📌 ドル円、147円台を試す展開へ
2025年7月8日のNY為替市場では、ドル円が一時147円台に迫る展開となり、円安ドル高の動きが鮮明になりました。前日までのもみ合いを脱し、ドル円はついに100日移動平均線を上抜け。テクニカル的にも底値からの反発局面に入りつつあるとみられます。
注目されるのは、6月23日に付けた直近高値148円ちょうどの水準。この抵抗線を超えられるかが、次のトレンド判断に大きな影響を与えそうです。
📌 円安を誘発した「トランプ関税」
今回の為替相場の急変動には、トランプ前大統領による新たな関税政策の発表が大きく関係しています。
🔺 8月1日から、日本を含む複数国に対して25%の関税を課す
この発表を受けて、米国市場では以下の動きが同時進行しました:
- 株安
- 長期金利の上昇
- ドル高(円安)
関税によるインフレ圧力への懸念から金利が上昇し、相対的にドルが買われる展開に。円は「安全通貨」として買われるよりも、金利差で売られる圧力の方が強く、結果としてドル円が上昇する構図が出来上がりました。
ただし、米財務長官は「48時間以内にいくつかの合意を発表する」と発言しており、市場には一定の楽観ムードも存在しています。
📌 日銀の利上げ期待、急速に後退
もう一つの重要要因は、日本銀行の利上げ期待の後退です。
短期金融市場では、年内の追加利上げの織り込みが約40%まで低下しました(5月時点では80%近く)。背景には以下のような要因があります:
- 米中・米日を含む貿易摩擦の影響
- 世界経済の減速懸念
- 日本国内の実質所得・消費の弱さ
これにより、為替市場では「日米金利差が再拡大する」という見方が優勢となり、円安を後押ししています。
📌 今後の焦点と為替相場の行方
現状のドル円相場における短期的な注目ポイントは次の2つです。
✅ 1. 100日移動平均線の維持
すでにこの水準を突破したことで、テクニカル的には「底打ち反転」の兆しが出ています。維持できれば、次は148円台の上抜けが意識されます。
✅ 2. トランプ関税と米中関係の動向
関税の正式発動や、その後の合意内容次第では、再び円高・株安に振れるリスクも。市場は依然として政策動向に神経質です。
✅ 主要通貨の対円終値(7月8日 NY市場)
通貨ペア | レート |
---|---|
USD/JPY | 146.93円 |
EUR/JPY | 171.82円 |
GBP/JPY | 199.20円 |
AUD/JPY | 95.79円 |
🔍 総括:ドル高・円安は続くのか?
2025年夏の為替相場は、「米国の保護主義政策と日銀の静観姿勢」という2つのファクターに強く左右されています。
- 米国のインフレと長期金利動向
- トランプ陣営の関税方針の変化
- 日銀がいつ正常化の一歩を踏み出すか
これらを冷静に見極めつつ、今後のドル円相場が147円台で定着するのか、それとも再び下落に転じるのかに注目していく必要があるでしょう。
下記は自分のネット環境や情報の参考にしているものです。ご参考までに。