電気代35,212円の内訳を分解したら、私に動かせるのは使う量だけでした——変えたかったのは月1万円未満のガスのほうです【2026年9月の検針票】

セーラー服姿の月城ミオが一枚の請求書を両手に持ち、合計だけでなく下まで静かに読んでいる。背後には請求額を部品ごとに分けた光る棒が縦に積み上がり、そのうち1つだけが下向きに光っている インデックス投資
2026年9月分の請求は35,212円、使用量は1,049kWh。4つに割ると、動かせるのは使う量だけでした

私は投資を18年やっています。信託報酬0.03%と0.0814%の差が30年でいくらになるかは、すぐに計算できます。

その私が、4万円近い電気の請求書を、合計しか見ていませんでした。

使った電力量が何kWhなのかも、基本料金がいくらなのかも、燃料費調整がプラスなのかマイナスなのかも知りませんでした。毎月見ていたのは、請求金額の数字ひとつだけです。

そして今、私が「変えたい」と思っているのは、電気ではなくガスのほうです。プロパンガスなので、都市ガスにできないかと考えていました。そのガス代は、月1万円もしません。

4万円近いほうは中身も知らず、1万円未満のほうを変えたがっている。私は、小さいほうを見ていました。

この記事は、はじめて検針票を最後まで読んだ記録です。

先に、読んだときの感想を書いておきます。「思ったよりかは安かったね」でした。身構えていたほどではなかった、という感覚です。

その感覚が、どこから来ていたのか。最後まで読んで分かりました。

結論:35,212円のうち、自分で動かせるのは使う量だけでした

先に結論を書きます。電気の請求額は4つの部品でできていて、そのうち3つは、私がどう頑張っても1円も動きません。

部品 誰が決めるか 私に動かせるか
基本料金 契約アンペアで決まる 契約を変えれば動くが、額は小さい
電力量料金 単価は電力会社、使う量は私 ここだけ動かせます
燃料費調整 燃料の輸入価格と、国の補助 動かせません
再エネ賦課金 国が毎年決める(全国一律) 動かせません
表1:電気料金の4つの部品(東京電力エナジーパートナー・従量電灯Bの場合)。

節電の話をするつもりはありません。こまめに消しましょう、とも書きません。先週コンビニの支出を数えた記事で書いたとおり、意志で減らすものは続かないと思っているからです。

この記事でやるのは、請求額を4つに割ることだけです。割ってみると、自分が何に払っているのかが分かります。

私の検針票(2026年9月分と8月分)

実物の数字を出します。東京電力エナジーパートナー、従量電灯B、契約は60Aです。

  9月分(最新) 8月分
請求金額 35,212円 37,587円
うち消費税等相当額 3,201円 3,417円
ご使用量 1,049kWh 1,097kWh
ご使用期間 8/5〜9/3(30日間) 7/7〜8/4(29日間)
1日あたり 35.0kWh 37.8kWh
表2:2026年9月分・8月分の検針票(料金確定日はそれぞれ2026年9月4日・8月5日)。

期間に注意してください。9月分といっても、使ったのは8月5日から9月3日です。8月分は7月7日から8月4日どちらも1年でいちばん暑い時期で、我が家はこの間ずっとエアコンがフル稼働しています。つまりこれは年間の平均ではなく、ピークの2か月です。

使用量は、平均モデルの4倍でした

東京電力が料金の説明で使っている平均的なモデルは、30A・260kWhです。2026年9月分のモデル料金は7,843円(国の支援を反映した後)です。

私の1,049kWhは、その4.0倍。請求額の35,212円は4.5倍です。

我が家はオール電化ではありません。給湯も調理もガスです。それでも電気だけでこの量になります。理由はエアコンです。

単価を並べます

2026年9月分に適用された単価です。すべて税込です。

項目 単価
基本料金(60A) 1,870円50銭/月
電力量料金 〜120kWh 29円80銭/kWh
      120〜300kWh 36円40銭/kWh
      300kWh超 40円49銭/kWh
燃料費調整(2026年9月分) −10円96銭/kWh(国の補助4円50銭を含む)
再生可能エネルギー発電促進賦課金 +4円18銭/kWh(2026年度・全国一律)
表3:2026年9月分の単価(出典:東京電力エナジーパートナー「電気料金プラン」「燃料費調整制度」。再エネ賦課金は同社2026年3月19日のお知らせ)。

燃料費調整は、いまマイナスです

ここで、私の思い込みが1つ崩れました。

先週の記事で、私は「原油が上がると、電気代には燃料費調整で上乗せされる」と書きました。仕組みとしては、そのとおりです。

ただ、2026年9月分の燃料費調整は、1kWhあたりマイナス10円96銭でした。上乗せどころか、引かれています。

燃料費調整は、燃料の輸入価格があらかじめ決められた基準(1キロリットルあたり86,100円)より安ければマイナスになります。いまはその状態です。そこへ国の補助(9月分は1kWhあたり4円50銭)が上乗せで引かれています。

1kWhあたりの単価を積み上げると(300kWhを超えたぶん) 0円 電力量料金 +40円49銭 再エネ賦課金 +4円18銭 燃料費調整 −10円96銭 (うち国の補助が−4円50銭) 差し引き 33円71銭 300kWhを超えたぶんは、実質1kWhあたり33円71銭で買っていることになります。 上の3つのうち、私が動かせるのは「どれだけ使うか」だけです。
図1:1kWhあたりの単価の内訳(2026年9月分・東京電力エナジーパートナー 従量電灯B・税込)。燃料費調整はマイナスなので、請求額を下げる向きに働いています。

35,212円を、4つに割ります

部品 金額 中身
基本料金 1,870円 60A
電力量料金 40,455円 3,576円+6,552円+30,327円(300kWh超の749kWh分)
燃料費調整 −11,497円 うち国の補助が−4,721円
再エネ賦課金 +4,385円 1,049kWh × 4円18銭
合計 35,212円 検針票の請求金額と一致
表4:2026年9月分の請求額の内訳(筆者が検針票の使用量と公表単価から計算。合計は検針票の請求金額と1円差で一致)。

ここで2つ、自分でも意外だった数字が出ました。

燃料費調整が、11,497円引いてくれていました

1つめです。この月、燃料費調整で11,497円引かれています。

もしこれが無ければ、私の請求は46,709円でした。実際は35,212円です。

冒頭に書いた「思ったよりかは安かったね」の正体が、ここです。私の感覚が身構えていたのは、たぶん4万円台の後半でした。そこから1万円以上引かれた数字を見たので、安く感じた。

ただし、引いたのは私ではありません。燃料の輸入価格が基準より安く、そこに国が補助を出しているからです。

そして、そのうち4,721円は国の補助です。補助は1kWhあたりで計算されるので、たくさん使っている家ほど、受け取る額も大きくなります。我が家は平均の4倍使っているので、補助も4倍受け取っていることになります。

どちらも、私には1円も動かせません。

再エネ賦課金を、4,385円払っていました

2つめです。再生可能エネルギー発電促進賦課金として、この月だけで4,385円払っています。

太陽光などで発電した電気を電力会社が買い取る費用を、電気を使う人全員で分けて負担しているものです。単価は国が毎年決めていて、2026年度は1kWhあたり4円18銭、全国一律です。使う量が多ければ、そのぶん多く払います。

私が変えたいと思っていたガス代は月1万円未満です。選べない項目ひとつに、ガス代の半分近くを払っていました。

2,375円下がりましたが、私の手柄は1,944円ぶんでした

8月分と9月分を並べると、もう1つ分かることがあります。請求は37,587円から35,212円へ、2,375円下がりました。使用量も1,097kWhから1,049kWhへ、48kWh減っています。

では、下がった2,375円はすべて「使うのを減らしたから」でしょうか。割ってみます。

下がった理由 金額 誰の力か
使う量が48kWh減った(電力量料金) −1,944円
使う量が減って賦課金も減った −201円 私(間接的に)
燃料費調整のマイナス幅が広がった −231円 燃料価格と国の補助
合計 −2,375円  
表5:8月分から9月分への差の内訳(筆者計算)。

下がった2,375円のうち、私の側の理由は2,145円でした。残りの231円は、燃料の価格と国の補助が動いたぶんです。

この月はたまたま、両方が同じ向きに動きました。逆を向くこともあります。そのときは、使うのを減らしても請求が上がります。自分が減らした実感と、請求書の数字は一致しません。

私は、小さいほうを見ていました

冒頭に書いたとおり、私が変えたいと思っているのはガスのほうです。プロパンガスなので、都市ガスにできないかと考えていました。

私が「変えたい」と思っていたほうと、実際に大きいほう 電気(中身を知らなかった) 35,212円 ガス(変えたい) 1万円未満 変えたいと思っていたのは、小さいほうでした。 ※ 電気は2026年9月分の実額。ガス代はおおよその金額です
図2:我が家の電気代とガス代(2026年9月時点)。

そのガス代は、月1万円もしません。いっぽう電気は35,212円です。3倍以上大きいほうを、私は中身も知りませんでした。

誤解のないように書いておくと、都市ガスに変えるのが間違いだと言いたいのではありません。プロパンガスと都市ガスでは料金の決まり方が違うので、変えられるなら意味はあります。

私が言いたいのは順番です。1万円未満のほうに気持ちが向いて、3倍以上大きいほうは中身も見ていなかった。それが、この記事を書くまでの私でした。

ちなみに、私は都市ガスへの切り替えについてまだ何も調べていません。料金がいくら下がるのかも、そもそも自分の家に都市ガスの管が来ているのかも知りません。「変えたい」と思っているだけです。だからこの記事では、切り替えを勧めません。保険を解約した話のときも、書いてから実際に手を動かすまでには時間がかかりました。

検針票には、来月の数字も書いてありました

もう1つ、読んでみて気づいたことがあります。

検針票には、当月の燃料費調整だけでなく翌月分の単価も並べて書いてあります。9月分の検針票には、こうありました。

燃料費調整のお知らせ(1kWhあたり)
9月(当月)分 −10円96銭
10月(翌月)分 −9円30銭
翌月分は当月分に比べ +1円66銭

来月いくら上がるかが、先に書いてあったのです。1kWhあたり1円66銭。私の使用量(1,049kWh)なら、同じだけ使えば約1,741円高くなります。

毎月届いていて、毎月ここに書いてありました。私は一度も見ていませんでした。

ついでに書いておくと、検針票を開く前に、私は請求額から使用量を逆算してみました。手元にあった9月分の単価を使って出た答えは約1,200kWh。8月分の実際は1,097kWhで、9%外れました。月が1つ違うだけで、燃料費調整の単価が69銭動くからです。単価は毎月変わります。

この先、3回にわたって動きます

分解して分かったことがもう1つあります。私の請求額を下げている2つが、この先で向きを変えます。

燃料費調整と国の補助は、毎月変わります 8月分 9月分 10月分 11月分 燃料費調整 −10円27銭 −10円96銭 −9円30銭 未発表 うち国の補助 3円50銭 4円50銭 3円50銭 未発表 託送料金 値上げ反映 9月はマイナス幅が広がったので、請求を下げる向きに働きました。 10月はマイナス幅が縮みます。同じだけ使えば、私の量なら約1,741円上がります。 出典:東京電力エナジーパートナー(燃料費調整・国の支援・2026年8月31日のお知らせ)
図3:2026年8月分から11月分にかけての動き(2026年9月18日時点で公表されている情報)。

9月分は、下げる向きに働きました。燃料費調整がマイナス10円27銭からマイナス10円96銭へ、マイナス幅が広がったからです。国の補助も3円50銭から4円50銭に増えました。

10月分で反転します。燃料費調整はマイナス9円30銭に縮み、国の補助も3円50銭に戻ります。同じ量なら、9月分より約1,741円高くなります。

11月分は、まだ何も分かりません。国の補助は2026年9月18日の時点で発表されていません。加えて東京電力エナジーパートナーは、2026年11月1日に託送料金の見直しを電気料金に反映する予定だと8月31日に発表しています。託送料金とは、電線を使って電気を運ぶための費用です。具体的な単価は未発表なので、いくら上がるのかは書けません。

3つとも、私が何をしても変わりません。私に変えられるのは、使う量だけです。

それで、私は何をするのか

順番を入れ替えます。

まず電気から手をつけます。ガスではありません。金額が3倍以上違うので、同じ手間をかけるなら大きいほうからです。

とはいえ、減らし方はまだ決めていません。エアコンを止めるつもりはありません。コンビニの記事で書いたとおり、私は「我慢して減らす」が続かない人間です。続くのは、判断の回数を減らす仕組みのほうです。

いま分かっているのは、300kWhを超えたぶんが1kWhあたり40円49銭で、そこが全体の大半を占めているということだけです。9月分の電力量料金40,455円のうち、30,327円が第3段階でした。4分の3です。減らすならここですが、どう減らすかは次に考えます。

そして、ガスも調べます。ただし電気のあとです。

場面 私(投資歴18年)が実際にやること 読者の方への提案
まず何をするか 検針票を最後まで読む。減らすのはそのあと 今月の検針票を、合計以外も読んでみてください
電気とガス、どちらから 電気が先(3倍以上大きいので) 金額の大きいほうから。気持ちが向くほうからではなく
節電 我慢では減らさない。エアコンも止めない 続く方法だけ選んでください。続かない方法は、やらないのと同じです
積立 触りません。電気代が上がっても、削る順番は変動費が先です 同じく、積立に手をつけるのは最後で大丈夫です
表6:私の実際と、読者の方への提案(2026年9月19日時点)。我が家の使い方は、万人の参考になるものではありません。

請求書が増えても、積立を触らないために

電気代は、これから上がる要素のほうが多い項目です。それでも私が積立の設定を触らないのは、削る順番が先に決まっているからです。まだ口座や積立の設定が無い方は、先に済ませておくと、請求書が増えた月に迷う場面が減ります。私の主軸はSBI証券ですが、証券会社は用途で使い分けるのが合理的です(私の保有=万人への推奨ではありません)。米国株まで幅を持たせたいならマネックス証券、少額から相談しながら始めたいなら松井証券が候補になります。どちらもNISAでインデックス投信を積み立てられます。

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まとめ

  • 2026年9月分の請求は35,212円、使用量は1,049kWhでした。期間は8月5日〜9月3日で、1年でいちばん暑い時期です。年間の平均ではありません。
  • 使用量は東京電力の平均モデル(30A・260kWh)の4.0倍、請求額は4.5倍でした。オール電化ではありませんが、エアコンがフル稼働しています。
  • 請求額を4つに割ると、私に動かせるのは電力量料金の「使う量」だけでした。単価も、燃料費調整も、再エネ賦課金も動きません。
  • いま3万円台で済んでいるのは私の努力ではなく、燃料費調整が11,497円引いているからです。これが無ければ46,709円でした。うち4,721円は国の補助です。
  • いっぽう再エネ賦課金として4,385円払っています。ガス代の半分近くを、選べない項目に払っていました。
  • 前月から2,375円下がりましたが、私の側の理由は2,145円ぶんでした。残りは燃料価格と国の補助が動いたぶんです。
  • 検針票には翌月の単価も書いてありました。10月分は1kWhあたり1円66銭上がるので、同じだけ使えば約1,741円高くなります。
  • そして私が「変えたい」と思っていたガスは、月1万円未満でした。3倍以上大きいほうを、私は中身も知りませんでした。

今月の検針票を、合計以外も読んでみてください。見るのは1か所でかまいません。使用量(kWh)です。それが分かると、自分の請求額が「たくさん使っているから高い」のか「単価が高いから高い」のかが分かります。この2つは、やるべきことが正反対です。

最後に、いちばん書いておきたいことを書きます。

私がこの請求書を見て最初に思ったのは、「思ったよりかは安かったね」でした。けれど中身を開けてみたら、安く見えていた理由は燃料価格と国の補助で、私は1円も関与していませんでした。

合計だけを見ていると、自分の手柄と、他人の都合の区別がつきません。前月より2,375円下がったときも同じです。私の側の理由は2,145円ぶんで、残りは勝手に動いたぶんでした。

私は18年、増やす側の数字を小数点以下まで見てきました。減らす側の数字は、合計しか見ていませんでした。

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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。電気料金の単価・燃料費調整額・再エネ賦課金は、東京電力エナジーパートナーが公表しているものです。本文中の内訳は、検針票に記載の使用量と公表単価から筆者が計算したもので、合計は検針票の請求金額と1円の差で一致しています。実際の料金はご契約のプラン・アンペア・使用量により異なります。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。