%/販売8社

特にSBI・V・S&P500を見てください。利回りもコストも、1位のたわら全世界(24.44%・0.10989%)を上回っています。それで30位です。違うのは販売会社数で、16社と163社という10倍の開きがあります。

ただし、販売会社数だけで順位が決まるわけではありません。ここは公平に書いておきます。「販売会社数さえ多ければ上位に行ける」という単純な話ではありません。

たとえばiFreeNEXT FANG+インデックスは、販売会社数が74社あります。オルカンの52社より多い数です。それでも順位は46位でした。

理由は数字を見れば分かります。利回りは34.69%で、この中では断然の1位です。ところが標準偏差は26.36と非常に大きく、シャープレシオは1.30で最も低い部類でした。コストも0.7755%と高めです。1項目の圧勝では、残り3項目の負けを取り返せませんでした。

つまり実力4項目は、差が大きいときにはきちんと機能しています。

問題が起きるのは、中身が似ていて実力に大きな差がないファンド同士を並べたときです。そこでは4項目でほとんど差がつかないため、販売会社数と注目度が事実上の決定打になります。1位と6位の14点差は、まさにその場面で生まれていました。

次のグラフは、販売会社数と総合順位の関係を示しています。

販売会社数が多い商品ほど、上位にいます たわら全世界(1位) 163社 信託報酬 0.10989% オルカン(6位) 52社 信託報酬 0.05775% スリム全世界 除く日本(18位) 30社 信託報酬 0.05775%
販売会社数と総合順位の関係。コストが最も安い2本が下位にいます(出典:みんかぶ投信、2026年7月22日時点)

同じ運用会社・同じコストの姉妹商品が、12位下にいます

もっと分かりやすい例があります。

18位に「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」があります。6位のオルカンと同じ運用会社の、ほぼ同じ中身の商品です。日本株を含むかどうかだけが違います。

信託報酬は0.05775%でオルカンと完全に同一です。3年の利回りは24.61%で、オルカン(24.55%)よりわずかに上でした。標準偏差とシャープレシオはほぼ互角です。

それでも12位下の18位です。販売会社数は30社。オルカンの52社より少なくなっています。

さらにその1つ下、19位のSMTAMダウ・ジョーンズインデックスファンドは、18位と同じ335点でした。この商品の信託報酬は0.55%です。コストが9.5倍違っても、総合点は同じになります。

「注目度」は、順位が順位を作る構造になっています

もう1つの項目が「注目度」です。

みんかぶは注目度の定義を明示していません。ただ、サイト上でどれだけ閲覧されているかを指すものと考えられます。

ここで起きるのが、循環です。ランキング上位に載る。だから多くの人に見られる。見られるから注目度が上がる。注目度が上がるから、また上位に載る。

順位が注目度を作り、注目度が順位を作ります。この項目は、一度上位に入った商品を上位に留める働きをします。新しく入ってきた低コスト商品には、そもそも不利になります。

では、いくら損をするのか。正直に書きます

ここまで読むと「1位を買ったら大損する」と感じるかもしれません。そこは正直に書きます。そうはなりません。

1位のたわら全世界とオルカンのコスト差は、年0.0521%です。この差が積立でいくらになるか計算しました。毎月3万円を年5%で運用し、信託報酬を引いた後の金額で比べています。

差は、10年で約12,900円、20年で約73,000円、そして30年で約236,000円になりました。積み上がる金額は、たわら全世界が2,446万円、オルカンが2,470万円です。

30年で約23万6千円の差です。金額としては小さくありません。ただ、30年で積み上がる2,470万円に対しては、およそ1%です。

ですから、こう書くのが正確だと考えます。ランキング1位を買っても、大きな失敗にはなりません。たわらノーロード全世界株式は、十分に安い商品です。

私が問題だと考えるのは、金額ではありません。「1位」という言葉が読者に与える印象と、その中身がずれていることです。

「1位」と書かれていれば、多くの人は「一番良い商品」と受け取ります。実際には「一番多くの店に置いてある商品」に近い。このずれは、金額の大小とは別の問題です。

なお、コスト差が本当に効いてくるのは、信託報酬が1%を超えるような商品を選んだときです。その場合は30年で数千万円単位の差になります。詳しくは信託報酬30年の現実|世界のベストとオルカンで3,318万円差にまとめています。

では、どの列を見ればいいのか

私はランキングで投資信託を選んだことがありません

ここで自分のことを書きます。

私は投資歴18年ですが、ランキングを見て投資信託を選んだことがありません。今持っているオルカンとeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、自分でネットで調べて行き着いた結論です。

順位を見ていたわけではなく、信託報酬と純資産総額(そのファンドに集まっているお金の総額)を見て決めました。振り返ると、それが結果的に正解だったと考えています。

私の保有と、読者の方への推奨は分けて書きます。

項目 私(Hiro)の実装 読者向けの考え方
中核VOO・QQQ(米ドル建てETF)円建ての投資信託で十分です
全世界オルカンをわずかに保有迷うならオルカン1本で問題ありません
たわらシリーズ保有していません悪い商品ではありません。ただ選ぶ理由も特にありません
選び方ランキングは見ません候補を絞る道具として使ってください
筆者の保有と読者向けの考え方の分離

見るべき列は2つだけです

ランキングを使うなとは言いません。254本の中から候補を絞る道具としては便利です。ただ、見る場所を変えてください。

順位の数字ではなく、次の2つの列を見ます。

  1. 実質信託報酬…年0.2%を限界、できれば0.1%以下を目安にします。この記事の表でいえば、8位のつみたて先進国株式は0.22%で限界を超えています。
  2. 純資産総額…最低3,000億円を目安にします。規模が小さいと、途中で運用が終わってしまう可能性が出てきます。

この2つで絞ってから、残った中で全世界か米国かを選ぶ。それだけで、順位を見るより良い結果になると考えています。

実際にやってみます。254本すべてを実質信託報酬の安い順に並べ、純資産3,000億円以上という条件だけをかけました。販売会社数も注目度も使っていません。その上位10本が下の表です。

# ファンド 投資対象 実質信託報酬 純資産 利回り3年 みんかぶ順位
1eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)全世界株式0.05775%13兆439億円24.55%6位
2eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)全世界株式0.05775%1兆2,162億円24.61%18位
3eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)米国株式0.0814%12兆4,721億円25.13%7位
4SBI・V・S&P500米国株式0.0938%3兆204億円25.03%30位
5eMAXIS Slim 先進国株式(除く日本)先進国株式0.09889%1兆3,508億円24.18%14位
6たわらノーロード先進国株式先進国株式0.09889%1兆3,327億円24.14%2位
7ニッセイ外国株式インデックスファンド先進国株式0.09889%1兆1,134億円24.16%33位
8SBI・全世界株式(雪だるま)全世界株式0.1022%4,318億円24.18%41位
9たわらノーロード全世界株式全世界株式0.10989%3,525億円24.44%1位
10eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)日本株式0.143%7,615億円23.10%13位
実質信託報酬の安い順(純資産3,000億円以上)。数値は2026年7月22日時点のみんかぶ投信より筆者作成

みんかぶで1位だったたわらノーロード全世界株式は、この表では9位です。逆に、みんかぶで30位・33位・41位だった3本が上位に入りました。

大事なのは、この表が順位表ではなく候補表だという点です。利回りの差は運用の巧拙ではなく、どの指数を選んだかで決まっています。米国株式が高いのは米国株が上がったからで、ファンドが優秀だからではありません。

ですから使い方はこうなります。まず投資対象を自分で決める。全世界か、米国か、先進国か。そのうえで、その列の中でいちばん安くて大きいものを選ぶ。それで十分です。

ここで、表をもう一度見てください。投資対象は4つしかありません。全世界、米国、先進国、日本です。

そして同じ投資対象の中なら、選び方は1つに決まります。中身がほぼ同じなら、信託報酬が安くて純資産が大きいほうを選ぶ。それだけです。

その物差しを当てると、10本はこう絞られます。

投資対象 10本中 絞ると残るもの 理由
全世界株式4本eMAXIS Slim オルカン最安(0.05775%)かつ最大(13兆439億円)
米国株式2本eMAXIS Slim S&P500コストでも規模でも上回る
先進国株式3本3本ほぼ互角信託報酬が3本とも0.09889%で同一
日本株式1本eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)他に候補がない
「安くて大きいもの」で絞った結果(2026年7月22日時点の数値より筆者作成)

10本と言いながら、実際に残る候補は3本から4本です。しかもその3〜4本は、優劣を競っているのではありません。どの市場に賭けるかが違うだけです。

ここで、もう一段あります。先進国株式も、日本株式も、そして米国株式も、すべてオルカンの中身の一部です。オルカンを1本持てば、その全部がすでに入っています。

ですから問いは「どのファンドが優秀か」ではありません。どこまで広く持つかに変わります。

そして実際に選ばれるのは、たいてい2つです。全世界(オルカン)か、米国(S&P500)か。先進国だけ、日本だけを単独で持つ人は多くありません。

254本のランキングは、ここまで絞れます。そして最後に残った2つは、優劣ではなく方針の違いです。世界全体の成長に乗るか、米国に賭けるか。それだけの違いになります。なお、この2つを両方買っても分散にはなりません。理由はオルカンとS&P500の両方買いは「分散」にならないに書いています。

日本株についても書いておきます。日本に住んでいると、日本株にも惹かれます。ただ数字を見ると、日本株ファンドは0.143%が最安水準でした。全世界の0.05775%と比べて約2.5倍です。純資産も7,615億円で、全世界や米国とは桁が2つ違います。選べる商品そのものが少ない市場だと分かります。

結果として、4つの投資対象すべてでeMAXIS Slimシリーズが残りました。これはブランドを勧めているのではありません。安くて大きいものを選ぶ、という2つの条件を通した結果にすぎません。コストの競争は今も続いているので、この顔ぶれは変わり得ます。

254本という数字は、選択肢の多さを感じさせます。ところが物差しを1本通すだけで、残るのは数本でした。そもそも、順位を競わせる必要があまりありません。

信託報酬0%のファンドを、私が選ばない理由。この作業をしていて、極端な例に出会いました。野村スリーゼロ先進国株式投信です。

信託報酬は年0%です。日本の投資信託でここまで安いものは他にありません。それでも、みんかぶの順位は71位でした。販売会社数が1社しかないからです。

ただし、私はこのファンドを上の表に入れませんでした。理由は2つあります。

1つは純資産が688億円で、私の目安である3,000億円に届いていないことです。もう1つは、0%が期間限定だという点です。無料なのは2030年12月31日までで、2031年1月からは年0.11%以内に変わることが目論見書に書かれています。

そしてこのファンドは、野村證券のつみたてNISA口座でしか買えません。販売会社数1社という数字は、品質の低さではなく「買える場所が限られる」という事実を表しています。それは知っておくべき情報です。ただし、良し悪しを決める点数にする話ではありません。

どの投信を選ぶか迷っている方もいると思います。候補の絞り込みは新NISAの投信、結局どれ?にまとめています。

この記事も「中立」ではありません

最後に、正直に書いておきたいことがあります。

この記事の下には、証券会社へのリンクがあります。そこから口座が開設されると、私に報酬が入ります。ですからこの記事も「中立」ではありません。

みんかぶのランキングに評価軸のゆがみがあるように、私の記事にも私の都合が入り得ます。それを隠して「中立な情報です」と書くほうが、よほど危ういと考えています。

ここで大事なのは、中立かどうかではありません。評価の軸が開示されているかどうかです。

みんかぶは6項目を公開しています。だからこそ、この記事のように分解できました。軸が開示されていれば、読者は自分で重みを付け直せます。本当に危ないのは、何を基準に選ばれたのか書かれていない「おすすめ」のほうです。

口座の開設先(用途で使い分け)

低コストの投資信託は、ネット証券で買うのが基本になります。私の主軸はSBI証券ですが、用途で選んで問題ありません。米国株や海外ETFも扱いたい方はマネックス証券、サポート重視で少額から始めたい方は松井証券という使い分けです。

マネックス証券の口座開設 松井証券の口座開設

よくある質問

ランキング1位の商品を買ってしまいました。乗り換えるべきでしょうか

あわてて乗り換える必要はありません。たわらノーロード全世界株式は年0.10989%で、十分に安い商品です。

すでに利益が出ている場合、課税口座(NISA以外の口座)で売ると約20%の税金がかかります。乗り換えのコストのほうが大きくなることもあります。これから積み立てる分をどうするか、という視点で考えるほうが現実的です。

販売会社数が多いほうが、安心なのではないですか

販売会社数は、その商品がなくなりにくいかどうかとは直接関係しません。運用が続くかどうかを見るなら、純資産総額のほうが役に立ちます。

他のランキングなら信用できますか

大事なのはランキングの名前ではなく、評価軸が公開されているかどうかです。公開されていれば、この記事のように自分で確かめられます。公開されていない「おすすめ」は、何を基準に選ばれたのか分かりません。

まとめ

  • 6項目のうち販売会社数と注目度は、商品の実力と関係がありません。そして純資産総額は評価項目に入っていません。163社が扱うたわら全世界が3,525億円、52社のオルカンが13兆439億円です。
  • 実力4項目だけで並べ替えると、オルカンが1位、18位だったスリム全世界(除く日本)が2位に上がりました。さらに「安くて大きいもの」で絞ると、候補は3〜4本しか残りません
  • ただしコスト差は30年で約23万6千円、総額の約1%です。1位を買っても大きな失敗にはなりません。問題は金額ではなく、「1位」という言葉と中身のずれのほうです。

まずは、いま気になっているファンドの実質信託報酬と純資産総額の2つだけを確認してみてください。順位の数字を見るのをやめて、その2列だけを見る。実際にやってみると、候補は数本しか残りません。選ぶ作業は、思っているよりずっと簡単になります。

ランキングの「1位」は、一番良い商品ではありません。一番多くの店に置いてある商品です。その違いを知っているだけで、同じランキングがまったく別のものに見えてきます。

あなたに合わせて、次に読む記事

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。ランキングの内容および各ファンドの数値は2026年7月22日時点のものです。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。