外貨預金が、過去最大の勢いで増えています。
日本経済新聞が日銀の統計をもとに伝えたところでは、国内の銀行に預けられた外貨預金の残高は2026年4〜6月期で約26兆1,000億円。前年同期から18%増で、増加額は約4兆円と過去最大でした。円の先安観から、家計も企業も資産を外貨に分散させています。
そして、その外貨買いがまた新しい円安の圧力になるという循環が起きています。
この話を、私は3か月前に別の形で書いていました。「あなたのオルカン積立が、円安の燃料になっている」という記事です。今回は、その燃料に外貨預金が加わったというだけの話です。
さて。「外貨預金は必要ですか」と聞かれたら、私は「要りません」と答えます。
その私が、アメリカの銀行の当座口座に、9,000ドルを置いたままにしています。
当座口座なので、利息はつきません。1ドル156.855円で計算すると約141万円です。その141万円は、何年か前から1円も増えていません。
自分でも「あまり意味がない」と思っています。解約したい、とも思っています。
それでもやっていません。面倒だからです。
この記事は、その「面倒」の正体を分解した記録です。分解してみたら、手数料でも、税率でもありませんでした。
結論:器は、入るときの易しさではなく、出るときの難しさで選ぶ
先に結論を書きます。
「外貨預金は必要か」という問いの中には、2つの問いが入っています。
| 問い | 私の答え |
|---|---|
| ① ドルという中身は要るか | 🔴 オルカンやS&P500を積み立てているなら、もう持っています(第6章) |
| ② 銀行という器に置くか | 置かないほうがいい、と考えています。理由は金利でも手数料でもなく、出口です |
この記事で数えるのは4つです。①4つの器はどう違うのか ②メガバンクの「年7.0%」は実際いくらになるのか ③そして私はなぜ、9,000ドルを動かせずにいるのか ④そもそも、あなたはもうドルを持っていないかです。
最後のひとつが、いちばん書きたいことです。
1|同じ1万ドルを、4つの器に置いてみる
まず言葉を決めておきます。
- 外貨預金:円を外貨に替えて銀行に預ける商品。預金保険の対象外です(円預金は1,000万円まで保護されますが、外貨預金はゼロ)
- 外貨建てMMF:証券口座で買う、ドル建ての短期証券などで運用する投資信託。預金ではありません。原則いつでも解約できます
- 為替手数料:円とドルを交換するときのレート差。「片道◯銭」で表します。往復すると2倍です
同じ1万ドルを4つの器に置いた場合を並べます。
| 器 | 為替手数料(片道) | 利回り(税引前) | 預金保険 | 為替差益の税 |
|---|---|---|---|---|
| メガバンクの外貨預金 (三菱UFJ銀行) |
ネット25銭 窓口1円 |
定期1年 年0.01% ※優遇プランは第2章 |
対象外 | 雑所得 (総合課税) |
| メガバンクの外貨定期 (三井住友銀行) |
1円 (往復2円) |
1年 3.000% 6か月 3.000%/3か月 2.700% |
対象外 | 雑所得 (総合課税) |
| 証券口座の外貨建てMMF | 円から買うと25銭 ドルで買えば0 |
3.144% (直近7日間平均) |
対象外 (分別管理) |
申告分離 20.315% |
| アメリカの銀行の当座口座 (私のケース) |
送金の実費 | 0% (当座なので利息なし) |
日本の制度は対象外 FDICで25万ドルまで |
雑所得 (総合課税) |
ここで、いちばん誤解されやすいところを書いておきます。
「銀行だから安心」は、外貨には効きません。円預金を1,000万円まで守ってくれる預金保険は、外貨預金には適用されません。これは私の意見ではなく、銀行自身が書いていることです。三菱UFJ銀行のページには「外貨預金は預金保険制度の対象ではありません。」、三井住友銀行のページには「外貨預金は、預金保険の対象外です。」と明記されています。
つまり外貨預金は、安心感のある器に、安心感の効かない中身を入れている状態です。
もうひとつ。MMFのほうも無料ではありません。たとえばニッコウ・マネー・マーケット・ファンド(米ドルMMF)には、純資産総額に対して年率0.91%(上限)の管理報酬等がかかります。上の3.144%という数字は、この費用を引いたあとに公表されている利回りですが、「証券だからタダ」ではないことは書いておきます。
2|メガバンクの「年7.0%」を、1万ドルで検算しました
いま(2026年9月)、三菱UFJ銀行のページにはこう出ています。
外貨定期優遇プラン実施中!米ドル1ヵ月物が年7.0%(税引後 年5.577%)
年7.0%です。表2に書いた「定期1年 年0.01%」とは、桁が3つ違います。
同じページの、少し下にこう書いてあります。
初回限りの適用利率となります。自動継続の場合、満期日以後は同期間で自動継続し、ご継続時点の店頭表示利率を適用します。
2026年6月10日現在、外貨定期預金「ホット定期」(1年物)に10万円相当額お預け入れの場合の店頭表示利率は次の通りです。米ドル年0.01%(税引後 年0.007%)。
1ヵ月だけの、初回限りの利率です。放っておくと、2か月目からは年0.01%になります。
では、その1ヵ月でいくらになるのか。1万ドルで計算します。
| 1万ドル・1ヵ月 | 税引後の利息 | 往復の為替手数料 | 差引 |
|---|---|---|---|
| インターネットバンキング (片道25銭) |
+7,290円 | −5,000円 | +2,290円 |
| 窓口 (片道1円) |
+7,290円 | −20,000円 | −12,710円 |
ネットバンキングでも、元本157万円に対して0.146%です。そして為替が23銭円高に振れれば、この2,290円は消えます。1日で50銭動くことは珍しくありません。
窓口だとマイナス12,710円です。年7.0%でも、です。
比較のために、同じ1万ドルを1ヵ月だけ利回り3.144%の外貨建てMMFに置いた場合を出します。すでにドルを持っていて、ドルのまま買う(為替手数料がかからない)前提です。
+3,275円。
「年7.0%」より、「年3.144%」のほうが手取りが多くなります。差は利回りではなく、為替手数料でした。
念のため書いておくと、これは三菱UFJ銀行を責める話ではありません。同行は、初回限りであることも、継続後の利率が年0.01%であることも、為替手数料が片道いくらかも、すべて自社サイトに書いています。読めば分かるように置いてあります。読まずに「年7.0%」だけを見た人が損をする、という構造の話です。
6月に仕組み預金について書いた記事と、まったく同じ形です。高い利回りには必ず理由があります。
ドルをドルのまま置くなら、器は証券口座です
外貨建てMMFは証券口座の商品なので、銀行では買えません。すでに米国株や米国ETFを持っていて配当がドルで入る方は、そのドルで直接買えば為替手数料はかかりません。私の主軸はSBI証券ですが、証券会社は用途で使い分けるのが合理的だと思っています(私の保有=万人への推奨ではありません)。米国株まで幅を持たせたいならマネックス証券、少額から相談しながら始めたいなら松井証券が候補になります。⚠️ 為替手数料は商品ごとに料金表が別です。米国株が0銭でも外貨建てMMFは25銭、ということが実際にあるので、口座を作る前に「外貨建てMMFの為替手数料」を必ず確認してください。
3|では、なぜ私は9,000ドルを動かさないのか
ここまでの話は、私も全部分かっています。分かったうえで、動かしていません。
私の9,000ドルは、日本の外貨預金ではありません。アメリカの銀行の当座口座です。日本にいながら、三菱UFJ銀行の取次サービスで開設できるものです。
先に、事実を1つ書いておきます。この口座は、守られています。
アメリカの預金保険であるFDICは、1人・1銀行あたり少なくとも25万ドルを保護します。当座預金も対象です。そして国籍も居住地も問いません(FDICは「預金者がアメリカ国民や居住者である必要はない」と明記しています)。9,000ドルは25万ドルの内側です。
つまり私の場合、「預金保険が効かないから動かしたい」ではありません。むしろ守られています。
動かしたい理由は、単純です。利息が1円もつかないからです。
| 9,000ドル(約141万円)を1年置いた場合 | 税引前 | 税引後 |
|---|---|---|
| いまの場所(当座口座) | 0円 | 0円 |
| 外貨建てMMF(3.144%) | 283.0ドル=44,384円 | 225.5ドル=35,367円 |
年3万5千円です。それを「面倒」という理由で、毎年見送っています。
その「面倒」を、3つに割ってみました。
面倒① 取得時のレートを知らない
口座を解約して日本に戻すなら、為替差益を計算しなければいけません。計算式はこうです。
為替差益 =(いまのレート − 取得時のレート)× 9,000ドル
ここで止まります。私は取得時のレートを知りません。調べていません。
これは、7月に書いた「幽霊レート」の記事とまったく同じ場所です。あのとき私は、配当500ドルを円に戻して、銀行が表示した利益25,689円が実際には約1,000円だったことに気づきました。表示は取得時レートを正しく持っていなかったからです。
懲りたはずの場所に、まだ立っています。
ちなみに、この金額には1本の線があります。給与所得者は、給与以外の所得が20万円以下なら確定申告が不要です(ただし住民税の申告は別です)。9,000ドルの場合、取得時のレートが134.63円より円安なら、差益は20万円以下に収まります。それより円高で買っていたなら、超えます。
その線のどちら側にいるのかも、私はまだ知りません。
面倒② 「円に戻さなければ大丈夫」ではなかった
私はずっと、こう思っていました。「円に替えるから課税されるのであって、ドルのまま証券口座に移せば課税されない」と。
違いました。国税庁の質疑応答事例に、そのものずばりの例があります。
預け入れていた外貨建預貯金を払い出して外貨建MMFに投資した場合の為替差損益の取扱い
【回答要旨】為替差益を所得として認識する必要があります。
示されている例は、1ドル90円で預けた10万ドルを、1ドル105円のときに外貨建MMFへ移したケースです。為替差益150万円を認識する、と書かれています。円には1円も替えていません。
理由も書いてあります。ドルでMMFを買った瞬間に、「新たな経済的価値を持った資産が外部から流入した」ので、それまで評価差額にすぎなかった為替差損益が実現した、という考え方です。
つまり「円を経由しない」ことで避けられるのは、為替手数料だけです。税金は避けられません。
面倒③ 出口の窓口が、日本にない
3つ目がいちばん大きいところです。
この口座を紹介してくれた三菱UFJ銀行のページには、こう書いてあります。
三菱UFJ銀行は預金口座開設のお取り次ぎのみを行います。
口座開設以降のお取引は、すべてU.S. Bankと直接行っていただきます。
三菱UFJ銀行がお客さまにU.S. Bank商品内容のご説明等を行うことはできません。
日本の預金保険制度の対象ではありません。
入口は日本語で、紙を1枚送れば進みます。出口は、自分で英語の銀行に向き合うことになります。(日本語のコールセンターは用意されています。それでも、入口と出口で手間の重さがまるで違います)
面倒④ 利息ゼロの口座のために、3年ごとに英語の書類を出す
もうひとつあります。
アメリカの銀行に口座を持つ非居住者は、W-8BENという書類を出す必要があります。「私はアメリカの居住者ではありません」と申告する書類です。
ここは正確に書いておきます。私はずっと「アメリカの税務署に出す書類」だと思っていましたが、提出先はIRS(アメリカの税務署)ではなく、取引相手である銀行です。そして有効期限があり、署名した年から3年目の年末で失効します。出していないと、受け取る利息に最大30%の源泉徴収がかかります。
ここで、自分の状況を見直してみます。
私の口座は当座預金なので、利息は1円もつきません。源泉徴収される利息が、そもそも存在しません。
それでも、口座を持ち続ける限り、3年ごとに英語の書類を出し続けることになります。
1円も生まない口座のために、3年に一度、手を動かす。これが4つ目の「面倒」でした。
これが「面倒」の正体でした。手数料でも、税率でもありませんでした。
4|動かせる方向と、動かせない方向があります
さきほどの国税庁の事例には、対になるもう1つがあります。
外貨建預貯金の預入及び払出に係る為替差損益の取扱い
【回答要旨】為替差益を認識する必要はありません。
こちらは、A銀行の外貨定期が満期になり、同じ1万ドルをB銀行に預け直したケースです。別の金融機関であっても、同じ外国通貨で預け入れる限り、為替差益は認識しません。
2つ並べると、線がはっきりします。
読み方はこうです。
- 器から器へ(銀行→銀行)は、横に動かせます。実質的にドルを持ち続けているだけだから、というのが国税庁の説明です
- 器から投資へ(銀行→MMF)は、動かすと一度精算されます。そこで新しい資産に変わるから、という理屈です
これは、外貨預金という器が「投資の手前」で止まっているということでもあります。銀行の中では自由に動けますが、外に出ようとすると、必ず一度ゲートを通ります。
同じ10万円の差益でも、器で税額が変わります
もう1つ、器の差が効くところがあります。税率です。
外貨預金の為替差益は雑所得で、給与などと合算して課税されます(総合課税)。だから税率は人によって変わります。いっぽう外貨建てMMFの売却益は申告分離課税で一律20.315%です。
同じ10万円の差益で比べます。
| 差益10万円にかかる税 | 扱い | 税額 |
|---|---|---|
| 外貨預金 | 雑所得(総合課税) 給与に合算され、税率は人による |
年収600万円の例なら 約30,000円 (所得税20%+住民税10%) |
| 外貨建てMMF | 申告分離課税で一律 上場株式等と損益通算できる |
20,315円 (誰でも同じ) |
同じ10万円で、約1万円の差です。雑所得の税率は人によって15%から55%まで幅があるので、差益が大きい人ほど、収入が多い人ほど、器の差が効いてきます。
そしてもう1点。MMFの損は、上場株式等の利益と通算できます。外貨預金の為替差損には、それがありません。
5|入口は派手に、出口は静かに
ここまで書いてきて、思い出した文章があります。
6月にmoomoo証券の行政処分について書いた記事で、私はこう結論づけていました。
入口は派手に、出口は静かに。証券会社は手数料ではなく、態勢の成熟度と「出口の自由度」で選ぶ。
自分で書いておいて、自分がそれを踏んでいました。
私の口座は、「開設は簡単だが、閉じるのは面倒」です。それは特別な話ではなく、この記事で並べた器すべてに、同じ形で当てはまります。
| 器 | 入口 | 出口 |
|---|---|---|
| 仕組み預金 | 高い金利が大きく出ている | 原則、中途解約できない |
| 外貨預金 | 円から数クリックで入れる | 投資に動かすと為替差益が課税される |
| アメリカの銀行口座 | 日本語で、紙を1枚送れば進む | 以降はすべて現地の銀行と直接 |
| 外貨建てMMF | 円でもドルでも買える | 原則いつでも解約でき、ドルのまま米国株・米国債へ動かせる |
入口の条件は、どの器も親切に書いてあります。金利も、手数料も、キャンペーンも。
出口の条件は、書いてはあるけれど、探さないと出てきません。「初回限り」も、「以降はすべて直接」も、国税庁の質疑応答事例も、全部そうでした。
6|そもそも、あなたはもうドルを持っているかもしれません
ここまで、器の話をしてきました。銀行か、証券か。メガバンクか、ネット銀行か。
最後に、中身の話をします。この記事でいちばん書きたかったことです。
オルカンやS&P500の投資信託を積み立てているなら、あなたはもうドルを持っています。
理由は1行です。これらのファンドは、為替ヘッジをしていないからです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の目論見書には、「原則として、為替ヘッジは行いません」と書かれています。S&P500のファンドも同じです。
為替ヘッジをしないということは、中身が外貨建てのまま、円に換算されて表示されているということです。円が安くなれば、株価が動かなくても基準価額は上がります。
これは理屈ではなく、私が実際に見たものです。
9月13日に書いた記事で、こういう日がありました。日経平均が1,259円下がった日に、私のS&P500の投資信託は8円上がっていました。日本の株が下げても、円が安ければ、円建ての値段は支えられます。
つまり、オルカンやS&P500を積み立てている人が外貨預金を足すのは、同じ方向にもう一度賭けることになります。分散したつもりで、同じものを重ねているかもしれません。
ここが、冒頭の統計につながります。
円が安くなる → 不安になって外貨預金を増やす → その外貨買いがさらに円を安くする。この循環の中で、投資信託をすでに持っている人は、二重に乗っています。
それでも外貨を足す理由があるとしたら
全部を否定はしません。足す理由があるとすれば、「使う予定がある」ときです。
- 子どもの留学費用を、数年後にドルで払う予定がある
- 海外への移住を具体的に考えている
- ドル建ての支払いが定期的にある
これは投資ではなく、支払いの準備です。目的がはっきりしているので、器も決めやすくなります(使う日が近いなら、値動きのないほうがいい)。
逆に、理由が「円が不安だから」だけなら、いったん止まってください。その不安に対して、あなたはもう手を打っている可能性があります。
私の場合と、読者の方への提案
| 項目 | 私(投資歴18年) | 読者の方へ |
|---|---|---|
| 日本の外貨預金 | 使っていません | 条件つきで、あっていいと思います(下の判定を参照) |
| アメリカの銀行の当座口座 | 9,000ドルを置いたまま。利息ゼロ | いま開設するにはビザと渡米予定が要ります。大半の方には選択肢ではありません |
| 配当で入るドル | SBI証券でVOOとQQQから入り、再投資するか、使っています | 米国資産を買うなら、ドルのまま証券口座に置くのがいちばん摩擦が少ないです |
| 取得時のレート | 知りません(これが宿題です) | いま持っている方は、まずこれを探してください |
判定:外貨預金を持っていていいのは、こういう場合です
全部を否定する気はありません。ネット銀行の外貨預金なら、次の3つを全部満たすなら、置いたままでいいと思います。
- 為替手数料が片道6銭以下であること(往復でも1万ドルあたり1,200円)
- 円に戻す予定がないこと
- 為替差益が20万円に届かない範囲であること(住民税の申告は別に要ります)
逆に、米国株や米国ETF、米国債を買う予定があるなら、ドルの置き場所は証券口座のほうが摩擦が少なくなります。買うときに為替手数料がかからず、税も申告分離で一律だからです。
いま持っている人が、最初にやること
ひとつだけです。取得時のレートを探してください。
解約するかどうかを決めるのは、そのあとです。差益がいくらになるか分からないまま「面倒だ」と思っているのと、「差益は◯万円で、税金は◯円だ」と分かったうえで置いておくのは、まったく違います。
そして差益は、円安が進むほど大きくなります。計算するなら早いほうが楽です。
まとめ
- 「外貨預金は必要か」は、①ドルが要るか ②銀行に置くか の2つの問いに分かれます。①は人によりますが、②の答えはほぼ決まっています
- 外貨預金は預金保険の対象外です。三菱UFJ銀行も三井住友銀行も、自社サイトにそう明記しています。「銀行だから安心」は外貨には効きません
- 三菱UFJ銀行の「年7.0%」は1ヵ月・初回限りで、継続後は年0.01%です。1万ドルで検算すると、ネットバンキングでも差引+2,290円(元本の0.146%)、窓口なら−12,710円でした
- 同じ1ヵ月を利回り3.144%の外貨建てMMFにドルのまま置くと+3,275円。「年7.0%」より多くなります。差は利回りではなく為替手数料です
- 🔴 「円に戻さなければ課税されない」は誤りでした。国税庁の質疑応答事例では、外貨預金を払い出して外貨建MMFに投資した時点で、為替差益を認識するとされています
- 一方、銀行から銀行へ同じ通貨で預け替えるだけなら、認識しません。器の中は横に動けて、投資に出るときだけゲートがあります
- さらに、アメリカの銀行の非居住者はW-8BENを3年ごとに出し直す必要があります(提出先は税務署ではなく銀行)。私の口座は利息ゼロなので、1円も生まない口座のために手を動かし続けることになります
- そして私は、利息ゼロの当座口座に9,000ドル(約141万円)を置いたままです。MMFに置けば年3万5千円(税引後)だったものを、毎年見送っています
- 🔴 いちばん大事なこと。オルカンやS&P500を積み立てているなら、あなたはもうドルを持っています。これらは為替ヘッジをしていないからです。外貨預金を足すのは、同じ方向にもう一度賭けることかもしれません
最後に、いちばん書いておきたいことを書きます。
私は「面倒だから」と言い続けてきました。その面倒を分解したら、中身は①取得時レートを知らない ②円を経由しなくても課税される ③出口の窓口が日本にないの3つでした。
どれも、入るときには一度も考えなかったことです。
器を選ぶとき、私たちは入口の条件を見ます。金利、手数料、キャンペーン。どれも親切に書いてあります。けれど本当に効いてくるのは、出るときの条件のほうでした。
そして出口の条件は、出ようとした日に初めて読むことになります。
もうひとつ、書いておきます。
外貨預金が過去最大の勢いで増えているいま、いちばん先に確かめてほしいのは、器ではありません。
自分がもう、何を持っているかです。
オルカンやS&P500を積み立てている人は、毎月ドルを買い続けています。円が不安で外貨預金を始めようとしているなら、その不安に対する手は、もう打ってあります。
私は、それを分かっていながら、利息ゼロの口座に9,000ドルを置いています。器の話をさんざんしておいて、自分は中身の重複を放置していました。
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本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
