皆がマスクを買っていた時、私は株を買った|含み損が出ても積立をやめてはいけない理由

投資信託

「含み損が出たら積立をやめてしまおうか……」

そう考えている人は、今がまさに正念場です。

トランプ関税ショックで市場が揺れ、新NISAを始めてから初めて資産の減少を目の当たりにした方も多いでしょう。
でも、結論から言います。暴落時に積立をやめることは、長期投資で損をする最も確実な方法です。

この記事では、実際にコロナショックで株を買い続けた経験をもとに、
「なぜ暴落時こそ積立を続けるべきか」をデータと共に解説します。
読み終えた後には、積立設定に触れたくなる気持ちが消えているはずです。

今回の下落は「序章」に過ぎない──数字で見るトランプ関税ショック

2025年4月、トランプ大統領が発表した相互関税は市場に大きな衝撃を与えました。

米国のトランプ大統領の相互関税発表を受け、4月7日の日経平均株価は2,644円下落し、下落率は−7.83%に達しました。さらに米国市場でもS&P500種指数は約4.8%安、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数も約6%安と下落し、コロナ禍の2020年6月以来、約5年ぶりの下げ幅を記録しました。

しかし、過去と比べると今回の下落の「深さ」は違います。

ショックの種類 S&P500 最大下落率 回復までの期間
リーマンショック(2008年) −56.8% 約4年
コロナショック(2020年2〜3月) −33.9% 約5カ月
トランプ関税ショック(2025年4月) 最高値から一時−17%超 約1カ月で概ね回復
表1:過去の主要暴落とS&P500下落率の比較(出典:三井住友DSアセットマネジメント、第一生命経済研究所、松井証券)

コロナショック時、S&P500指数は2020年2月19日から3月23日までの約1カ月で33.9%下落しましたが、約5カ月後の8月18日には下げを完全に埋めました。

一方、今回は関税ショックによる株安も1週間で底打ちし、1カ月で関税前の水準を取り戻しました。

「大暴落」と感じる気持ちはわかります。
でも数字で見れば、今回はまだコロナショックの半分以下の下落幅だったのです。

2020年、マスクではなく株を買った話

コロナショックの最中、ドラッグストアには長い列ができ、マスクや消毒液の買い占めが起きていました。
多くの人が「現物」に逃げていたあの時期、筆者は株を買い続けていました。

S&P500指数は2020年2月19日から3月23日までの約1カ月で33.9%下落しましたが、その後約5カ月で完全に下げを取り戻しました。周囲が「アメリカも終わりだ」と言っていたあの瞬間こそ、実は最大の買い場でした。

恐怖を数値で見てもわかります。
トランプ関税ショック時における米国のVIX指数(恐怖指数)は52.33%(4月8日終値ベース)と極めて高水準となりましたが、リーマンショック、コロナショックなど過去12のシステマティックリスク・イベントを検証すると恐怖指数は40%を超えており、その後大きく反発する結果になっています。

つまり、恐怖が最大の時が、チャンスの最大値と一致することが多いのです。


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なぜ積立をやめると必ず損をするのか──ドルコスト平均法の本質

積立をやめる行動が「損失の確定」につながる理由は、ドルコスト平均法(定額購入法)の仕組みにあります。

ドルコスト平均法では、投資金額を一定に保つことで、価格が低いときには購入量(口数)が増え、価格が高いときには購入量(口数)が減ります。この仕組みが全体の平均購入単価を平準化させる効果を持ちます。

つまり、今のような下落局面は「同じ金額で、より多くの口数を仕込める期間」です。
ここで積立をやめることは、最も安く買えるチャンスを自ら手放すことを意味します。

基準価額(1万口) 積立金額 購入口数
1月(平常時) 10,000円 10,000円 10,000口
2月(暴落時) 7,000円 10,000円 14,285口(+43%)
3月(回復期) 9,000円 10,000円 11,111口
表2:ドルコスト平均法による口数の変化イメージ(筆者試算)

上の表が示す通り、基準価額が低いときには多くの口数を、基準価額が高いときには少ない口数を購入することになり、毎月同じ口数を購入する場合に比べ、平均購入単価を安定させる効果が期待できます。

2月に積立をやめてしまうと、この「割安に多く仕込める月」を丸ごと捨てることになります。
そして市場が回復した3月以降、高い価格で少ない口数しか買えない状況から再スタートするはめになるのです。

「市場に居続けること」が唯一の正解

コロナショックのように株価が大幅に下落した時まで追加投資せずに待っていると、上昇相場になった時に本来得られるはずだった利益が得られなくなり、機会損失が大きくなってしまいます。

過去のデータはすべて同じことを言っています。
暴落は必ず来る。そして、暴落の後には必ず回復が来ている——ということを。

問題は、その回復局面に「市場にいるかどうか」だけです。


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暴落時、筆者がやっている「たった一つのこと」

正直に言います。暴落が始まると、資産額は見ません。

減っているのは見なくてもわかるからです。
増えているときも同様に、見ません。

確認するのは一つだけ——「積立設定が動いているか」、それだけです。

自分に課しているルールはシンプルです。

  • 積立設定には触らない
  • 資産額の画面は開かない
  • SNSの「もっと下がる」論に乗らない

これだけです。
何もしないことが、最善の行動です。

「絶望は買い」──これが投資の本質

市場参加者全員が恐怖に震えているとき、株価は本来の価値よりも安くなります。
リーマンショック、コロナショック、チャイナショックなど過去12のシステマティックリスク・イベントでは恐怖指数が40%を超えており、その後大きく反発する結果になっています。

皆が怖がっている時こそ、市場は割安です。
そして値下がりしているときはたくさん買い、値上がりしているときは少なく買うことになるので、平均取得単価が平準化されていき価格変動のリスクを抑えられる仕組みになっています。

長期投資家にとって、暴落は「損をする局面」ではなく「仕込む局面」なのです。

今あなたがやること──3ステップ

難しいことは何もありません。今すぐできる行動は3つだけです。

ステップ 行動 目的
積立設定画面を開く 設定が生きていることを確認する
何も変更せずに画面を閉じる 感情による設定変更を防ぐ
余剰資金があれば追加投資を検討する 割安局面でのコスト低減
表3:暴落時に取るべき行動(筆者まとめ)

それだけでいいのです。
「何もしない」という行動は、長期投資においては積極的な戦略です。

まとめ:今日の学びと明日の行動

この記事で伝えたかったことを3点にまとめます。

① 今回の下落はまだ「序章」かもしれない
コロナショックは−33.9%、リーマンショックは−56.8%でした。
過去の暴落と比べると、今回の下落の深さはまだ限定的です。

② 暴落時に積立をやめることは、最安値での購入機会を捨てること
ドルコスト平均法(定額購入法)の恩恵は、下落時に最大化します。
やめる選択は、そのメリットをゼロにします。

③ 「市場に居続けること」が長期投資唯一のルール
過去のすべての暴落は、長期で見れば「割安で仕込めた時期」として記録されています。
米国株式市場を分析したデータが示す重要な発見は、富を築くために重要なのは「いつ買うか」でなく、「とにかく買い続けること」だということです。

あなたの積立設定は、今この瞬間も動いています。
それが、あなたの未来の資産を黙々と積み上げています。
触れる必要は、ありません。

※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任のもとで行ってください。

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