投資とダイエットは努力の向きが真逆——13kg痩せた私が、投資では「何もしない」理由【投資歴18年】

体重計と株価チャートを見比べる月城ミオ。投資とダイエットの努力の向きが真逆であることを表したイラスト 投資戦略・制度

2年前、私は体重を65キロから52キロまで、13キロ落としたことがあります。半年から1年かけての話です。

ところが、その13キロは、放っておいたら、きっちり元に戻りました。そしていま、もう一度落とそうとしても、今度はまったく落ちません。年齢のせいだと思っていました。

でも、投資と並べて考えたときに、まるで逆の景色が見えてきました。投資は「頑張らない人」が勝ち、ダイエットは「頑張る人」が勝つ。同じ「努力」でも、効く向きが真逆なのです。

投資歴18年、ブログを書きながら自分のお腹とも向き合っている私が、この2つを並べて分かったことを整理します。

結論:投資は頑張るほど負け、ダイエットは頑張らないと負ける

先に答えを言います。

投資とダイエットは、努力の向きが真逆です。だから、取るべき戦略も正反対になります。

  • 投資:頻繁に売買して「頑張る」ほど成績が下がる。だから自動化して、見ないで放っておくのが正解です。
  • ダイエット:放っておくと確実に太る。だから毎週きちんと測って、手を動かすのが正解です。

インデックス投資(日経平均やS&P500など、市場全体にまとめて分散投資する方法)があります。これは見て見ぬふりをしているだけで、勝手に増えていきます。

一方でダイエットは、無視した瞬間から、きっちり体重が増えていきます。まさに真逆です。

この違いを知らずに、投資に「ダイエットの頑張り」を持ち込むと損をします。逆に、ダイエットに「投資のほったらかし」を持ち込むと太ります。

なぜ努力の向きが真逆なのか

放っておいた先が、正反対だから

いちばんの理由は、「放置」した先にある未来が逆だからです。

株式市場は、長い目で見れば右肩上がりに育つ仕組みを持っています。世界中の企業が利益を出し、その一部が株主に返ってくるからです。だから、触らずに置いておくと増えます。

体は逆です。現代は、安くて手軽な糖や脂肪が身の回りにあふれています。意識して止めないかぎり、カロリーは自然に体へ積み上がります。だから、触らずに置いておくと増えます。

おもしろいのは、どちらも「放置すると増える」という点です。増えて嬉しいのが資産、増えて困るのが体重。ただそれだけの違いが、戦略を正反対にします。

放置した先が、資産と体重で真逆になる 資産(インデックス投資) 放置=増える◎ 頑張って売買=伸びない 体重(ダイエット) 放置=増える× 手を動かす=減る◎
同じ「放置で増える」でも、資産は歓迎、体重は問題。だから正解の行動が逆になります(筆者作成)。

複利は、良い方にも悪い方にも効く

もう1つの理由が複利(利息が利息を生む、雪だるま式の増え方)です。複利は、プラスにもマイナスにも働きます。

習慣形成の世界的ベストセラー『複利で伸びる1つの習慣』の著者ジェームズ・クリアーは、こう説きます。毎日1%だけ良くすると、1年で約37倍。毎日1%だけ悪くすると、1年でほぼゼロになる、と。

毎日1%の差が、1年で「37倍」と「ほぼゼロ」に開く 37倍 1倍 今日 1年後 毎日+1% → 約37.8倍 毎日−1% → ほぼゼロ(0.03)
1.01を365回かけると約37.8倍、0.99を365回かけると約0.03。小さな習慣の向きが、1年後に大差を生みます(『複利で伸びる1つの習慣』より筆者作図)。

これは、投資でもダイエットでも同じです。毎日の小さな行動が、同じ方向に積み上がって大きな差になります。

ただし、ここに落とし穴があります。投資では、この複利を「邪魔しない」ことが最大の技術になります。投資家は、売買のタイミングを計って動くほど成績を落としがちです。じっとしていた場合より年に3%ほどリターンを削る、という話を私は別の記事にまとめました。頑張って介入するほど、複利の足を引っ張るのです。

ダイエットは逆です。介入しないと、複利は悪い方向へ回り続けます。

私の実体験:13キロ痩せた方法と、その代償

65キロ→52キロ。やったことは極端でした

2年前、私が13キロ落としたときにやったことは、正直に言うと極端でした。

項目 2年前(成功時) いま(停滞中)
食事 1〜2食。ほぼブロッコリーとささみ 2食。白米を極力抜く程度
運動 スクワット10〜20回×2セット スクワット10回程度
結果 半年〜1年で13キロ減 ほぼ落ちない
私自身の記録。成功時のやり方は極端で、あとで触れる代償もありました(筆者の実体験)。

結果は出ました。でも、正直に書いておきたいことが2つあります。

1つはリバウンドです。落とした13キロは、放置しているうちに、きっちり元へ戻りました。皮肉ですが、これこそ「体重は見ないと増える」の何よりの証拠です。私は自分の体で、それを実演してしまいました。

もう1つは代償です。あの頃、私はやたらと風邪をひきやすくなりました。締めすぎたのだと思います。マルチビタミンだけは補っていて、これは今も続けています。私には合っている気がしますが、効き目の感じ方には個人差があり、あくまで私個人の感想です(飲んでいるのはこれです)。それでも、食事を削りすぎれば体は弱ります。

これは投資とも重なります。私は以前、貯蓄率を上げすぎて生活が窮屈になった話を記事にしました。攻めすぎ・締めすぎには、必ずどこかにコストが出ます。

「年齢のせい」だと思っていました。でも、犯人は違った

いま同じことをやっても落ちません。私はずっと、「年齢で代謝が落ちたせいだ」と思っていました。甘いものの誘惑にも勝てなくなっています。脳が弱ったのだ、と。

ところが、調べて驚きました。2021年に科学誌『サイエンス』へ載ったデューク大学などの研究があります。世界29カ国・6,600人以上を分析した大規模なものです。そこでは、人の代謝は20歳から60歳までほとんど落ちないと報告されています。本格的に下がり始めるのは60歳以降で、しかも年1%未満です。

つまり、40代の私が痩せにくいのは、年齢そのものが主犯ではない可能性が高いのです。犯人は、もっと具体的でした。

  • スクワットが20回×2セットから、10回に減っていた
  • 白米は抜いたけれど、甘いものが増えていた
  • 歩く量そのものが減っていた

これは、私にとってむしろ朗報でした。犯人が「年齢」なら打つ手はありません。でも犯人が「構造」なら、打つ手だらけだからです。

解決策:意志ではなく「構造」で戦う

ここが、投資とダイエットが最後に手を結ぶところです。どちらも、意志の力に頼るのをやめて、仕組みで解決するのが正解でした。ただし、作る仕組みは正反対です。

投資側:意志を1ミリも使わない「自動積立」

投資で複利を邪魔しない、いちばん確実な方法が自動積立です。毎月決まった日に、決まった額が自動で買われる設定にしておく。あとは見ないことです。

これは「何もしない」を仕組みにする行為です。相場が下がっても、自分の意志が介入しないので、慌てて売る事故が起きません。

私自身の保有と、これから始める読者への提案は、分けて考える必要があります。混同しないよう表にします。

  私の実践(投資歴18年) これから始める人への提案
投資 VOO・QQQ(米ドル建てETF)を長期保有 オルカンやS&P500の投信を、新NISAで自動積立
ダイエット 極端な食事制限(風邪をひきやすくなった=非推奨) 無理なく続く小さな習慣を、構造で回す
私がやっていること=読者に勧めること、ではありません。特にダイエットの私の方法は真似をおすすめしません(筆者作成)。

もし、まだ自動積立を設定していないなら、そこが出発点です。投資における「何もしない」は、口座の設定を一度だけ済ませることで手に入ります。ネット証券なら、新NISAの売買手数料も為替手数料もかからない会社が主流です。

自動積立を始める証券口座(私の主軸はSBIですが、用途で使い分けています)

米国株・個別株まで幅広く触れたいならマネックス証券、サポートの手厚さや少額・相談重視なら松井証券が候補です。どちらも新NISAに対応しています。

マネックス証券の口座開設 松井証券の口座開設

ダイエット側:意志を「節約」する4つの仕掛け

ダイエットは自動化できません。食べる瞬間は、どうしても自分の手が動くからです。それでも、意志の消耗を減らす「構造」は作れます。

先ほどの『複利で伸びる1つの習慣』は、意志ではなく仕組みで習慣を変える本です。4つの法則がわかりやすいので、体重管理に当てはめてみます。

  • はっきりさせる:体重計を、毎朝必ず通る場所に置く。測る回数を増やします。
  • 魅力的にする:着たい服を見えるところに掛けておく。私がダイエットを始めた理由も「服が着られなくなって困った」からでした。
  • 易しくする:甘いものを家に「置かない」。意志で我慢するのではなく、そもそも手が届かない構造にします。
  • 満足できるものにする:毎週の体重を記録し、減った実感を目で見えるようにします。

投資で「毎日株価を見る」のは悪手ですが、ダイエットで「毎週体重を見る」のは正解です。見える化する対象も、真逆なのです。

この記事のベースにした一冊

「複利で伸びる1つの習慣」は、意志が弱い自分を責めるのをやめ、仕組みで行動を変えるための本です。投資の「自動積立」と発想が地続きで、体重管理にもそのまま効きます。

ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣(楽天Kobo)

よくある疑問

投資も、毎日チェックして管理したほうが強いのでは?

逆です。頻繁に売買するほど、複利の邪魔をして成績が下がりやすくなります。市場は放っておくほど育つので、投資では「見ない工夫」こそが技術です。

ダイエットも自動化できませんか?

半分できて、半分できません。環境の設計(甘いものを置かない、体重計を出しておく)は自動化に近づけられます。でも食べる瞬間の選択だけは、自分の手が動きます。ここは投資と決定的に違う部分です。

筋トレはどちらの向きですか?

筋トレは、ダイエットと同じ「頑張ると成果が出る」向きです。私もスクワットが20回から10回に減った分、成果も減りました。介入した量が、そのまま結果に返ってきます。

まとめ:放っておくと増えるのは同じ。増えて嬉しいのは片方だけ

投資とダイエット、両方に手を出して分かったことを、最後に整理します。

  • 投資は頑張るほど負けやすく、ダイエットは頑張らないと負けます。努力の向きが真逆です。
  • 私が痩せにくいのは年齢のせいではなく、運動量や習慣という「構造」が変わったからでした。
  • どちらも答えは同じで、意志ではなく仕組みで戦うことです。投資は自動積立で、ダイエットは環境設計で、意志を使わずに済ませます。

まずは、投資の側だけでも「何もしない」を仕組みにしてみてください。自動積立の設定を一度済ませれば、あとは放っておくほど育ちます。

そして私は、この記事を自分への宣言にします。ダイエットは、宣言すると続きやすいと考えているからです。オシャレな服は、まだあきらめていません。


あわせて読みたい(お金の「構造」の話)

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。また、特定の食事法・運動法の医学的効果を保証するものでもありません。投資判断・健康管理はご自身の責任のもとで行ってください。

【免責事項】
本記事は情報提供を目的としており、投資助言・勧誘を目的とするものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
この記事を書いた人
hiro

投資歴2007年から約18年。VOO・QQQ・金(GLDM)・eMAXIS Slim S&P500・オルカン・個別株を保有。「絶望買い×インデックス投資」で暴落局面こそ買い増すスタイル。長期的なアメリカ経済への信頼を軸に運用しています。AI×投資で資産運用ツールを開発中。完成次第フリーで公開予定。

hiroをフォローする
投資戦略・制度
シェアする