投資歴18年の私が14年間「低解約返戻金型保険」に入っていた告白|学資保険・貯蓄型保険の罠と、唯一の救済措置

黒いセーラー服の月城ミオが保険証券と電卓を手に、横ばいのチャートを背景に静かに警告する、学資保険・低解約返戻金型の罠を解説する記事のアイキャッチ画像。 マーケット・相場分析

※本記事は広告(アフィリエイトリンク)を含みます。税制・返戻率等は2026年5月時点の一般情報で、契約により異なります。最新は各公式・税理士にご確認ください。

偉そうに金融商品の罠を書いている私ですが、白状します。私自身、14年前(2012年)に「低解約返戻金型」の保険に入っていました。死亡保障300万円、月の保険料9,705円。そして来月、その払込が満了します。

投資歴18年と名乗りながら、当時の私は「貯蓄になりますよ」の一言で契約してしまった。本当に恥ずかしい話です。でも同じ轍を踏んでほしくないので、私の実際の契約書類の数字を全部使って、正直に検証します。そして最後に、今すでに入っている人への「救済措置」も書きます。

もしこの保険料を、VOO(S&P500)に積み立てていたら

私が払った保険料は、月9,705円 × 15年 = 累計174.7万円。これに対し、満了で受け取れる解約返戻金は約192万円。14年かけて増えたのは、たった約18万円(実質年利0.6%)です。もし同じ9,705円/月を、つみたて投資に回していたら——

同額(月9,705円×15年=174.7万)を運用15年後
この保険(実績)約192万円
もし年3%約221万円
もし年5%約259万円
もし年7%約309万円
※利回りは前提値。元本保証なし。

控えめな年5%でも保険に+67万円、年7%なら+117万円。しかも現実のS&P500は、2012〜2026年は円安(1ドル約80円→約150円)も重なり、円換算で年率約19%という異次元の伸びでした。実際にVOOへ積み立てていたら、数百万円規模になっていた可能性が高い。これが「インフレと複利を取り逃がす」ことの重さです。

罠①:学資保険——「増えないから非課税」なだけ

学資保険(こどもの教育資金を準備する貯蓄性の保険)は、返戻率がせいぜい103〜105%程度。18年積み立てても、ほとんど増えず、途中で自由に引き出せず、物価が上がっても増えない=インフレに弱い

月1万円×18年(元本216万円)学資保険(返戻率104%)NISAインデックス
18年後約225万円(利益9万)5%で約349万/7%で約431万
※試算。利回りは前提。

罠②:低解約返戻金型——払込中の解約で3割消える【私の実データ】

私が入っていたのがこれです。実際の契約書類「解約返戻金推移」を抜粋します(金額単位:万円)。

経過年数(年齢)払込累計解約返戻金返戻率
6年(43歳)69.949.370.6%
10年(47歳)116.585.973.8%
14年(51歳)163.1124.576.3%
15年(52歳・払込満了)174.7134.677.0%
16年(53歳)174.7194.8111.5%
20年(57歳)174.7205.3117.5%
30年(67歳)174.7232.1132.9%
50年(87歳)174.7274.8157.3%
※筆者の実契約書類より抜粋。

払込期間中はずっと返戻率58〜77%。つまり途中で解約すると、払った額の約3割が消えます(解約控除)。ところが——

あと1段階待つだけで、約58万円違う。私の場合、払込満了の直前(77%)で解約すると134.6万円。でも満了(111.5%)まで待てば約192万円。低解約返戻金型は満了で返戻率が跳ねる設計なので、満了直前の解約だけは絶対にしてはいけません。

税金の真実——非課税だが、それは「増えていないから」

満期金・解約返戻金(契約者=受取人)は一時所得になり、計算式は (受取額 − 払込総額 − 特別控除50万円)× 1/2。私の場合、192万 − 174.7万 = 差益約18万円。50万円控除に収まるので非課税です。

「税金面はお得じゃないか」と思うかもしれません。でも——非課税なのは、課税されるほど増えていないからです。NISAはいくら増えても非課税。同じ「非課税」でも、守る利益の桁が違います。さらに保険には課税の落とし穴も:

  • 契約者≠受取人(親が払い子が受取等)→ 贈与税(基礎控除110万、超で課税)
  • 年金形式で受取(学資年金など)→ 雑所得(50万円控除がなく課税されうる)

(公平に書くと、保険には「生命保険料控除」という小さな税メリットはあります。ただし、リターン差を埋めるには小さすぎる。)

なぜ罠なのか——保険と投資を「混ぜる」から

結論はシンプル。保険と投資を混ぜた商品は、両方とも中途半端になる。保険は掛け捨てで最低限、増やすのはNISAでインデックス。この2つを分離するだけで、コストも自由度もリターンも良くなります。私が14年かけて学んだのは、この一行でした。

【本題】満了後、保険のまま持つ vs 解約してオルカン

ここが、今すでに入っている人にとって一番大事な話です。満了で約192万円を手にしたとして、「保険のまま保有」と「解約してオルカンに乗り換え」、どちらが得か。答えは、残りの運用年数で変わります。

残り運用年数(年齢)保険のまま保有解約→オルカン3%解約→オルカン5%
3年(55歳)200万210万223万
5年(57歳)205万223万246万
10年(62歳)219万259万314万
15年(67歳)232万300万400万
25年(77歳)257万403万652万
※解約返戻金192.5万円を運用した試算。保有は実際の返戻表。オルカンは元本保証なし。
満了後の残り年数:保有 vs 解約してオルカン(年5%) 200万 400万 600万 満了 3年 5年 10年 15年 25年 保有 257万 オルカン 652万 保険のまま保有 解約してオルカン(年5%)
満了時の解約返戻金192.5万円を、残り年数だけ運用した場合の比較(試算)

判断の本質:「いつ使うか」で決まる

  • 期待値だけなら、実は3年でもオルカンがわずかに上(保険の伸びが年1〜2%と遅すぎるため)。
  • でも「使う時期が3〜5年内に固定」なら、保有が正解。理由は確実性。オルカンは3〜5年だと2〜3割下がる年もあり、「その年に必ず要るお金」には向かない(順序リスク)。
  • 「使う時期が自由 or 残り10年以上」なら、解約→オルカンが圧勝(10年で219万 vs 314万、15年で232万 vs 400万)。

今すでに入っている人へ——タイプ別の答え

あなたのタイプ正解
入って間もない(払込中)+まだ15〜20年残る途中解約。30%の解約控除を飲んでも、長い時間がオルカンで取り返す
18年学資で、あと3〜5年で使う保有(確実性優先)
「死ぬまで保険のつもり」=超長期なおさら解約→オルカン(最長horizon=差が最大)
払込満了近辺+残り中途半端上のグラフで自分の残り年数を見て判断

⚠️ 大前提:満了が近いなら、満了まで待ってから動く(直前解約は解約控除で損)。そして「14年も払った」というサンクコストで判断しない。決めるのは、これから先の期待値だけです。

私はどうするか

私は元々18年(学資のつもり)で考えていて、使う時期が近い。だから今は無理に動かさず、満了の返戻金を素直に受け取ります。すぐ使わない分はNISAでオルカンへ。「罠商品でも、出口が目前なら慌てて動かない」——これも規律です。逆に、まだ何年も残っている人・長く運用できる人は、解約してオルカンに乗り換えた方が、ほとんどの場合得をします。救済の手立ては、ちゃんとあります。

まとめ

  • 貯蓄型保険(学資・低解約返戻金型)はほとんど増えず、払込中の解約で3割消え、インフレに弱い
  • 満期金が非課税なのは、非課税になるほどしか増えないから
  • 保険は掛け捨て最低限、増やすのはNISAで。混ぜない
  • 今入っている人は、残り年数で判断。使う時期が近い人以外は、乗り換えで救済できる

保険を見直して浮いたお金や満了金は、寝かせずにNISAで淡々と。私自身も使っているネット証券を置いておきます。

浮いたお金は、NISAへ。私自身はSBIを使っていますが、米国株まで視野に入れるならマネックス証券も有力です(米国株の品揃え、マネックスカード積立のポイント還元)。口座開設・維持は無料。

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保険の「罠」を自分で見抜くための、最新の3冊

ここまでは、私個人の14年の実体験です。「では、自分のケースはどうなのか」を確かめたい人のために、私が信頼している“消費者目線”の保険本を、新しい順に3冊だけ挙げておきます。いずれも保険会社の宣伝ではなく、「いる保険・いらない保険」を冷静に見分けるための本です。

NEWよい保険・悪い保険2026年版 (タウンムック)

① NEWよい保険・悪い保険2026年版 (タウンムック)

横川由理 ほか/徳間書店(2025年11月)

最新の保険商品を「よい/悪い」でランキング。広告を入れない消費者目線なので、今の自分の保険が“持っていてよい側”かを判断する物差しになります。まず1冊ならこれ。

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正直すぎる保険の話 いる保険・いらない保険

② 正直すぎる保険の話 いる保険・いらない保険

藤井泰輔/ぱる出版(2025年8月)

「いる/いらない」をはっきり線引きしてくれる一冊。本記事の“保険と投資は混ぜない”という考え方を、別の専門家の視点からも裏取りしたい人に。

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この保険、解約してもいいですか?

③ この保険、解約してもいいですか?

後田亨/日経BP(2023年10月)

タイトルが、そのまま今回の私の悩みです。「払い続けるか/解約するか」を過剰保障の具体例から判断する、出口戦略に直結する本。

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出典


免責事項:本記事は筆者個人の経験と分析に基づく情報提供であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。記事内容の正確性には注意していますが、市況等の変化により情報が古くなる可能性があります。

【免責事項】
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