導入文
高配当投資やインデックス投資を続けていると、
ある時こんな感覚を持つことがあります。
「資産は増えている。でも、何かが足りない」
前回の記事では、
FANG+を**“守りと対立しない攻めの投資”**として紹介しました。
ただ、次に必ず出てくる疑問があります。
- いつ買えばいいのか
- どれくらい持てばいいのか
- 下がったらどうすればいいのか
特に初心者にとって、
この部分が曖昧なままだと不安が先に立ち、行動できません。
この記事では、
FANG+を「当てにいく投資」ではなく、
壊れずに持ち続けるための設計として整理します。
1|「いつ買うか?」を考えすぎなくていい理由
FANG+に興味を持ったとき、
多くの人が最初に悩むのが「今は買い時なのか?」という点です。
- 高値ではないか
- もう少し下がるのではないか
- 今はバブルなのではないか
ただ、この問いに正解を求めすぎると、
結局いつまでも行動できなくなります。
FANG+のような成長型の投資信託では、
「いつ買うか」よりも
**「どう持つ前提で買うか」**の方がはるかに重要です。
1-1|FANG+は短期で読めない
FANG+は値動きが大きく、
短期では上にも下にも大きく振れます。
そのため初心者が、
- チャートを見て
- 直近のニュースを追って
- タイミングを当てにいく
というやり方をすると、
ほとんどの場合うまくいきません。
理由はシンプルで、
- 上がる理由も
- 下がる理由も
後からはいくらでも説明できるからです。
結果として、
「買った直後に下がった」「待っていたら上がった」
という体験を繰り返し、
投資そのものが嫌になってしまいます。
1-2|大事なのは「買う日」ではなく「持ち方」
FANG+を使う上で大切なのは、
タイミングを当てることではありません。
- どれくらいの比率で
- どれくらいの期間
- どんな前提で持つのか
この設計が先に決まっているかどうかです。
FANG+は短期の値動きを当てにいく商品ではなく、
世界の成長スピードに長期で乗るための道具です。
だからこそ、
- 一時的な下落で慌てない
- 日々の値動きを追いすぎない
- 「想定内」として受け止める
こうした持ち方ができるかどうかが、
結果を左右します。
「良い日に買う」ことより、
「悪い日でも持ち続けられる設計」を作る。
これが、初心者が最初に押さえるべき考え方です。

2|初心者がまず守るべき「比率」の考え方
FANG+を取り入れるうえで、
「いつ買うか」以上に重要なのがどれくらい持つかです。
どんなに優れた投資信託でも、
比率を間違えると、
不安や恐怖が先に立ち、続けられなくなります。
初心者にとって大切なのは、
リターンの最大化ではなく、投資を壊さないことです。
2-1|なぜ少額からでいいのか
FANG+は、構成銘柄が成長企業に集中しているため、
値動きが大きくなりやすい特徴があります。
短期間で大きく上がることもあれば、
理由なく見える下落が続くこともあります。
初心者がいきなり大きな比率で持つと、
- 値動きが気になってしまう
- 毎日価格を確認してしまう
- 少し下がるだけで不安になる
といった状態に陥りがちです。
投資は、続けられなければ意味がありません。
そのため最初は、
値動きを見ても冷静でいられる金額・比率から始めるのが合理的です。
ここで必要なのは、
知識よりも「慣れ」と「耐性」です。
2-2|初心者向けの目安レンジ
では、具体的にどれくらいが適切なのか。
初心者向けの目安として、次のレンジが考えられます。
5%:まず体験するライン
ポートフォリオの5%程度であれば、
- 下落しても生活に影響しない
- 精神的な負担が小さい
- 値動きを観察する余裕がある
という状態を保ちやすくなります。
まずは「FANG+とはこういう値動きをするものか」を
体験する段階として適した比率です。
10%:成長を実感できるライン
10%程度になると、
ポートフォリオ全体の成長に対する影響がはっきりしてきます。
- 上昇局面では加速を感じやすい
- 下落局面でも「想定内」と受け止めやすい
この比率は、
守りの投資がすでに安定している人にとって、
現実的な成長ラインと言えます。
それ以上は「慣れてから」で十分
20%以上の比率は、
FANG+の値動きがポートフォリオ全体に強く影響します。
初心者がいきなりこの水準を目指す必要はありません。
- 値動きに慣れている
- 下落時もルールを守れる
- 感情と行動を切り離せる
こうした状態になってからでも遅くはありません。
👉 「増やすより、壊さない」が最優先
投資は、
早く増やした人が勝つゲームではありません。
続けられた人が、結果的に残る。
そのための比率設計が、ここでの目的です。

3|FANG+を“主役”にしない考え方
FANG+は魅力的な投資信託です。
成長力が高く、将来への期待も持ちやすい。
ただし、初心者がFANG+を主役に据えてしまうと、投資は一気に苦しくなります。
理由は、FANG+の「性質」にあります。
3-1|FANG+だけにすると不安が増える
FANG+は、配当がほとんど出ません。
そのため、保有している間に「成果」を実感しにくい特徴があります。
価格が上がっているときは問題ありませんが、
下落局面では、
- 何も入ってこない
- ただ含み損が増える
- 耐える時間が長く感じる
という状態になりやすくなります。
さらに、成長企業に集中している分、
相場全体の調整局面では下落幅が大きくなることもあります。
初心者にとって、
- 評価額が大きく動く
- 理由がよく分からない下落が続く
こうした状況は、精神的な負荷が非常に大きいものです。
FANG+は悪い商品なのではありません。
「それだけに頼る」使い方が、初心者向きではないというだけです。
3-2|役割分担で考えると楽になる
投資が楽になるかどうかは、
商品選びよりも役割分担ができているかで決まります。
それぞれの投資には、向いている役割があります。
- インデックス投資:土台
長期で市場全体の成長を取り込む
値動きは比較的穏やかで、中心に据えやすい - 高配当投資:安心感
定期的な収入があり、精神的な支えになる
相場が不安定な時でも続けやすい - FANG+:成長の加速
資産全体の成長スピードを高める
ただし、単体では不安定になりやすい
このように役割を分けて考えると、
それぞれに過度な期待をしなくて済みます。
👉 1つに期待しすぎない
どれか1つですべてを解決しようとすると、
投資は必ず苦しくなります。
FANG+は「主役」ではなく、
すでに走っている資産を少しだけ加速させる存在。
そう位置づけることで、
初心者でも無理なく付き合えるようになります。

4|下がったときに「何もしない」ための準備
FANG+に限らず、
投資で一番難しいのは「買うこと」ではありません。
下がったときに、何もしないことです。
事前に準備ができていないと、
人は必ず感情で動いてしまいます。
4-1|初心者が一番やってしまう失敗
初心者が下落局面でやってしまいがちなのは、
次の2つです。
下落=失敗だと思ってしまう
価格が下がると、
- 判断を間違えたのではないか
- やはり買うべきではなかったのではないか
と考えてしまいます。
しかし、FANG+のような成長型の投資信託では、
下落そのものは異常ではありません。
上昇と下落を繰り返しながら、
長期で成長していく性質を持っています。
下がった=失敗
と考えてしまうと、
本来想定していた値動きにも耐えられなくなります。
途中でルールを変えてしまう
もうひとつ多いのが、
下落を見て、事前に決めていたルールを変えてしまうことです。
- 少し下がったから売る
- やっぱり比率を減らす
- しばらく様子を見ることにする
こうした判断は、
その場では「冷静」に見えて、
実際には感情に引っ張られています。
ルールを途中で変えると、
投資は一貫性を失い、
結果的にうまくいかなくなります。
4-2|事前に決めておく3つのこと
下落時に「何もしない」ためには、
下がる前に決めておくことが重要です。
最低限、次の3つは事前に整理しておきましょう。
① 生活資金とは完全に分ける
FANG+に投資する資金は、
- 生活費
- 近い将来に使うお金
とは必ず切り離します。
「このお金は当面使わない」
と心から思える状態でなければ、
下落時に冷静でいることはできません。
② 10〜20%の下落は想定内と決める
FANG+では、
10%程度の下落は珍しくありません。
相場環境によっては、
20%近い調整が入ることもあります。
これを、
- 異常
- 失敗
- 想定外
と捉えないために、
あらかじめ「ここまでは普通」と決めておくことが大切です。
③ 売らない前提で始める
FANG+は、
短期で売買するための商品ではありません。
- 下がったら売る
- 上がったら考える
という姿勢では、
値動きに振り回されてしまいます。
最初から、
「売らない前提で持つ」
と決めておくことで、
日々の値動きはノイズになります。
下落に耐えるために必要なのは、
強いメンタルではありません。
下がっても慌てなくて済む設計です。

5|初心者にとっての正解まとめ
ここまで、
FANG+を「どう考え、どう持つか」を整理してきました。
最後に、初心者にとっての正解を
できるだけシンプルにまとめます。
5-1|FANG+の正解はこれ
初心者がFANG+と付き合うとき、
押さえるべきポイントは次の3つです。
いつ買うか → 深く考えすぎない
FANG+は、
短期のタイミングを当てにいく商品ではありません。
「今が高いか安いか」を気にしすぎるより、
持ち続けられる前提が整っているかを重視します。
どれくらい → まず5〜10%
いきなり大きな比率で持つ必要はありません。
- 5%:値動きに慣れる
- 10%:成長の加速を実感する
この範囲であれば、
初心者でも冷静さを保ちやすくなります。
目的 → 資産を加速させる“補助エンジン”
FANG+は主役ではありません。
すでにある資産の土台に取り付ける、
成長を少しだけ早めるための補助エンジンです。
この位置づけを間違えなければ、
過度な期待や不安から解放されます。
5-2|攻めの投資は「勇気」ではなく「設計」
攻めの投資というと、
「覚悟が必要」「メンタルが強い人向け」
というイメージを持たれがちです。
しかし実際は、その逆です。
不安が強く出るのは、
感情が弱いからではなく、設計が足りないから。
- 比率が決まっていない
- 下落時の対応が決まっていない
- 目的が曖昧なまま持っている
こうした状態では、
誰でも不安になります。
一方で、設計ができていれば、
感情は自然と静かになります。
攻めの投資は、
勇気を振り絞るものではありません。
壊れないように組み立てるものです。

