インデックス投資は、個人が一番手軽に使える「カネのレバレッジ」——ナヴァルの4つのレバレッジで考える、利回りより効く入金力【投資歴19年】

セーラー服姿の月城ミオが開いた本に手を置き、机にはてこの図を描いたノートが置かれている インデックス投資
自分でかけるのではなく、かけている側の株主になる

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先に結論を書きます。この記事で言う「レバレッジ」は、借金で掛け金を膨らませることではありません。信用取引やレバレッジ型ETFも勧めません。

ここでのレバレッジは、「自分の労力以外の何かに働いてもらう仕組み」のことです。2007年から19年、インデックス投資を続けてきた立場から、この考え方を整理します。

きっかけは、フェルミ漫画大学の動画『【要約】シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント①』です。元になっているのは、起業家ナヴァル・ラヴィカントの考え方です。ナヴァルは、スタートアップと投資家をつなぐ AngelList の共同創業者で、エンジェル投資家としても知られています。

結論:インデックス投資は、レバレッジを使う企業群の株主になること

  • 個人がヒトとカネのレバレッジを自分で動かすのは難しい。でも、使っている企業群の株主になることはできる。必要なのは証券口座と数千円
  • ただしカネのレバレッジは掛け算。元本が小さければ、結果も小さい
  • だから、許可のいらないコードとメディアで入金力を上げ、カネのレバレッジに渡す

ナヴァルの言う「富」と、4つのレバレッジ

ナヴァルは、お金と富を分けて考えます。富とは、寝ている間も稼いでくれる資産のことです(原文は “Wealth is having assets that earn while you sleep.”)。時間を売って得る給料とは、性質が違います。

富を生むには、自分の代わりに働く「レバレッジ」が要ります。ナヴァルは、それを4つに分けています。

ナヴァルの4つのレバレッジ 許可が要る 許可が要らない ヒト 人を雇って 働いてもらう カネ 資本に 働いてもらう コード ソフトウェアに 働いてもらう メディア 文章・動画・音声に 働いてもらう インデックス投資=カネの側に「乗る」 4つを使う企業群の株主になる
図1:ナヴァルの4つのレバレッジと、インデックス投資の位置(『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』をもとに筆者作成)
レバレッジ 中身 個人が使うハードル
ヒト人を雇って働いてもらう高い(誰かに付いてきてもらう必要がある)
カネ資本に働いてもらう高い(誰かにお金を預けてもらう必要がある)
コードソフトウェアに働いてもらう低い(許可が要らない)
メディア文章・動画・音声に働いてもらう低い(許可が要らない)

ナヴァルは、コードとメディアを「許可のいらないレバレッジ」と呼びました(”Code and media are permissionless leverage.”)。ヒトは誰かに付いてきてもらう必要があり、カネは誰かに資金を預けてもらう必要があります。コードとメディアに要るのは、パソコン1台です。

だから資本の小さい個人に向くのはコードとメディアだ、というのが私の読み方です。カネのレバレッジは、本来は大きな資本を動かせる人のものです。

会社員が「ヒト」と「カネ」を直接使うのは難しい

普通の会社員にとって、ヒトとカネのレバレッジを自分で動かすのは現実的ではありません。人を雇うには事業が要ります。他人のお金を預かって運用するには、実績と信用が要ります。

自分の資金で個別株を少し買っても、動かせるのは手元の数十万円から数百万円です。銘柄を選ぶ時間や判断の負担も、自分で背負うことになります。

では、資本の小さい個人はカネのレバレッジと無縁なのか。そうではありません。自分で使うのではなく、「使っている側」に乗るという道があります。

インデックス投資は、レバレッジを使う企業群の「株主になる」こと

インデックス投資とは、ヒト・カネ・コード・メディアを使いこなす企業群のオーナー権を、少しずつまとめて持つことです。自分でレバレッジをかけるのではなく、かけている側の株主になります。

S&P500の構成企業だけで、雇っている人は合わせて約2,800万人と報じられています(2025年)。巨額の資本を動かし、世界中でソフトウェアや広告を回しています。4つのレバレッジの塊です。

個人がこの仕組みを使うのに要るものは、証券口座と数千円だけです。雇用も経営も銘柄選びも要りません。これが「一番手軽なカネのレバレッジ」と呼ぶ理由です。

ただし、株主である以上、株価の下落もそのまま受けます。元本が保証される仕組みではありません。

限界:元本が小さければ、結果も小さい

カネのレバレッジは「掛け算」です。利回りが同じなら、結果を決めるのは入れた金額です。年利5%、20年間積み立てた場合を試算しました。

毎月の積立額 元本合計 20年後の評価額 運用益
3万円720万円約1,233万円約513万円
5万円1,200万円約2,055万円約855万円
10万円2,400万円約4,110万円約1,710万円

表:年利5%・毎月末に積立・月ごとに複利で20年(240か月)。税金と手数料は考慮していません(NISA口座なら運用益は非課税)。年利5%は将来を保証する数字ではありません

利回りを1%上げるか、入金を増やすか(20年後) 約1,233万円 月3万円・年5% 約1,386万円 月3万円・年6% +153万円 約2,055万円 月5万円・年5% +822万円
図2:同じ20年でも、効くのは入金額(筆者計算・税金と手数料は考慮せず)

月の積立を3万円から5万円に増やすだけで、20年後の差は約822万円になります。同じ3万円のまま利回りを年5%から6%に上げても、増えるのは約153万円です。利回りを年1%上げるより、入金力を上げるほうが確実に効きます。しかも利回りは自分では決められませんが、入金額は自分で決められます。

だから「カネ」と「コード・メディア」を組み合わせる

入金力を上げる手段として使えるのが、許可の要らないコードとメディアです。私の場合は、次の形で組み合わせています。

  1. 本業:生活費と積立の土台。時間を売る働き方ですが、一番安定した入金源です
  2. メディア:ブログとYouTube。一度書いた記事や動画が、寝ている間も読まれ続けます
  3. コード:AIで作るBGMや、記事作成を助ける自作ツール。作業を仕組みに任せます
  4. カネ:1〜3で得たお金をインデックスに回し、企業群に働いてもらいます

正直に書くと、今は資金の都合で新規の積立を止めています。それでも、持っている分は企業群に働いてもらい続けています。カネのレバレッジは、入れるのを止めても、入れた分は働き続けます。

コードとメディアで入金力を上げ、カネのレバレッジでそれを増やす。一つひとつは小さくても、掛け算の形になります。

6月1日の記事では、同じナヴァルの本をもとに、インデックス投資を「守りのエンジン」、副業を「攻めのエンジン」と書きました。今回は、同じ考えをレバレッジの側から見直しました。守りのエンジンは、見方を変えると、一番手軽なカネのレバレッジでもあります。

カネのレバレッジに乗るための口座

必要なのは証券口座と数千円です。私の主軸はSBI証券ですが、米国株や投資信託に強いマネックス証券、サポートの手厚い松井証券も候補です。どちらも新NISAでS&P500やオール・カントリーの積立ができます。

松井証券の口座開設バナー マネックス証券の口座開設バナー

まとめ:目的はお金ではなく「自由」

  • ナヴァルの言う富は、寝ている間も稼ぐ資産。レバレッジはヒト・カネ・コード・メディアの4つ
  • 個人がヒトとカネを直接使うのは難しいが、インデックス投資なら使っている企業群の株主になれる
  • ただし掛け算なので、元本が小さければ結果も小さい。利回り1%より入金力
  • だから、許可のいらないコードとメディアで入金力を上げ、カネのレバレッジに渡す

ナヴァルもフェルミ漫画大学も、最後に行き着くのは同じです。お金そのものではなく、時間を自分で選べる自由が目的です。

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※出典:エリック・ジョーゲンソン『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』(櫻井祐子 訳、サンマーク出版、2022年)。ナヴァルの英文の引用は、同書の原書(The Almanack of Naval Ravikant)とナヴァル本人の投稿(2018年5月31日「How to Get Rich」)によります。参考:フェルミ漫画大学『【要約】シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント①』(YouTube・2026年3月公開)。S&P500構成企業の従業員数は、BofAの集計として報じられた2025年の数字です。積立の試算は筆者計算で、税金・手数料を考慮していません。※本記事は特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。投資は自己判断でお願いします。本記事にはアクセストレードのアフィリエイトリンクが含まれています。

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本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。