Griffin警告の中身と根拠データ
Citadel CEOのKen Griffinは、Semafor World Economy Summit(ワシントンDC、2026年4月14日)でこう述べました。“Let’s assume the strait is shut down for the next six to 12 months — the world’s going to end up in a recession. There’s no way to avoid that.”「海峡が6〜12ヶ月封鎖されれば、世界は景気後退に陥る。回避する方法はない」という断言です。 なぜこれほど強い言葉なのか。背景にあるのはホルムズ海峡の世界経済における重要性です。 下の表は、ホルムズ海峡の物流規模と日本への影響をまとめたものです。
| 指標 | 数値・内容 |
|---|---|
| 海峡を通過する原油量(日量) | 約2,000万バレル(世界の約20%) |
| 海峡を通過するLNG(液化天然ガス)量 | 年間約8,000万トン弱(世界の約20%) |
| 日本の原油輸入に占める中東の割合 | 約94%(うち約9割がホルムズ経由) |
| 現在の海峡通行量(平常時比) | 平常時1日平均93.7隻 → 現在1桁台 |
| 足止め商船数・乗員数 | 約2,190隻・約2万人(うち日本関係船44〜45隻) |
原油価格はすでにどこまで上がったか
封鎖が現実となった後、原油価格は急騰しました。下のグラフは、WTI原油先物の価格推移を示しています。
投資家として「下落を歓迎する」理由
景気後退の可能性が高まると、株式市場は先行して下落します。多くの投資家が恐れるのはここです。 しかし筆者の視点は逆です。「絶望は買い」——景気後退の予兆が出た時こそ、割安な資産を積み上げる絶好の機会です。 なぜそう言えるのか。IMFは2026年の世界経済成長率を3.3%から3.1%に下方修正し、最悪ケースでは2%程度と予測しています(IMF World Economic Outlook)。JP Morganは米国・世界景気後退確率を35%と試算しています。 一方、日本経済研究センターの2026年1月時点での日本の景気後退確率は1.9%(警戒水準67%を大きく下回る)です。野村證券も「減速はあっても後退はなし」という見方を示しています。 つまり、最悪シナリオでも「確実に来る」とは言い切れない段階です。Griffinの警告は「条件付き」——「6〜12ヶ月封鎖が続けば」という前提がついています。 地政学リスクが高まった局面は、歴史的に見て積立投資家にとって仕込みの時期でした。湾岸戦争・イラク戦争・コロナショックいずれの局面でも、数年後に振り返れば「あそこが底だった」という瞬間があります。 恐怖に駆られて売るのではなく、仕組みを使って淡々と買い続けること。それが地政学リスクと向き合う長期投資家の正解ではないでしょうか。まとめ
- Griffinの「回避不可能な景気後退」警告は、ホルムズ海峡の通過量が世界石油の約20%・日本の原油輸入の約85%がここに依存するという事実に基づいています。
- 原油価格はすでに1月末の約60ドルから一時約150ドル前後まで急騰しており、EIAは2026年第2四半期に115ドルのピークを予測しています。
- 景気後退確率は高まっていますが、Griffinの警告は「6〜12ヶ月封鎖継続」という条件付きです。恐怖に流されず、データを見て判断することが大切です。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。
