アンソロピック(Anthropic)のIPOを分析して、投資に値するか確かめてみた——目論見書とSpaceXの4か月で採点したら、評価はC【2026年10月】

セーラー服姿の月城ミオが机の上の光るボタンから手を引き、書類を読んでいる。背後の画面には山と谷のある株価の線 AI・テック投資
上場の日に、自分で飛び込む必要はない

2026年10月27日公開・数字は2026年10月27日時点(SpaceXの株価は10月26日終値)

【開示】この記事の調べものと構成には、Anthropic社のAI(Claude)を使っています。Anthropicの評価に関わる記事なので、数字は目論見書の原文と報道を分けて示しています。

AnthropicのIPOが投資に値するか、目論見書で確かめました。採点の結果はC。私は見送ります。

SBI証券で扱われれば、申し込むつもりでした。でも、4か月前のSpaceXのIPOを見てください。公開価格で当たった人は、いま+8.8%です。上場初日に市場で買った人は、いまも−8.7%です。同じ方法で2社を採点すると、どちらもCでした。

見送るのは、会社が悪いからではありません。売上は1年で14倍、4〜6月には初めて営業黒字も出ました。私が引っかかったのは、値段、上場直後に出てくる売り、株が増える仕組み、長く続く固定の支払いの4つです。

そして、どのみち、この会社はナスダックに上場すればNasdaq100に入ります。利益が出ればS&P500にも入ります。オルカンには、もっと早く入る可能性があります。この記事では、その理由を数字で順に書きます。売買を勧める記事ではありません。あなたに「見送れ」とも言いません。私がどう考えて決めたかの記録です。

用語 IPO(新規公開株)=会社が初めて株を一般に売り出すこと。公開価格=IPOで抽選に当たった人が買う値段。目論見書(S-1)=上場する会社が売上・赤字・リスクを全部書いて、アメリカの証券取引委員会(SEC)に出す説明書です。

先に結論:見送る3つの理由

  1. 日本のIPO評価サイトの方法で採点すると、C(10点満点で平均5.3)。注目度と成長は満点に近いのに、割安さ・需給・ガバナンスが低い
  2. 一番近い前例のSpaceXは、上場1か月で公開価格を割った。8月には−20%まで下がり、4か月半たったいま+8.8%。上場初日に買った人は、いまも−8.7%
  3. どのみち指数に入る。Nasdaq100にはすぐ入り、オルカンにも早く入る可能性がある。入ったときに、時価総額の分だけ持てばいい

いま決まっていること、決まっていないこと

2026年10月26日、Anthropic(アンソロピック)が目論見書を公開しました。AI「Claude(クロード)」を作っている会社です。ナスダックに「ANT」という銘柄コードで上場を申請しています。

まだ決まっていないのは、公開価格、売り出す株数、上場日の3つです。目論見書のその欄は空いたままです。報道では、投資家への説明(ロードショー)を11月9日の週に始め、11月26日(アメリカの感謝祭)より前の取引開始を目指しているとされています(Bloomberg、10月1日)。

項目目論見書の原文報道(未確定)
売上2024年 3.86億ドル
2025年 45.9億ドル
2026年1〜6月 162.9億ドル(前年同期 11.6億ドル)
7〜9月 168億ドル(投資家への説明。目論見書には載っていない)
本業のもうけ(営業損益)4〜6月に初めて黒字 9.74億ドル―
会社の値段(評価額)記載なし1.5兆〜2兆ドル(5月の資金調達時は9,650億ドル)
調達額記載なし最大1,000億ドル
日本での販売日本を含む6つの国・地域で公募みずほ・三菱UFJ系の証券会社が引き受けに参加。SBI証券が扱うかは未発表
配当予定なし―

一つ、目論見書を読んでいて目が止まった数字があります。2026年1〜6月の純損失は807億ドルです。ただ、このうち724億ドルは、会社の値段が上がったことで、転換社債(あとで株に替わる借金)の時価が膨らんだ分です。お金が出ていったわけではありません。会社が独自に出している「調整後の純利益」は、同じ期間で+26.7億ドルです。

だから「807億ドルの赤字の会社」とは書きません。かといって、調整後の数字だけを見るのも違うと思っています。調整で外された中には、あとで書く株式報酬も入っているからです。

8月の私は、何と書いていたか

8月26日に「『2兆ドルは安すぎる』と言われる会社に、最初の日に賭けるべきか」という記事を書きました。結論は、上場した日に株を買うのは、会社の成績ではなく、証券会社の値付けの作戦と、売れない期間が終わるまでの需要と供給に賭けることだ、というものでした。目論見書と最初の決算を見てからでも遅くない、とも書いています。

正直に書くと、それでも私は、SBI証券で扱われればIPOに申し込むつもりでいました。上場日に市場で買うのはやめる。でも抽選には参加する。そのくらいの気持ちでした。

今回、目論見書が出たので、8月に「ここを見る」と書いた場所を実際に読みました。読んだうえで、申し込みもやめることにしました。考えが変わった順番に書いていきます。

理由1:日本のIPO評価サイトの方法で採点すると、C

日本には、新しく上場する会社を、いくつかの物差しで点数にして評価するサイトがあります。その方法を借りて、AnthropicとSpaceXを同じ表に並べました。SpaceXは「上場前に採点していたら」という想定です。

日本のIPO評価サイトの方法で採点(10点満点) 物差し Anthropic SpaceX(上場前) 注目度 10 10 割安性 3 2 規模・需給 3 3 業種・成長 9 9 財務・借入 4 ― ガバナンス 3 3 平均 5.3 → C 5.4 → C この方法は「初値が上がりやすいか」を見るもの。会社の長期の価値を測るものではありません SpaceXの財務は採点なし(5項目の平均)。区切りは私の設定:8点以上A/6〜7点台B/4〜5点台C
図1 AnthropicとSpaceXを同じ物差しで採点(点数は筆者)

先に断っておくと、この方法は「初値が上がりやすいか」を見るものです。会社が10年後にどうなっているかを測るものではありません。それでも、IPOに申し込むかどうかを決めるには、ちょうどいい物差しだと思いました。申し込む人が知りたいのは、まさにそこだからです。

  • 注目度 10・業種と成長 9:ここに異論はないと思います。売上は2025年1〜3月の3.76億ドルから、2026年4〜6月の115.6億ドルへ。目論見書には「前年同期比1,368%」と書いてあります
  • 割安性 3:報道の評価額1.5兆〜2兆ドルを、報道の7〜9月の売上168億ドルを4倍した年間の売上で割ると、22〜30倍です。売上だけで、20年分以上の値段がついていることになります
  • 規模・需給 3:調達額が最大1,000億ドルと報道されている、史上最大級の売り出しです。しかも上場直後から、売れない期間(ロックアップ)が段階的に解けていきます(理由3で書きます)
  • 財務・借入 4:現金は厚い。ただ、長期の固定の支払いが年間の売上の10倍を超えます(理由4)
  • ガバナンス 3:一般の投資家が買う株では、会社の方針をほとんど動かせません(理由4)

比べると分かりやすいのが、日本の小型IPOです。たとえば9月18日に上場したakippa(駐車場のシェアサービス)は、公開価格570円に対して初値1,244円、+118%でした。公開価格での時価総額は約36億円です。AnthropicとSpaceXは、注目度と業種だけはこうした人気の小型IPOと同じです。でも、割安さと規模は正反対です。注目度が高いことと、初値が上がりやすいことは、別の話です。

理由2:SpaceXの4か月半が、答え合わせになった

一番近い前例は、2026年6月12日にナスダックに上場したSpaceXです。公開価格は135ドル、評価額は1.77兆ドル。調達額は750億ドル超で、当時は史上最大のIPOでした。

私は6月23日の記事「SpaceX上場1週間の現実」で、「それでも私は動かない」と書きました。あれから4か月がたったので、答え合わせをします。

SpaceX(SPCX)の終値:上場から4か月半 100ドル 120ドル 140ドル 160ドル 180ドル 200ドル 220ドル 公開価格135ドル 初日 161ドル(+19%) 1週間で 211ドル(+56%) 1か月で公開価格割れ 8/5 108ドル(−20%) 10/26 147ドル(+9%) 6月 7月 8月 9月 10月 出典:Yahoo Finance の日次終値(2026年6月12日〜10月26日)
図2 SpaceXの4か月半。熱狂、公開価格割れ、回復の順に動いた
  • 上場初日の終値は161ドル(公開価格比+19%)
  • 上場3日目に211ドル(+56%)。ここが終値での高値です
  • そこから下がり続け、上場から約1か月の7月16日に公開価格を割りました
  • 8月5日に108ドル(−20%)。最初のロックアップ解除が近づいたころです
  • その後は、7〜9月の売上が146億ドル(前年同期比+161%)と伸びたこともあって回復し、10月26日の終値は147ドル(+8.8%)

この4か月半で、私がいちばん大事だと思ったのは、次の図です。

SpaceXをどこで買ったか → 10/26終値146.90ドルでの損益 公開価格(IPOで当選) 135.00ドルで購入 +8.8% 上場初日の終値 160.95ドルで購入 −8.7% 1週間後の高値(終値) 211.39ドルで購入 −30.5% 8月の最安値(終値) 108.27ドルで購入 +35.7% 同じ会社でも、買った日で結果は逆になる
図3 同じSpaceXでも、買った日で損益は逆になる(10月26日終値で計算)

公開価格で当たった人はプラスです。でも、上場初日に市場で買った人は、4か月半たっても−8.7%。熱狂のさなか、上場3日目に買った人は−30.5%です。逆に、8月の一番暗いときに買った人は+35.7%。同じ会社、同じ4か月なのに、いつ買ったかだけで結果がひっくり返っています。

6月の私は動きませんでした。短い期間で見れば、儲けそこないです。でも、4か月後の数字で見れば、上場の熱の中で飛び込む必要はなかった。これが答え合わせの結論です。

理由3:上場直後から、売りが出続ける仕組み

Anthropicの目論見書で、私がいちばん長く読んだのはロックアップの章です。ロックアップとは、上場前から株を持っていた人が、一定の期間は売らないと約束することです。その期間が終わると、売りたい人が売れるようになります。

Anthropicの株が売れるようになる時期(目論見書の段階解除) 初日 役員・一部社員が最大10% 27・48・62・76日目 一部の株主が4回で計26% 2026年通期決算の後 役員などに追加35%ほか 180日目ごろ 一般の株主は全部 365日目ごろ 創業者・大株主も全部 SpaceXが公開価格を割ったのは上場から約1か月(=この範囲) 日付は「上場日から」の目安。2026年通期決算・2027年の各四半期決算の日に連動して前後します
図4 Anthropicのロックアップは、初日から段階的に解ける(目論見書の「Shares Eligible for Future Sale」「Underwriting」の章から作成)

目論見書によると、創業者以外の役員や一部の社員は、取引初日から、持ち株の最大10%を売れます。一部の株主は、27日目と48日目にそれぞれ最大6%、62日目と76日目にそれぞれ最大7%ずつ売れるようになります。2026年の通期決算の発表後に、役員などはさらに最大35%。一般の株主は、2027年1〜3月期の決算発表か180日目の早いほうで全部、創業者と大株主は2027年7〜9月期の決算発表か365日目の早いほうで全部、売れるようになります。

SpaceXの最初の大きな解除は、上場から約2か月の8月でした。それでも上場1か月で公開価格を割っています。Anthropicは、それより早く、細かく、売りが出る設計です。

もう一つは、1株あたりの価値が薄まる仕組みです。目論見書には、次のようなものが並んでいます。

  • まだ使っていない転換社債の枠が770億ドル(Broadcom 420億ドル、Google 200億ドル、Amazon 150億ドル)。使えば、あとで株が増えます
  • まだ費用にしていない株式報酬が、RSU(社員に渡す株)だけで約266億ドル。上場をきっかけに、多くが一気に費用になり、株も増えます
  • 公益のためのファンドへの株の拠出。すでに全体の5%分を渡していて、さらに株価が前の節目から50%上がるたびに、最大2%ずつ追加で渡せる決まりがあります

どれも、会社の理念や成長のためには筋の通った仕組みです。ただ、上場した日に買う人から見ると、株の数が後から増えていくということです。

理由4:今は健全、でも成長が止まると重い

財務について、私は「悪い」とは書きません。今は健全です。

財務:今は健全、成長が止まると重い(単位:億ドル) 現金と短期投資 6月末 1,317 本業の現金の出入り 1〜6月 +39 長期の計算資源の契約 2030年代まで(私の集計) 6,370 契約は目論見書に名前の出ている7件の合計(金額未定の追加契約は含まない)
図5 現金は厚く、本業の現金もプラス。ただし長期の契約はそれよりずっと大きい
  • 6月末の現金と短期投資は1,317億ドル
  • 2026年1〜6月の本業の現金の出入り(営業キャッシュフロー)は+39億ドル。前年同期は−15億ドルでした

気になるのは、計算資源(AIを動かすためのコンピュータ)の長期契約です。目論見書には、Microsoft、Google、Amazon、SpaceXの子会社(SpaceXAI)、Nscale、Lambdaとの利用契約と、Broadcomからの機材のリースが並んでいます。期間は2030年代まで。名前の出ている7件の金額を私が足すと、約6,370億ドルになりました。これとは別に、金額が決まっていない追加の契約もあります。

4〜6月の売上を4倍すると、年間で約460億ドル。契約の合計は、その約14倍です。しかも多くは「実際に使ったかどうかに関係なく払う」と書かれています。売上が伸び続けているうちは問題になりません。でも、伸びが鈍ったときに、この支払いは減りません。成長が止まったときの逃げ道が少ない、というのが私の読み方です。

ちなみに、8月の記事で「大家さんがライバル」と書いたxAIは、いまはSpaceXの子会社(SpaceXAI)です。最大1,205億ドルの契約で、最初の期間(2027年1月・3月まで)が過ぎると、どちらからでも90日前の通知で解約できると書いてあります。

最後にガバナンスです。一般の投資家が買うのはクラスAという株で、1株1票です。

株の種類と、誰が会社を決めるか クラスA 一般の投資家が買う株 1株1票 クラスF 創業者7人の会社が1株だけ 株主の議決の50.1% クラスT 長期利益信託(LTBT) 取締役の過半数を選ぶ クラスN 提携先(Amazon・Googleなど) 議決権なし クラスE 社員(創業者以外) 一部の議題だけ クラスAを何株買っても、取締役の過半数と株主の議決の半分は動かせない仕組み(公益法人=PBC)
図6 株の種類と議決権(目論見書の表紙と「Description of Capital Stock」から作成)

創業者7人がつくる会社が持つクラスFは、1株だけで、株主の議決の50.1%を持ちます。株が増えても、この割合は50.1%に保たれます。取締役の過半数は、長期利益信託(LTBT)がクラスTの株で選びます。Anthropicは、株主のもうけと社会への責任を両立させることを定款に書いた「公益法人(PBC)」です。

これは、AIを安全に作るという会社の考えに沿った形です。悪いことだとは思いません。ただ、クラスAを何株買っても、会社の方針はほとんど動かせない。そのことを分かったうえで買う株です。

SpaceXの4か月から見た、Anthropicの筋書き

ここまでを、SpaceXの実際の動きに重ねてみます。予想ではありません。前例をなぞった筋書きです。

時期SpaceXの実際Anthropicの筋書き
上場初日+19%上がる可能性。ただし初日から最大10%の売りが出せる
1〜2週間熱狂で+56%熱狂の可能性。指数に組み入れるための買いも入る
1〜3か月公開価格割れ、最大−20%公開価格割れの可能性が高い(27〜76日目に段階的な解除)
3か月以降売上の伸びで+8.8%まで回復決算しだい

この筋書きの通りになるかは、誰にも分かりません。SpaceXとAnthropicは、事業も株主もまったく違う会社です。ただ、上場の熱、指数の買い、ロックアップの売りという3つの力が順番に来ることは、目論見書と指数の規則で、すでに決まっています。

理由5:どのみち、指数に入る

私がIPOを見送っても困らない一番の理由は、ここです。

上場した会社が、指数に入るまで 上場 11月の見込み(未定) オルカン(MSCI) 大型上場は早期組み入れ(SpaceXは上場10営業日後の6月末) Nasdaq100 大型上場は15営業日で(SpaceXは7/7) S&P500 上場12か月+利益の条件(SpaceXは未) どの指数でも、入ったときの割合は小さい(SpaceXのNasdaq100での最初の比率は約1%)
図7 上場した会社が指数に入るまで(SpaceXの実例)
  • オルカン(MSCI ACWI):MSCIには、大きな新規上場を早めに組み入れる規則があります。SpaceXは上場10営業日後の6月末に入りました
  • Nasdaq100:2026年に規則が変わり、大きな新規上場は15営業日で入れるようになりました。SpaceXは7月7日に入っています。Anthropicも同じ規則が当てはまれば、上場から1か月もかからずに入ります
  • S&P500:上場から12か月と、直近の利益の条件が必要です。SpaceXはまだ入っていません。Anthropicは1〜6月の会計上の純損失が大きいので、もっと先になる可能性が高いと思います

入ったときの割合は、ごく小さいものです。SpaceXのNasdaq100での最初の比率は約1%でした。でも、それでいいと思っています。1社に賭けずに、時価総額の分だけ持てるからです。

正直に書いておくと、指数も高いところで組み入れることがあります。SpaceXがNasdaq100に入った7月7日は149ドル、そこから8月に108ドルまで下がりました。指数で持つ良さは「安く買える」ことではありません。値段を当てなくていいこと、1社に偏らないことです。

指数ごとの条件は、SpaceXのときに「SpaceXはオルカン・新NISAで買える?」で詳しく整理しています。

IPOの初日は「当てる土俵」そのもの

このブログの軸は、相場の方向を当てる土俵には乗らないことです。投資歴19年の失敗を振り返ると、大きく負けたのはどれも「当てにいった」ときでした。昨日の記事「投資歴19年の振り返り」にも書いたとおり、私はIPOに10年以上申し込んで、一度も当たっていません。

IPOの初日は、その土俵そのものです。抽選を当て、初値を当て、売り時を当てる。SpaceXの図3を見ると、同じ会社でも当て方しだいで+35.7%にも−30.5%にもなります。

「買うつもりだった」ことは、隠さずに書いておきます。毎日Claudeを使っていて、性能は自分の手で確かめています。好きな会社です。だからこそ、8月の記事の最後に書いた「興奮は、見送り」を、今回は抽選にも当てはめることにしました。

ただ、IPOに参加しないことと、この会社を一生持たないことは、別の話です。上場したあとに決算が出て、ロックアップが解けて、それでも数字が伸びていたら、そのときにあらためて考えればいいと思っています。

参加を考えている人への、3つの確認

参加するかどうかは、あなたが決めることです。私は止めません。ただ、申し込む前に、この3つだけは確かめておくことをおすすめします。

  1. 自分の証券会社で、抽選に参加できるか。上場後に買えるか。目論見書には日本での公募があると書かれていますが、10月27日時点で、どの証券会社が個人向けに扱うかは発表されていません。SpaceXのときは、SBI証券・楽天証券・みずほ証券などが需要申告を受け付けました
  2. 公開価格を2割下回っても、持ち続けられるか。SpaceXは上場1か月で公開価格を割り、最大で−20%まで下がりました
  3. 自分の持っている指数に、いつ、どれくらいの割合で入るかを知っているか。オルカンやNasdaq100の投資信託を持っているなら、何もしなくても、入った時点で少しだけ持つことになります。IPOで買うと、その分だけ同じ会社を二重に持つことになります

私がすること

  • IPOには参加しない。SBI証券で扱われても、申し込みません
  • 持っているインデックス(VOOなど)は、そのまま持つ。積立は、10月9日の記事に書いたとおり、今はしていません
  • 公開価格が決まったら、採点を計算し直す。11月9日の週の見込みです。割安性の点数は、公開価格しだいで変わります
  • 上場の3か月後に、答え合わせの記事を書く。SpaceXの4か月と並べて、今日の判断が筋の通ったものだったかを確かめます

どのみち、ナスダックに上場すればNasdaq100に入り、利益が出ればS&P500にも入ります。オルカンにも入ります。入ったときに、時価総額の分だけ持てばいい。上場の日に、自分で飛び込む必要はない。これが、目論見書とSpaceXの4か月を並べて、私が出した結論です。

指数で持つなら、口座は1つでいい

私の主軸はSBI証券ですが、松井証券もサブで使っています。ネット証券なので、新NISAでオール・カントリーやS&P500の投資信託を、手数料をかけずに買えます。新しく上場した会社も、指数に入れば自動で少しずつ持つことになります。

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動画でも解説しています

この記事の内容を、動画にまとめました。通勤や家事の「ながら聴き」にどうぞ。

動画版:AnthropicのIPOを分析して、投資に値するか確かめてみた

まとめ

  • 2026年10月26日、Anthropicが目論見書を公開。ナスダックに「ANT」で上場申請。公開価格・株数・上場日は未定
  • 売上は2026年1〜6月で162.9億ドル(前年同期11.6億ドル)。4〜6月に初めて営業黒字。成長は本物
  • 日本のIPO評価サイトの方法で採点すると、Anthropicは5.3でC、SpaceXも5.4でC。割安さ・需給・ガバナンスが低い
  • SpaceXは上場1か月で公開価格割れ、8月に−20%、10月26日に+8.8%。上場初日に買った人は、いまも−8.7%
  • Anthropicは初日から段階的にロックアップが解け、転換社債の枠や株式報酬で株が増える仕組みもある
  • 財務は今は健全。ただ、2030年代まで続く計算資源の契約が約6,370億ドルあり、成長が止まると重い
  • どのみち指数に入る。入ったときに、時価総額の分だけ持てばいい。私はIPOを見送り、公開価格が決まったら採点を計算し直す

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※Anthropicの数字は、2026年10月26日にSECへ提出された目論見書(Form S-1、Anthropic, PBC)の原文によります。7〜9月の売上・評価額・調達額・日程は報道(Bloomberg・ANNほか)によるもので、確定していません。計算資源の契約の合計約6,370億ドルは、目論見書に金額の出ている7件(Microsoft・Google・Amazon・SpaceXAI・Nscale・Lambdaとの契約、Broadcomとのリース)を筆者が足した値で、「最大」と「最低」の金額が混ざっています。割安性の倍率は、報道の評価額と報道の7〜9月の売上を4倍した値から筆者が計算しました。SpaceXの株価はYahoo Financeの日次終値、7〜9月の売上は同社の開示によります。採点は日本のIPO評価サイトの方法を参考に筆者が付けたもので、A〜Cの区切りも筆者の設定です。※この記事の調べものと構成には、Anthropic社のAI(Claude)を使っています。※本記事は特定の銘柄の売買やIPOへの参加・不参加を勧めるものではありません。投資の判断はご自身の責任でお願いします。本記事にはアクセストレードのリンクが含まれています。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。